花さそふ 嵐の庭の 雪ならで 散りゆくものは アベが身なりけり
- 2018年 3月 18日
- 評論・紹介・意見
- 弁護士澤藤統一郎
おや、お久しぶり。珍しくお散歩ですか。
上野の大寒桜は満開と聞きましてね。
大寒桜と陽光はもう見頃ですね。濃い紅色がみごとですよ。待ちかねた春が来たという喜びの色。
昨日の雨で洗われて空がきれいですから、花も柳も、よく映えますな。
まったく。澄んだ青空を背景に、「花は紅、柳は緑」。この上ない日和ですね。
ソメイヨシノはまだ開いていませんが、今日東京の開花宣言だというじゃありませんか。どういうことでしょうかね。
あれは、靖国神社の境内にある標準木の開花で決めるんだそうですよ。
靖国神社とサクラですか。ぱっと咲いて、ぱっと散る。潔く死ぬことを美化するサクラというイメージですな。あまり気持ちのよいものではない。
たまたま、気象庁の手近の場所が靖国だったからと説明されていますがね。ホントのところはどうでしょうか。
そういえば、太平洋戦争での最初の特攻隊が、敷島隊、大和隊、朝日隊、山桜隊の4隊でしたな。
「敷島の大和心を人問わば 朝日ににおう山桜花」という例の宣長の歌から採ったネーミングですね。
特攻で確実に死ぬ兵士を、散る桜に例えて、「朝日ににおう山桜花」と美化したわけでしょう。罪の深いことですな。
昔の兵営にはサクラが付きものと聞いていましたが、潔く美しく散れ、という押しつけでしょうかね。
押しつけではないかも知れない。もしかしたら、忖度せよだったかも知れませんな。
兵営にサクラ、靖国にサクラは似つかわしいかも知れない。校舎にさくらはふさわしいんでしょうかね。
明治期、兵制の整備と学制の整備とはほぼ同時に進行しましたが、兵制の方が少し早かった。学校体育などは兵隊の教練を意識的に真似るものだった。校舎のサクラも、兵舎のサクラを真似たものでしょうね。子どもたちは、立派な兵になることを期待されていたんですから。
そういえば、ソメイヨシノの咲くころに、新宿御苑では、安倍さんの観桜会があるそうですよ。招待状が来たという知り合いから聞きました。
えっ? 安倍さんって、話題の昭恵さんの夫のあの安倍さんのことですか。いま、花見をするような余裕がおありなんですかねえ。
夫婦で、参会者に何を語ろうというのでしょうかね。「私たちは少しも悪くない。悪いのは籠池や佐川たちで、私たち夫婦は被害者だ」って。
彼らにこそ潔く散ってもらいたいと思いますね。この件に関わっていたら、総理大臣も議員も辞めると明確におっしゃったんですから。散り際美しくありませんね。
観桜会のころまで、アベザクラは散らずにもつでしょうか。
八重桜の散るころかも知れません。
招待状をよく確認するよう、友人に忠告しておきましょう。「開催日までに内閣総辞職があれば中止」と小さい字で書いてあるかも知れませんから。
もしかしたら、改竄された招待状かもしれませんよ。招待状の日時に行ってみたら、観桜会などはなかったりして。どういうことかと、アベ事務所に問い合わせると、「その招待状は改竄されたものです」なんてね。
しかも、アベ夫妻は、「改竄の事実は存じません。改竄の指示などは一切しておりません」なんてね。
薄汚いね。「花は紅、柳は緑」の鮮やかさとはおよそ無縁な世界の出来事。
アベという膿をしぼって捨てて、美しいきれいな国にしたいものですね。
ではまた。
ご機嫌よろしゅう。
(2018年3月17日)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2018.3.17より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=10065
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion7490:180318〕
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