5.18(金)「『資本論』を読む 講座開講のご案内――吉村信之」
- 2018年 5月 18日
- 催し物案内
- 吉村信之変革のアソシエ
5月18日(金)(場所:協同センター・東京 変革のアソシエ東京事務所)から、「変革のアソシエ」にて、昨年度から引き続き、2年計画で『資本論』を読みとおす講座(今年は2年目)を開催します。
第1回は、「これまでのおさらい」というタイトルで、昨年度まで読んできた『資本論』第一部と第二部(第二篇「資本の回転」まで)の内容を簡単に振り返り、要約して分かりやすくお話ししたいと思います。
今年はマルクス生誕200年に当たります。昨年度から継続して参加される方はもちろんのこと、新規に参加される初心者の方、途中から参加される方も歓迎します。基礎からわかりやすくお話ししたいと思います。
下に講座案内を掲げます。
なお、リニューアルした「変革のアソシエ」のホームページでも講座の案内がご覧になれます
(https://www.henkaku-associe.com/project-3)。
■『資本論』を読む
吉村 信之
(全10回・第3金曜日、19時~21時)[5月18日開講]
マルクスの『資本論』は、巨大な古典です。19世紀の1867年に第1部初版が刊行されて以来、この書物に盛られた内容は、幾千万の人々に大きな影響を与えてきました。ロシア革命をはじめとする20世紀前半以降のさまざまな社会主義革命の動き、あるいはこれに側圧を受けながら形成されてきたケインズ型福祉国家に見られる資本主義経済の変容は、それらへの反動として1980年代以降世界経済を覆ってきた新自由主義の傾向をも含めて、すべて『資本論』の出現から生み出されたといっても過言ではありません。たった一つの書物が、多くの人々を励ましあるいは恐れさせることを通じて、文字通りその後の世界史を創り上げてきたという例は、聖書やコーランといった宗教的・集団的著作を除けば、『資本論』を除いてほかに歴史上存在しないといっていいいでしょう。
この講座では、『資本論』から、現代の資本主義経済を分析する際の基礎となる原理的な経済のメカニズムを学んでいきたいと思います。これまで本講座を担当されてきた伊藤誠氏と小幡道昭氏の両講師を引き継いで、初学者の方にも分かりやすく質問しやすい講座にしていくつもりです。今年度(2018年度)の計画として、まずは、昨年度までの講座内容(『資本論』第2部第2篇「資本の回転」第17章「剰余価値の流通」まで)のおさらいから始め、その後第2部第3篇、そして第3部の内容へと本格的に入っていくことを予定しています。この講座は、2年間で『資本論』全体を読み通す講座として、昨年度から再出発しましたが、今年度はその後半に当たります。参加される皆さんと一緒に、『資本論』を最後の第3部まで篇ごとに読んでいきたいと思います。今年度から、または途中からの参加も歓迎します。一緒に考えることを通じて、資本主義とは何か、現代社会はどのような構造となっているのかという疑問に、自分なりの解答が得られることを目指します。
【テキスト】カール・マルクス『資本論』岡崎次郎訳、国民文庫版、第1~8分冊。
その他邦訳は、新日本出版社(新書)・岩波文庫にもあります。どれでも構いません。
【参考文献】伊藤誠『「資本論」を読む』(講談社学術文庫、2006年)
小幡道昭氏のページ:『資本論』第1巻を読む
(http://gken.sakura.ne.jp/gken/category/readingcapital/)
その他、講座のときにご紹介します。
(2018年)
[1] (5月18日) これまでのおさらい
[2] (6月15日)第2部 「資本の流通過程」、第3篇「 社会的総資本の再生産と流通」
第3部「資本主義的生産の総過程」
[3] (7月20日)第1篇「剰余価値の利潤への転化、および剰余価値率の利潤率への転化」
[4] (9月21日)第2篇 「利潤の平均利潤への転化」
[5] (10月19日)第3篇 「利潤率の傾向的低下の法則」
[6] (11月16日)第4篇「商品資本及び貨幣資本の商品取引資本および貨幣取引資本への転化(商人資本)」
[7] (12月21日)第5篇「利子と企業者利得とへの利潤の分裂。利子生み資本」
(2019年)
[8] (1月18日)第6篇 「超過利潤の地代への転化」
[9] (2月15日)第7篇 「諸収入とその源泉」
[10](3月15日)『資本論』を読む・総括
◎講師◎
吉村信之(よしむらのぶゆき)
(信州大学)
専攻:理論経済学
共著・論文:守健二編『恐慌論の論点と分析』(論文「信用論・信用恐慌論の研究潮流」収録、創風社、2014年)、「転形問題における単一体系解釈」(『信州大学経済学論集』第62巻、2011年)、「貨幣取扱業務の再検討―信用と恐慌をめぐって」(『季刊経済理論』第41巻第4号、2005年)、SGCIME篇『金融システムの変容と危機』(論文「世界貨幣と国際通貨――『ドル本位制』の歴史的位相」収録、御茶の水書、2004)、小幡道昭編『貨幣・信用論の新展開』、論文「為替と恐慌」収録、社会評論社、1999年)ほか。
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