【報告】8月11日市民立法チェルノブイリ法日本版の学習会「NOでは足りない--3.11・ショックに対処する方法:もう1つの『あべこべ』は可能だ--」(さいたま市浦和区)
- 2018年 8月 15日
- 評論・紹介・意見
- 弁護士柳原敏夫
【報告】8月11日市民立法チェルノブイリ法日本版の学習会「NOでは足りない--3.11・ショックに対処する方法:もう1つの『あべこべ』は可能だ--」(さいたま市浦和区)
https://chernobyl-law-injapan.blogspot.com/2018/08/blog-post.html
●プレゼン資料
http://1am.sakura.ne.jp/Chernobyl/180811presen.pdf
先月末、カナダ生まれのナオミ・クラインの「NOでは足りない--トランプ・ショックに対処する方法」が日本で発売されました。
https://www.iwanami.co.jp/book/b371348.html
その新聞広告で、トランプとその取り巻きを評した一文、 「アメリカ社会がもちうる最悪の要素のすべてを象徴する男」 「惨事便乗型資本主義者たちの政治的・経済的もくろみ」 は、311後の日本社会にそっくり当てはまると思いました。 「日本社会が持ちうる最悪の要素の全てを露呈した時代」 「原発事故という惨事便乗型資本主義者たちの政治的・経済的もくろみ」
そして、この本の目次には、「支援を打ち切るな」と単にノーと言うのではなく、「惨事便乗型資本主義者たちの政治的・経済的もくろみ」に代わる、積極的、ポジィティブなアクションを提言していました。
第四部 今より良くなる可能性を探る
第10章 ショック・ドクトリンが逆襲されるとき
第11章 「ノー」では十分でなかったとき
第12章 スタンディングロックから学んだこと──夢見ることを恐れない
第13章 跳躍のとき──小刻みの歩みではどうにもならない
終 章「ケア」する人々が多数派になるときは近い
リープ・マニフェスト──地球と人間へのケアに基づいた国を創るために
最後の「地球と人間へのケアに基づいた国を創るために」とは、311後の日本にとって、チェルノブイリ法日本版を制定することです。
つまり、チェルノブイリ法日本版の制定は、311後の異常事態を正常化する第一歩となる世直し市民立法です。
そこで、先週末11日、浦和のチェルノブイリ法日本版の学習会を準備していて、 3.11以後のショックの中で、単にノーと言うだけでは足りない、もっと積極的に、ポジティブに被ばくからの救済の行動に出る必要がある、その1つが政治的な救済「チェルノブイリ法日本版」で、もう1つが経済的な救済「連帯経済・協同組合」だということを訴えたいと思い、「NOでは足りない--3.11・ショックに対処する方法:もう1つの『あべこべ』は可能だ--」というテーマで話をしました。
また、今年の夏は初めて本格的に統計学をやっていたので、今回のプレゼンで初めて、311以後の「異常事態」を象徴する出来事として、今まで取り上げてきた4.19文科省20 ミリシーベルト通知と山下俊一発言に、新たに、100ミリシーベルト問題を追加しました。これまで統計学をちゃんと知らなかったので、この問題の本質が分かりませんでしたが、今回、この問題で健康被害を否定する統計学者がいかにデタラメか、余すところなく明らかになったからです。
そのデタラメを証明する統計学の保守本流の学者赤池弘次についても、YOUTUBEの動画で紹介したいと思ったのですが、あいにくプロジェクターが使えなかったので、涙を飲んで断念しました。以下が、その赤池のスピーチです。
https://www.youtube.com/watch?v=QAugnlK74Tw
今回はプロジェクターが使えず、予定が狂いしょげておりましたが、にもかかわらず、司会の方から「(今、私たちの民主主義の砦となっている)情報公開法の制定が市民立法であったことを知り、チェルノブイリ法日本版のイメージがぐっと身近に感じた」という感想が出され、「そうだ!!そのことに一番言いたかった!」と私の最も伝えたい「市民立法のエッセンス」を正面から受け止めてくれた感想に出会えました。
また、モンドラゴンの協同組合、連帯経済に関心を持っているという人からも質問を受け、こうした学習会で、初めて、経済的再建について意見を交換できる人に出会い、交流会でも貴重な意見交換ができました。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion7910:180815〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。