「首都圏を壊滅させる東海第二原発の再稼働を許すな」 -さようなら原発全国集会が気勢 -
- 2018年 9月 18日
- 時代をみる
- 原発岩垂 弘
「首都圏を壊滅させる東海第二原発の再稼働を許すな」。9月17日(月・休日) 午後、東京の代々木公園で「いのちをつなぎ くらしを守れ フクシマと共に 9・17さようなら原発全国集会」が開かれたが、日本原子力発電の東海第二原子力発電所(茨城県東海村、出力110万キロワット) の再稼働に対する国の原子力規制委員会の判断がこの11月に出ると予想されるところから、集会で登壇した各界代表は口をそろえて「再稼働反対」を唱え、原発の再稼働と輸出を推進する安倍政権の打倒を訴えた。
集会を主催したのは、内橋克人(経済評論家)、大江健三郎(作家)、落合恵子(作家)、鎌田慧(ルポライター)、坂本龍一(音楽家)、澤地久枝(作家)、瀬戸内寂聴(作家)の各氏ら9人の呼びかけでつくられた「さようなら原発一千万署名市民の会」。
市民の会は毎年、3月と9月に脱原発を目指す全国集会を東京で開いているが、今年の9月集会には三連休中にもかかわらず、北海道と沖縄を含む全国各地から、労組員、護憲団体関係者、生協組合員ら約8000人(主催者発表)が集まった。
午後1時半から始まった集会で最初に登壇した鎌田氏は、まず「原発はイヤだという声が日本中に広がりつつある。しかも、東京電力福島第一原発事故で避難した人たちは、元の生活に戻ることができず、逆に追い詰められている。なのに、電力会社と安倍政権はさらに原発を推進しようとしている」と切り出し、こう続けた。
「東海第二原発は東京から110キロのところにある首都圏唯一の原発だ。人口が過密の首都圏に原発をつくらせてしまったのは、我々の運動が弱かったためだ。原発の運転期間は30年と言われてきたが、東海第二原発はこの11月で稼働開始から40年を迎える。なのに、原子力規制委はさらに20年の運転を認めようとしている。人道的にも道徳的にも許されることではない。人を犠牲にして金儲けをしようという原発の稼働はもうやめるべきだ」
次いで登壇した澤地さんは「福島のことは何も解決していない。にもかかわらず、政府は福島の人たちを切り捨てた。そして、原発を再稼働させ、原発を外国へ輸出しようとしている。日本はお金が支配するいやな国になってしまった。原発問題にそのことが一番よく表れている。私たちは原発を絶対に認めないということをここで再確認しましょう」と訴えた。
東海第二原発訴訟原告団の大石光伸氏は「東海第二原発は、ここから110キロしか離れていない。そして、その30キロ圏には96万人が住んでいる。そればかりでない。首都圏には3000万人が暮らしている。もし、事故が起きれば、首都圏はとんでもないことになる。再稼働は国にとってもリスクが高いはずだ」「なのに、原子力規制委は、東海第二原発を突破口にして、40年を過ぎた原発をさらに20年間次々と再稼働させようとしている。そうであれば、我々としては、東海第二原発の再稼働を阻止し、これを突破口に原発の全廃を実現しようではないか」と話した。
「戦争させない9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の福山真劫・共同代表は、安倍政権が行っている政策で許せないものが3つあると指摘、第1に憲法改悪を進めていること、第2に沖縄の辺野古に新しい米軍基地の建設を進めていること、第3に米朝首脳会談を機に東アジアに平和を確立させる機運が高まっているのに北朝鮮の脅威ばかりを強調していること、を挙げ、「私たちの力で安倍内閣を打倒しよう」と呼びかけた。
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