本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(217)
- 2019年 3月 2日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
光と色
約2500年前に「仏教」が誕生し、「色」という概念が紹介されたが、このことは、約2000年前に誕生した「キリスト教」が教える「光」と同様の意味を持っているものと考えている。つまり、どちらも、「現実の世界」、そして、「光には、虹のとおりに、さまざまな色が存在する状況」を表しているようだが、この時に、仏教では、「受、想、行、識」という「人間の精神活動」も紹介されているのである。
別の言葉では、「四苦八苦」という「人間の悩みや苦しみ」などは、「全てが、現実世界を、どのように受け止めるのかによる」ということに原因があるようだが、実際には、「想」という「事実を受け取った時の想い」が、ある一定の「理解」を生み出すようにも思われるのである。つまり、経済学における「仮説」のようなものであり、実際には、「景気が好くなれば、金利が上昇する」というような認識のことである。
そして、その後の展開としては、「自分の仮説を実行する」という「行為」に繋がるわけだが、この時に意味を持つのが、「安岡正篤先生」が教える「知識、見識、胆識」であり、このことは、「どれだけ、実際のことを認識しているのか?」を、正確に分類したものだと考えている。つまり、「学得底」という「本などで学んだこと」が「知識」であり、この点については、「実践の荒波」に耐えていないために、さまざまな問題を引き起こす可能性があるようにも思われるのである。
また、「見識」については、「実践の荒波」には耐えたものの、まだ、本当の「真理」には辿り着いていない状況であり、より多くの実践を経た時に、「胆識」という、「全てが腑に落ちたような状態」にまで辿り着くことができるものと考えている。つまり、このことが、「体得底」と呼ばれるものであり、「この状態にまで辿り着いた時に、全ての悩みや苦しみが取り払われる」ということが、「般若心経」が教えることでもあるようだ。
ただし、この時の問題点は、「現在の世の中が、いろいろな分野に細かく分類されている状況」であり、その結果として、「エジソン」の言葉のとおりに、「人類は、1%の百万分の1程度しか、真理を知らない可能性」とも想定されるのである。つまり、現在、「人類は、10段階のうち、3程度のレベルに位置しているのではないか?」と考えているが、今後の注目点は、「コンピューター」と「人工知能」の進化により、「社会科学が飛躍的に発展する可能性」であり、この時には、「お金の謎」や「心の謎」などが解明され、過剰な「マネーの大膨張」や「バブル」なども、発生しなくなるものと考えている。(2019.1.17)
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地銀波乱
日経新聞に掲載された「地銀波乱」という特集記事を読むと、「2018年の後半に、どのような変化が発生したのか?」が理解できるようである。つまり、「なぜ、2018年9月頃から、世界的な金融混乱が発生したのか?」、あるいは、「この結果として、日銀の黒田総裁に、どのような意識の変化が発生したのか?」という点などだが、実際には、「スルガ銀行が資金繰り破たんの危機に陥った」という記事の内容のとおりに、「日本の金融システムに、重大な問題が発生した可能性」が指摘できるものと考えている。
より具体的には、「日銀のバランスシート大膨張」に関して、大きな変化が発生したものと思われるが、実際には、私の想定どおりに、「当座預金を増やして、国債を買い増しする手法」に限界点が訪れた可能性である。別の言葉では、「民間の金融機関」から資金を借り入れて、「国債」を大量に買い付けてきた状況に関して、大きな「副作用」が発生したものと想定されるのである。
つまり、「1999年の2月」から始まった「日本のゼロ金利政策」は、一時的な中断を交えながらも、現在、「21年目」を迎えようとしているが、この結果として発生したことは、「スルガ銀行」を筆頭にして、「数多くの地銀が、利益を確保するために、無謀な貸し出しや投資などに奔走した」という状況だった。別の言葉では、「デリバティブの大膨張」が産み出した「コンピューターマネー」が存在する限り、「異常な超低金利状態」や「財政問題の先送り」が可能な状況だったが、「2018年9月」については、やはり、「コンピューターマネーの実質的な枯渇状態」が発生したものと想定されるのである。
より具体的に申し上げると、「2008年前後」にピークを付け、その後、減少を始めた「デリバティブ」に関して、今までは、「先進各国のバランスシート残高を増やす方法」により、本当の破綻を防ぐことが可能だったようだが、現在は、「日米の中央銀行」が、「残高の膨張」を制限し始めているのである。
そのために、これからの注目点は、「先進各国の中央銀行が、どのような行動を取るのか?」ということであり、実際には、「このままの状態を継続して、世界的な大恐慌状態に陥るのか?」、それとも、「紙幣の大増刷を実施して、デリバティブの損失をカバーするのか?」という選択である。つまり、今後は、「アメリカ」のみならず、世界全体において、「政府」や「中央銀行」の資金繰りに問題が出始めるものと思われるが、「その時に、中央銀行がどのような対応を取るのか?」ということである。(2019.1.17)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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