『4/26国と中部電力と東京電力に抗議』など―地震と原発事故情報 その54
- 2011年 4月 27日
- 時代をみる
- たんぽぽ舎地震と原発事故
5つの情報をお知らせします。
1.『4/26国と中部電力と東京電力に抗議』
2.『ドイツで12万人のデモが原発を包囲-チェルノブイリとフクシマをくり返すな』
3.『国は何を知っているんだろうか・4/27公開討論会の感想』
4.『東電勝俣会長らの告訴・告発』
5.『郡山市、校庭・園庭の表土除去へ』
★1.国(原子力安全・保安院)と中部電力(浜岡原発)と東京電力に抗議
4/26チェルノブイリ原発事故25周年に300人・新人多数
2011年4月26日チェルノブイリ25周年の日に初めて東電前アクションに参加しました。経済産業省で有志の人たちが思いの丈を発言し、原子力安全・保安院に抗議文を渡してから中部電力を通り、東京電力前までデモを行ないました。東電前でたくさんの警官に見守られながらロウソクを灯し、電車の騒音に負けずに福島や上関など現地からの報告、原発労働者の状況、原発停止のお願いなどをそれぞれが報告・主張しました。ほんとうに沢山の人が今回の事故に心を痛めつつ怒りと同時にどうにかしたいと感じているのが伝わりました。個人的には女性が多かったのが印象的に残ります。
最後はギターの演奏が入り、歌を歌って流れ解散となりました。
25年前、私は中学生で、チェルノブイリ原発事故後もどうして大人たちは原発を止めてくれないのかと思っていました。今は私たちが止められずごめんと人を含む次世代生物と地球に対して思っています。自分に今何が出来るかいつも考えています。(S or O子)
★2.「大規模抗議行動 12万人のデモが原発を包囲する」-チェルノブイリとフクシマをくり返すな
ドイツの12地点の原発では、先週末からの復活祭休日期間に数万人が脱原子力を訴えてデモに参加した。延べ10万人以上が平和と反原発を訴えて街頭に繰り出した。
ベルリン―10万人をはるかに超える人々がこの復活祭の休日に脱原子力と反戦を訴えてデモを行った。チェルノブイリ原発事故から25周年と日本の福島での原発事故をきっかけに行われた抗議行動には、主催者発表によればこの月曜に12万人以上が参加した。(以下略)(ore/AFP/dpa)
映像はFNNニュースで見られます。
「チェルノブイリ原発事故から25年 ドイツ全土約60カ所の反原発集会に延べ12万人が参加」
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00198175.html
チェルノブイリの原発事故から25年となるのを受け、ドイツでは25日、各地で大規模な反原発集会が行われた。復活祭の休日にあわせて、ドイツ全土およそ60カ所で行われた反原発集会には、延べ12万人が参加した。ドイツ北部のブルンスビュッテル原子力発電所の前で行われた集会では、チェルノブイリから25年というテーマを掲げる一方で、「フクシマ」と書かれたプラカードを持つ人が目立ち、福島第1原発事故への関心の高さがうかがえた。集会参加者は「津波や地震が起こる可能性は、特に日本ではいつもあるし。チェルノブイリは人為的ミスだったが、こういったことは、どこでも起こり得る」と話した。ドイツ政府は、福島第1原発の事故を受け、すべての原発の安全評価を行っており、6月に今後の原子力政策の方向性を発表する方針。(04/26 06:15)本田宏
★3.「国は何を知っているんだろうか・4/27公開討論会の感想」
4月27日(水)、原子力安全委員会や保安院などの担当者を呼び、国会議員と市民による「福島原発事故に関する公開質疑~事態の見通しと対応策」が開かれました。詳細報告はやりとりの分析を経て後ほど行うこととし、とりあえずの感想などを書きます。
結局は手探りなのだという実態が一つは見えました。心底恐ろしいことです。
保安院の前川防災課長が「本当に分からない」という言葉をなんども繰り返しました。特に深刻なのは、1号機に水を入れ続け、図らずも格納容器内で「水の棺桶」=「水棺」状態になっていることに対し、原子炉建屋が重量に耐えられるのか、放射性物質の放出が無いのかという問いに対し「答え」がないのです。普通、そんなことを前提にして格納容器は設計されていませんから、水圧、重量、あるいは余震の揺れなどで破壊される可能性は否定できない、徐々に水を入れながら様子を見ているところと言うのです。
今の原発が置かれている状況を象徴するかの発言に、言葉を失います。
今後、水素爆発や水蒸気爆発は起こりえるのかどうかについても「起こる可能性は相当低いのでは無いかと」考えているそうです。つまり起こりえるということの裏返しです。
再臨界の可能性についても同様で、一部に言われていた「物理的、原理的にあり得ない」と言うことは一切無いことがわかりました。
3・11前に私たちと国が議論をするときは、原発や核燃料施設に関する安全対策や安全性については、いつも「地の果てほど」の違いを感じてきたのですが、今日はそう感じませんでした。そう、私たちの感覚と国の感覚が近づいてしまった。これは粉飾しようもない現実の前には、大きな「見解の相違」などがなくなっていることを意味していると思うと、国や東電と「安全体制に問題有り」と丁々発止やり合っていた時期、もはや帰ってこない時期を懐かしくさえ感じてしまう自分がそこにはいました。
★4.「東電勝俣会長らの告訴・告発」
イ JR西日本山崎正夫社長は、6年前の宝塚線脱線事故の責任、つまり安全担当の役員であったとき自動列車停止装置(ATS)の整備を怠ったとして業務上過失致死傷罪で刑事裁判にかけられている。
ロ 同様に、東京電力勝俣恒久は、社長だった時、福島第一原発1号機から4号機の緊急炉心冷却装置(ECCS)の整備を怠り、すべてのECCSを津波により水浸しにさせ、チェルノブイリ事故に次ぐ最大級の事故を引き起こした。(朝日 4月4日、6日)。
その結果、福島県や茨城県などの東日本に住む数百万人とその環境に放射能を浴びせかけ、身体上、金銭上、精神上の苦痛を与えた。業務上過失致死傷罪である。
特に、原発から4キロの双葉病院では、約440人の患者のうち90人が現地に放置され、3日間の絶食で2人が死亡した。避難した患者も移動途中で2名が死亡した。その避難後も体調を崩し、現在まで合わせて45人が死亡したという。
(毎日 4月26日)。
ハ 北日本の太平洋側には、福島第二原発、女川原発など多数あるが、この福島第一原発のそれも1~4号機だけが一斉に事故をおこしたことで、これらの原発の欠陥が示される。これらの原子炉では、浸水対策のないタービン建屋の地下室にすべてのECCS(非常用ディーゼル発電機)が設置され、そのため同時に冠水するという共通原因で使いものにならなくなった。
ニ そこで、中越沖地震(2007)で問題となった欠陥ECCSの改修をしなかった東京電力とその改修を指示しなかった安全委員会を告訴・告発する必要がある。
ホ 告訴・告発すべき被告は、これら欠陥ECCSの改修をしなかった当時の東京電力社長勝俣恒久、これらECCSを改修するよう指示しなかった当時の原子力安全委員長鈴木篤之、また事故発生後事故収束の指揮をとろうとせず、原子炉への海水注入や使用済燃料プールへの海水の噴射など、保安院と東京電力によるでたらめな行動を許し、事故収束をきわめて困難にした現安全委員長斑目春樹の計3名とする。
ヘ ところで、この欠陥ECCSを改修しなかった理由は、この改修には高額の費用を必要とするからである(朝日4月6日)。この安全費用を節約したことで事故となったのであるから、この災害の賠償はすべて東京電力の負担とさせる。料金値上げで利用者の負担としたり、国庫援助で納税者や子孫の負担とするなどは許されることではない。
ト 東京電力は、所有する一切の資産を売却し、この賠償にあてる。売る資産が一切なくなり、たとえば所有する物件が事故を起こした福島第一原発と放射能で使いものにならない第二原発だけになった時、東京電力は国有化され、その必要費用は国庫負担となる。
★5.「郡山市、校庭・園庭の表土除去へ 放射線量高い15小・中13保育所」
郡山市は、原発事故による県の放射線量調査で、数値が高かった市内の小・中学校、保育所の校庭、園庭について、5センチ程度の表土を除去する独自の対策を福島県内で初めて実施する。対象は、地上1センチの数値が超中学校は毎時3.8マイクロSv、公立保育所は毎時3.0マイクロSvを超えた校庭、園庭。小学校は九小(市内全58校)、中学校6校(全28校)、公立保育所13か所(全25か所)が該当した。(これまでの文科省の屋外活動制限の暫定基準は小学校が地上50センチ、中学校が地上1mのの測定値3,8マイクロSv.)。従来の基準だと、1小学校以外はいずれも基準の下回っていたが、今回、専門家の見方を参考に、より地表に近い地点に基準を設定した。保育所の基準3.0マイクロSvは、市が独自に決定した。作業は民間業者が重機やスコップで行い、土は市内の河内埋立処分場の一角に埋める。放射線取扱の国家資格を持つ市環境保全センター幹部が、現状での数値は埋設しても環境に影響がないと判断したという。県放射線りすく管理アドバイザーを務める神谷研二広島大原爆放射線医科学研究所長は、「半減期の長いセシウムは土の表面にたまりやすいため、表土除去は放射線量減少に効果があるのは間違いない」と話しているとのこと。また、今回の郡山市の動きに続き、福島市は25日、表土の除去について「有効性に対する意見を専門家から聞いている。効果が確認できれば作業を進めたい」としている。福島市では、6か所の小・中学校と保育園、幼稚園が文科省の暫定基準値を上回り、屋外活動制限の対象となっているという。(福島民報 2011年4月26日)
これまでの暫定基準値が、甘すぎなかったのか。基準値をわずかでも下回ればそれで子供の健康被害リスクは減るのか。これまでの累積放射線量に加え、食べ物等からの内部被ばくを考えた時、なぜもっと早く行政は子供を守ろうとしなかったのか、様々な疑問が残る。
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