SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】273 セウタへ、アフリカ移民大脱走
- 2018年 7月 30日
- 評論・紹介・意見
- サハラ平田伊都子西サハラ
ジブラルタル海峡を泳いで、モロッコから脱出を企てたモロッコの若者二人が救助され、
モロッコ北部のスペイン領セウタの不法移民施設に収容されています。 2017年1月1日には、モロッコとセウタの国境フェンスを越えて、モロッコやアフリカの不法移民800人以上が、2月17日には498人が、スペイン領セウタに雪崩れ込みました。 なぜなら、モロッコはアフリカだけど、モロッコ北部にあるセウタはスペイン、つまり、ヨーロッパだからです。 エル・ドラド(スペインで黄金卿)を夢見るアフリカ人は、危険が一杯のリビア地中海航路よりフェンス越えを選ぶようになりました。 が、フェンスが強化されると、ゴムボートでセウタの港を目指すようになりました。 2018年の初旬だけで233人の移民が5隻のゴムボートで、スペイン領セウタに漂着しました。 2017年の同時期には51人でした。
(1)ジブラルタル海峡を泳いでモロッコ脱出:
2018年7月19日、モロッコのタンジェ沖でウェットスーツを着て浮かんでいる二人のモロッコ人を、地元民が見つけた。一人は溺死寸前だった。二人はスペイン領セウタの領海に入っていたので、地元民はスペインの自警団に通報した。スペイン自警団は抵抗する二人を不法移民施設に収容し、手当てをした。二人は、モロッコ北端のタンジェから泳いでジブラルタル海峡を渡り、対岸のスペインに密入国するつもりだった。
タンジェ港から、スペインのイベリア半島が見える。イベリア半島最南端のタリファ岬からモロッコのアルカサル・エ・セリルまでは、たった14キロメートル。泳げない距離ではない。しかし、サメなんかに出くわしたら、どうするんだろう??
セウタは人口82,376人、面積18.5平方キロメートル、メリリャとともに、モロッコ北部にあるスペインの飛び地領土、つまり植民地だ。ジブラルタルはスペイン南端にあるイギリスの植民地で、、西サハラはモロッコの南と国境を接したモロッコ植民地で、、
どこの国も、時代錯誤の植民地主義がお好きですネ、、
(2)アフリカ不法移民、セウタへ大脱走、:
2018年7月26日早朝、モロッコ側に収容されていた700人以上のアフリカ不法移民が、モロッコ側のフェンスに突撃した。モロッコとスペイン・セウタ国境のフェンスは二重になっていて、モロッコ側フェンスをクリアーしたサハラ以南のアフリカ人たちは、跪いて神に感謝した。ジブラルタル水泳脱出といい、フェンス越えといい、相当の体力と運動神経が問われる、、オリンピック選手を上回る身体能力と勇気を讃えて、スペインのセウタに収容されたアフリカ移民たちに亡命を認めてあげてください!モロッコ側のアフリカ移民収容状況は?藪の中、明らかにされていない。
モロッコとスペイン・セウタのアフリカ移民フェンス突撃事件を受けて、同日の7月26日、スペインのペドロ首相とフランスのマクロン大統領は急遽、移民問題を検討した。
スペイン政府は、移民の中継国でなおかつ移民排出国でもあるモロッコに、緊急移民対策を迫った。スペインのラ・セスタ(La Sexta)ニュースが翌7月27日に、「スペインの強い移民対策要請を受けたモロッコ内務省は、7,764,200,000円が必要だと移民対策予算をスペイン政府につきつけた。その根拠となる長い品目もつけた。その品目には、ヘリコプター数機、車両数台、レーダー数機、戦闘服、重火器など数々が記されていた」と、報じている。さらにスペイン・ラ・セスタは、「モロッコ内務省は、モロッコは不法移民や人身売買業者の引き渡しなど、十二分に協力している。さらなる協力には先立つものがいると金の無心をした。スペイン政府は、モロッコの要求品目はEUに転送してあるから、EUがうまく計らってくれるだろうと、モロッコに返答」と、言及した。
7月27日、スペインのカルメン保健大臣は、移民にも国民健康保険制度を適用すると、発表した。
(3)モロッコのアパッチ・ヘリ購入計画:
7月25日のMWNモロッコ世界ニュースは、「モロッコはアメリカと、<AH64Apache>アパッチ攻撃ヘリコプター購入交渉に入っている。交渉はFARモロッコ王室陸軍のアブデル・ファッタ・ルアラク監察長官がワシントン入りし、アメリカ国防省高官と会った時から始まったとか?さらにモロッコは、トルコ製<T129ATAKヘリコプター>入手も狙っている」と、伝えている。MWNモロッコ世界ニュースはさらに、「モロッコ軍は、2017年に米国製船舶攻撃ミサイル6発を手に入れている。モロッコはF16の獲得も目指している」との、UNROCA国連軍備登録制度の調査結果まで引用している。モロッコはどうやって高額の軍事費を算段するのだろう?
もしかして?モロッコは、アメリカから兵器を買う費用に、EUヨーロッパ連合の移民予算を回すのでは?と、勘ぐりたくなるくらい、モロッコの財政は逼迫している。
モロッコ若年層の失業率は最悪だし、北部モロッコでの反政府運動は日に日に過熱しています。 モハンマドⅥ世モロッコ国王陛下は7月30日の<王位継承・戴冠の日>記念祭典を問題の多いアル・ホセイマで行うため、7月23日からモロッコ北部入りをして祭りの準備をしてきました。 が、アル・ホセイマの人々が期待しているのは派手な祭りではなく、モロッコ当局が不法収監している住民の釈放なんです、、
モロッコ対岸にある、スペインのアンダルシアに到着した西サハラ難民キャンプの子供たち。一か月の夏休みプレゼント
Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内をいたします。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7872:180730〕
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