SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】262 ポリサリオってなんだ?
- 2018年 5月 13日
- 評論・紹介・意見
- サハラ平田伊都子西サハラ
<ポリサリオ>とは、西サハラ独立運動組織<ポリサリオ戦線>のことです。 UN国際連合もEUヨーロッパ連合もAUアフリカ連合も、みんな、ポリサリオ戦線を西サハラ民族の代表としています。 そう言われても私たち日本人には、ポリサリオ戦線と西サハラの繋がりが分からない、、 <戦線>という言葉も、今どき、違和感を覚えます。
従って、西サハラ難民大統領は、<サハラ・アラブ民主共和国大統領兼ポリサリオ戦線事務総長>となります。 「長すぎて馴染めない、ポリサリオ戦線事務総長を省いてもいいか?」と、筆者が聞いたら、「勉強しろ」と、ポリサリオ幹部にえらく怒られました。 では、再燃したシリア戦線と、あおりを食っているポリサリオ戦線を学んでいきしょう、、
(1)5月9日、欧州戦線の終戦日:
ロシアをはじめウクライナ、ベラルーシなど旧ソ連諸国は5月9日を第二次世界大戦の対独戦勝記念日としている。その戦勝記念祭に、ロシア大統領プーチンはイスラエル首相ネタニヤフを呼んだ。ロシアは親イランでイスラエルは反イランで、しかし、イスラエルにはたくさんのロシア人移民がいたり、もともとイスラエルの社会作りは原始共産主義的だったり、、共通点が多々ある。一発触発の中東第5次戦争に歯止めをかけれるのは、プーチンかも知れない?
5月1日、ネタニヤフがイランの<隠れ核兵器開発証拠>を捏造し<イランは嘘つき>と、お得意の図表付きで講演した。講演を受けて♠米大統領は、「イスラエルが出してくれた新しい証拠によると、イランは核兵器開発に関して嘘をついていた」と、ネタニヤフとの打ち合わせ通りに5月8日に<イラン合意>からの離脱を宣言した。証拠を捏造したのは、イラク戦争を仕掛けるために<大量破壊兵器証拠写真>を捏造したベテラン偽造屋、現在の国家安全保障補佐官、ジョン・ボルトンだから、作業は迅速に進んだ、、ネタニヤフ家とユダヤ人クシュナー家は親類付き合いだそうで、ネタニヤフ~クシュナー♠娘婿~♠ 米大統領の絆は丈夫すぎる。
5月11日の国連定例記者会見でマスード記者が、「イスラエルはIAEAやあらゆる機関の調査を拒否しているが、200発以上の核兵器を持っている。国連は承知しているのか?国連と6か国が結んだイラン核合意離脱は国連安保理決議違反に値するのでは?」と糾弾した。5月1日、イスラエルとアメリカに合わせてイランと断交したモロッコだが、あるモロッコの識者はイスラエル核兵器に関して「嘘つきはイスラエルだ」と、批判した。
一方、ロシアに対して、「クリミアや他の領有権を認めるから、モロッコの西サハラ領有権を認めろ」というモロッコの提案は暗礁に乗り上げたようだ。
(核兵器は2017年7月時点で、ロシア7,290発、アメリカ7,000発、フランス300発、中国270発、イギリス215発、パキスタン140発、インド130発、北朝鮮20発、推測)
(2)5月10日、シリア戦線、再炎上:
BBC英国TV が、「木曜日(5月10日)にイスラエルが、シリア内部にある殆ど全部のイラン軍施設を破壊したと語った。空爆はイスラエル軍駐屯地に20発のロケット攻撃に対する報復。シリア内戦勃発以来(2011年)最大規模のイスラエル攻撃、、」と、イスラエルの周到に準備された猛爆を報道した。NHKも「イスラエルの空爆は、首都ダマスカスの周辺をはじめ、南部のクネイトラ県や、中部のホムス県など広い範囲に及んだということです。また標的となったのは、イスラエルと敵対するイランやイスラム教シーア派組織ヒズボラ、それにイランが支援するアサド政権の軍事施設で、少なくとも23人が死亡しました」と、報じた。5月10日、ホワイトハウスのサンダース報道官は、「イラン政権がイスラエルの市民に対してシリアからロケット弾による挑発的な攻撃を行った」と、イランを非難し、「イスラエルが自衛のために行動する権利を強く支持する。全ての国がイラン政権が国際社会の平和と安定を脅かしていることを、明確に非難表明するように」と、踏み絵声明を出した。
そして、♠米大統領は、「イランのテロリスト退治だ!」と、またもやイスラエル首相ネタニヤフ喜ばせる演説をした。ポリサリオ戦線にもテロリストのレッテルを貼ってもらおうとアメリカ政界で暗躍しているモロッコ報道官ムスタファ・エル・ハルフィは、喜んだ。しかし、現実にテロリストを欧米に送りこんでいるのは、モロッコだ。マドリッドに拠点を置くシンクタンク・エルカノ王立研究所は、「過去5年間にスペインで殺害された、あるいは逮捕された過激派の半分は、モロッコ人かモロッコ出身者だ」と、発表している。
(3)45周年を迎えたポリサリオ戦線:
45年前の5月10日、西サハラ砂漠の遊牧民の息子、エルワリがポリサリオ戦線という名の西サハラ独立運動組織を立ち上げた。ポリサリオ<Polisario>は、<Frente Popular para la Liberacion de Saguia el Hamra y Rio de Oro>という超長いスペイン名の略である。日本語に訳すと<サギア・エルハムラとリオ・デ・オロ解放のための人民戦線>となる。サギア・エルハムラ(赤い涸れ川の意味)は西サハラ北部のアラビア語地名で、リオ・デ・オロ(金の川の意味)はサハラ南部のスペイン語地名である。3年後の1976年2月27日、エルワリはSADR (サハラ。アラブ民主共和国)を西サハラ難民キャンプに建国した。以来42年後の今も、西サハラ難民と西サハラ被占領民は、ポリサリオ戦線が指導するSADR(サハラ・アラブ民主共和国)の下で、独立運動を続けている。西サハラ独立運動の創設者エルワリはSADR建国4カ月後に、モーリタニア戦線でモーリタニア軍に惨殺された。
しかし、モロッコはエルワリの殉死に関しても。「エルワリはアルジェリアに暗殺された」というフェイクニュースを流し、アルジェリアとポリサリオの仲を裂こうとしている。
ポリサリオ戦線45周年記念祭はアウセルド西サハラ難民キャンプで行われました。
アルジェリアの来賓たちが次々と長々と祝辞を述べ、<サハラ・アラブ民主共和国大統領 兼ポリサリオ戦線事務総長>ブラヒム・ガリが記念祭をしめました。 終辞で大統領はまず、「アルジェリアに感謝する」と述べ、「アルジェリアとイランとポリサリオを貶めようとするモロッコの不正義な謀略は、失敗する。しかし、西サハラ民族は、正義の独立を勝ち取る。問題は時間だ」と、語りました。 それにしても、アルジェリアに居候しているてまえ、いろいろと気苦労が多いようですネ?
お察しします、<サハラ・アラブ民主共和国大統領 ポリサリオ戦線事務総長>殿。
ポリサリオ戦線の記念日で行進する、昔ながらの戦闘服を着た古参兵たち
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2018年5月13日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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