SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】282 虐げられた人々のジュネーブ国連人権大会
- 2018年 9月 23日
- 評論・紹介・意見
- サハラ国連平田伊都子西サハラ
2018年の第73回国連総会は、9月18日(火曜日)に開会されました。 9月25日(火曜日)から。国連事務総長や国連総会議長、及び国連加盟国(現在193か国)等の元首級代表がスピーチをする一般討論が行われます。 今年のスターは♠米大統領? いや待てよ、もし出演がOKなら、金正恩朝鮮労働党委員長が間違いなくスーパースターです。!
一方、スイスのジュネ―ブでは、9月10日から国連人権問題の第39回年次総会がたけなわです。 モロッコ占領地・西サハラの西サハラ住民たちも、参加しています。 9月28日まで、モロッコ占領当局の人権侵害を訴えます。
(1)HDI(人間開発指数):
UNDP(国連開発計画)が2018年9月14日に2017年の統計を基にしたHDI(人間開発指数)の国別リストを発表した。HDI(人間開発指数)とは、国の国民に対する扱いを評価するもので、国連に加盟する193カ国の187カ国に香港とパレスチナを加えた、<人間扱いの国別格付けリスト>ともいえる。いやな言葉でいやな区分けで。判定を下すのは、一体、誰?、、人間開発指数は教育水準、健康・寿命、所得水準などによって決め、それを基に先進国、開発途上国、後発開発途上国と区分けしていくそうだ。一位ノルウェー、二位スイス、三位オーストラリア、四位アイルランド、五位ドイツと、上位の五か国には住みやすい先進国というレッテルが貼られた。カナダ12位、アメリカ13位、イギリス14位、日本19位、韓国22位、イスラエル22位、フランス24位、ロシア49位、中国86位、と、続く。アラブ諸国は、レバノン80位、アルジェリア85位、チュニジア95位、ヨルダン95位、リビア105位、エジプト115位、イラク120位、モロッコ123位と、格付けされている。最下位はニジェールの189位となっている。北朝鮮は国連加盟国で拠出金も払っているのに、<最新報告から欠けている国扱い>で番外だ、、失礼な!!
人権、差別、男女格差、雇用、最低賃金、消費者物価などもHDI(人間開発指数)の査定項目に入れるべきだ。そうなると日本の格付けは何位になるのかな?
(2)ジュネーブ国連人権委員会;
世界各国の首脳が出演する国連総会一般討論のように派手ではないが、国連人権大会では9月10日から28日まで、世界の<虐げられた人々>が人権侵害を訴える。
二つに分断されて生きる西サハラの人々は、モロッコ占領地・西サハラからの代表とアルジェリアにある西サハラ難民キャンプの代表を大会に送った。西サハラ代表団を率いるのは、モハンマド・ベイサット。東日本大震災から2か月後に被災地の避難所を訪れて避難民を慰めた難民だ。現在はラユーンという故郷の名前をつけた西サハラ難民キャンプで、ワリ(五つある難民キャンプの長のアラビア語名)を努めている。スペイン語、フランス語、英語、アラビア語に堪能で、大きな外交交渉には助っ人で参加している。彼は、母も姉も親類も、モロッコ占領地・西サハラの首都ラユーンに残したままで、会うことはできない。彼は、<植民地脱却を目指して数十年>と題した演説を大会で行い、「西サハラ難民政府ポリサリオは、国連事務総長アントニオ・グテーレスと事務総長個人特使で元ドイツ大統領ホルスト・ケーラーが提案している<両当事者の直接交渉>を、変わらず支持している」と、しめくくった。
国連事務総長は、「(モロッコ占領地)西サハラで日々起こっている、モロッコ当局による西サハラ住民に対する人権侵害はゆゆしきものがある、、」と、この人権大会に報告書を送った。
(3)<西サハラは植民地>国連脱植民地化委員会:
2018年9月20日、ニューヨークにあるポリサリオ西サハラ難民政府の国連代表シデイ・モハンマド・オマル博士が、国連総会に国連脱植民地化委員会(通称第4委員会)が提出した報告書の内容を公表した。それによると、「2018年の第73回国連総会に、脱植民地化特別委員会は国連総会決議1514に基づいて、西サハラが植民地であることと西サハラ人民
には民族自決権があることを、改めて確認報告する」と、ある。
9月20日、アントニオ・グテーレス国連事務総長がニューヨーク本部で記者会見をした。
冒頭でステファン国連事務総長報道官が、「事務総長はフランス語、英語、スペイン語に対応できる。勿論、ポルトガル語はOK(事務総長はポルトガル人)」と、事務総長の語学力をアピールした。「アラビア語を勉強したいんだ。誰か教室を開いてくれないかな?いい生徒だよ、、」と、事務総長は付け足した、、痒い所に手が届かない会見だった。
我らがリー記者の姿は、この日も、記者会見室になかった。
ジュネーブ国連人権大会に参加した西サハラ代表団の写真を見てください。 左から4人目の薄色のスーツを着たのがベイサット、右から二人目が<西サハラ政治囚と家族を助ける会>のチーフ・ラルースです。 みんな嬉しそうでしょう、、占領地の人々も難民キャンプに人々も、分かれて活動する同志に会えたんですものね!
難民キャンプで独立運動をするベイサットやラルースたちがモロッコ占領地・西サハラに入ったら、すぐにモロッコ当局に逮捕されてしまいます。
Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2018年9月22日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion8022:180923〕
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