SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】258 国連は戦争を止められないのか?
- 2018年 4月 20日
- 評論・紹介・意見
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米トランプ大統領、英メイ首相、仏マクロン大統領のシリア空爆は、結局、イスラエル首相ネタニヤフの一人勝ちをもたらしました。 トランプは「化学攻撃は人間のやることではない」、メイは「空爆は地域の緊張を脅かさない」、マクロンは「僕がトランプを説得し、米軍のシリア駐留と攻撃を呑ませた」などと、夫々が勝手な戦争感を並べました。 しかし、3首脳は、他国の主権を侵犯しこと、他国を破壊したこと、他国民の権利を踏みにじったことなど、負の戦争側面には一言も触れませんでした。 そりゃそうですよね、、白人3首脳はアフリカ人・アラブ人・アジア人など根っから眼中になく、馬鹿にしていますし、この3首脳は、平和ではなく戦争大好きのようです。 白人3首脳のみなさま、お部屋で戦争ゲームを楽しむより、戦場で自ら、人殺しをやられてはいかがですか?
① 調子づいたイスラエル:
これまでイスラエルは軍事攻撃を成功失敗にかかわらず、声高に自慢してこなかった。
常識的に、犯罪者は犯罪行為を密かにやるものだ。が、事が終ってから、イスラエルは自分の都合で軍事攻撃を発表することがまれにある。2018年4月16日、イスラエル軍の幹部が、ニューヨーク・タイムズとイスラエル紙ハーレツなどに、「4月9日にホムス近くのアサド政権空軍基地に行ったミサイル攻撃は、イランの軍事施設とイラン部隊を狙ったものだ。攻撃で死亡した10人のうち7人は、アサド政権を支援するイラン精鋭部隊<革命防衛隊>の兵士だった。イスラエルとイランの対決は新たな局面に入った」と、一週間遅れで発表した。イスラエル軍の発表は、米英仏4月14日の援助空爆を受けて行われた。イスラエルによる4月9日のシリア軍事攻撃は、明らかに他国への侵犯であり、国際法にも国連憲章にも違反する。4月14日に国連憲章と国連安保理を無視した米英仏シリア攻撃は、イスラエル批判をかわすためにイスラエルが強引にやらせた、というのが国連記者たちの推測だ。「調子づいたイスラエルは、シリア国境にあるレバノンのヒズボラ部隊も狙っている」と、レバノンの記者が、エスカレートするイスラエル軍に対しての国連見解を糺したが、国連事務総長報道官は「私は総長から聞かされていない」と逃げた。
② どっちつかずの両生動物モロッコ:
4月15日、サウジアラビア東部ダンマン近郊で、アラブ連盟首脳会議が行われた。2003年のイラク戦争と2011年の「アラブの春嵐」以来、リビア崩壊、シリア戦争、そしてカタール村八分と、アラブ連盟は動乱続きで、全く統制が取れなくなっている。4月14日、アラブの国シリアが米英仏軍に攻撃されるのを黙認し、「化学兵器はよくない」という非難声明を出した。化学兵器保持という偽情報でアラブの国イラクを破壊されたことを、アラブ諸国は忘れている。今また、アラブの仇敵イスラエルが米英仏をそそのかして、アラブの国シリアを壊滅しようとしている。気付かないわけがない。それなのに、サウジアラビアの実力者ムハンマド・サルマーン皇太子は、「俺のアドレス帳にイスラエルを加え、イランを外した」と、語る。アラブは変わった?アラブは変えられた?
そんな形骸化したアラブ連盟を、西サハラ獲得の資金協力者にしようと、モロッコ国王モハンマドⅥ世陛下は働き続けてきた。湾岸諸国の中でカタール村八分が起こった時は、カタールにつくでもなく村八分首謀者のサウジアラビアにつくでもなく、、仲介者という立場を取った。今回のアラブ連盟首脳会議にもモハンマドⅥ世陛下は出席を予定していたが、心臓病療養中のため欠席。弟のムーレイ・ラシード王子が代行した。米英仏シリア攻撃に関して、フランスが後見人のモロッコは、化学兵器使用はよくないと戦争攻撃を支持した。その一方で、「和平交渉で解決すべきだ」と、国連和平交渉を騙ったのだ??
③ 国連報道室でモロッコ記者の情宣活動:
あの、西サハラ軍事殲滅を主張し、西サハラとの国連和平交渉を拒否するモロッコが、今回の米英仏シリア攻撃に関して国連和平交渉を勧めるその心は?2点、考えられる。1-モロッコは、この4月末で任期が切れるMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)国連PKOの一年再更新を撤廃させ、国連に西サハラ問題から手を引かせようとしているのか?2-それともMINURSO国連PKOを挑発して、西サハラ軍事殲滅をMINURSOにやらせようとしているのか?いずれにしろモロッコは、オマル・ヒラル モロッコ国連大使の先導で、フランスの協力を得て国連ロビー活動を活発化させている。普段は見向きもしない国連報道室にも日参し、ヌーン・デイリー・プレス・ブリーフィングで盛んに西サハラ側の軍事違反行動フェークニュースを流し始めた。
まず、4月18日のプレス・ブリーフィングの一コマを紹介する。
モロッコの記者A質問―昨日(4月17日)、MINURSO国連特使がテインドゥフ(難民キャンプのある所)での面会を申し出たが、西サハラ難民政府は断ったそうだ?なぜだ?
国連事務総長報道官ーそんな報告は受けていない。
モロッコの記者B質問―5月半ばにポリサリオ難民軍がMINURSOに向けて威嚇射撃をし
た。国連の見解は?
国連事務総長報道官―チェックしてみるが、それに関する記述はない。
翌4月19日、国連事務総長報道官はモロッコ記者たちの質問に、「MINURSO国連事務
総長特使コリン・スチュワートは、何度となくテインドゥフでポリサリオ難民軍と会い緊
密に意見交換を行っている。3月16日、MINURSOのパトロール部隊にポリサリオ難民軍
は空に向けて一回、警告の発砲をした。折り合いが付き、MINURSOはパトロールを続け
た。ポリサリオ難民軍司令官は命令なしで威嚇した兵を、懲戒処分した」と、解答した。「ど
んな懲戒処分なのか?」とのモロッコ記者の質問に、報道官は「緩衝地帯ではなく、ポリ
サリオ難民軍管轄地域で起こったことで、処分は難民軍がやる。我々の手の内にない」
化学兵器を誰が使ったのか?の検証もなく、国連安保理決議もなし、国連憲章も馬鹿にし米英仏は戦争に踏み切ったのです。 それに元々、白人3首脳 は国連決議を無視するイスラエルのファンでもあります。
またもや、戦争を止めれなかった国連、、 国連って役に立つの? 国連って何なのさ?
素朴な疑問は、ジョン・ボルトン国家安全保障担当トランプ大統領補佐官の国連不用論を援助することになってしまいます。
国連が自爆しないよう、、祈ってます。 心から、、
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2018年4月20日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7574:180420〕
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