BCL
- 2018年 9月 15日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
読者の皆様は、BCLと言う言葉を御存じでしょうか。 この略語は、英語で言う処の“Broadcasting Listening”(放送聴取)であり、主に短波放送を聴取して、当該放送局宛に聴取の仔細を報告のうえ受信確認証を発行送付してもらう趣味を言います。 DXとも言います。 嘗て、昭和の時代に青少年の間で盛んになり、専門の雑誌も発行されていました。
私は、このBCLが盛んになる以前に、亡父から短波ラジオをプレゼントで貰い、それ以来、海外の放送を聴取するのが趣味になりました。 確か、亡父がプレゼントをしてくれた理由が、中学生になって英語を勉強するから、とのことであった、と記憶しています。 学校の英語の先生は、英語が話せないので、本物の英語を短波で聞くように、とのことでした。
短波は、海外の放送も聴取出来るので、英語国からの放送を聞けば、確かに勉強になりました。 ただ、短波は、時間帯に依り聴取条件が変動しますので、海外の放送局は、時間帯に依り放送周波数を変動させて放送しますので、度々、周波数を変えなければなりませんでした。
長じて、自身の収入が出来ますと、単なるラジオでは、短波放送聴取の条件が悪いので、専門の短波送受信機と付属機器一式を買い、自宅の屋根にアンテナを立てて聞くようになりました。 これで条件は飛躍的に良くなり、英米の短波放送を安定して聞くことが出来るようになりました。
嬉しいことに専門機器の御蔭で、好きな北欧の放送も聴けるのでした。 ただ、放送時間が短い上に聴取の条件が悪くて安定して聞くことは出来ませんでした。 北欧語、特にスウェーデン語の勉強に役立てようとしたのですが、当時は無理のようでした。
そして次第に好きな放送局が固定しました。 それは、イギリスのBBCでした。 と言いましても国内の放送では無く、海外向けのBBC World Serviceでした。 これは今も変わりません。
前世紀の末から今世紀になり、BCLが趣味の時代の者には思いもかけなかった夢が現実になったのです。 それは、ネットの時代になり、世界の放送局が身近になったからです。 私等が思い描いていた夢が叶ったのです。
当時は、短波で放送する方も電波状態が悪くても聴取が出来るように、BBCのニュース等では、アナウンサーが一語、一語を区切り明確に発音するのが常であり、それを指して、BBC英語と呼んだものでしたが、今では、普通にニュースを読み上げるのが常のようです。
ネットの時代の今では、例えば、BBCですが、世界向けのWorld Serviceは言うに及ばず、BBC1から4までは当然の上に、イギリス中のBBC放送が聴取可能なのです。 現に、今、原稿を書きながら、BBC1を聞いています。 加えてOxfordやCambridgeの放送局も聴取可能と言うことです。
BBC1
少しスウェーデンのP4 Stockholmを聞こうと切り替えました処、此方もポップスの放送中です。
P4 Stockholm
https://sverigesradio.se/sida/artikel.aspx?programid=103&artikel=7043072
クラシックがお好きな方には、BBC3がお勧めです。
BBC3
因みに、音楽聴取の場合には、PCに外付けのスピーカーを取り付けられると音量も音質も向上しますのでお勧めです。
処で、最近は、大阪にも外国人が多くなり、街角で道案内を請われることもあるのですが、中国や韓国の人相手に英語では何方も不便なのです。 私は、香港や韓国へ旅行に行った当時は、言葉も少し勉強したことがあるものの、今では、何も話せないのが実情なのです。
ネットで勉強して少し話せるようにしようか、と思うものの、私が勉強するよりも若い外国人が日本語を習得する方が圧倒的に早い、と思い直しています。 そして、現役時代に知り合った、天が惜しげもなく二物も三物も与え給うた韓国からの留学生に、日本語を習得した方法とは何だったの、と尋ねた時の答えを思い出しながら苦笑いするのです。 彼女曰く、 「テレビを見ていただけですわ。」と。
そうなのです。 ネットでは世界のテレビも観放題!
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion8000:180915〕
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