中国擁護のわけ その12 べネスエラと新疆と石器時代
- 2019年 3月 3日
- 交流の広場
- 箒川兵庫助
しばらくベネスエラの動向に世界の人が目を引き付けられていて,新疆ウィグル地区における人権侵害プロパガンダを忘れているような気がする。昨日1日正トラ会談が表面上物別れに終わったようだ。べネスエラに暫定大統領が現れたようだが,隣国コロンビアにも暫定大統領が現れ(rt.com),けっこう話題になっているようだ。 先月の春節,2月4日に合わせたように中東のアル・ジャジ-ラが新疆ウィグル自治地区の人権侵害を取り上げた。中身はBBCやBloombergの映像に少々手を加えた程度。複数の写真のうち1枚は素人目にも合成写真だとすぐ分かる。しかしどうしても収容所を撮った写真が出て来ないのである。
ところで驚いたことに,アル・ジャジ-ラの扇動報道に対して直ちに反論したのがマレ-シアの中国大使館(人民網日本語と現地新聞)であった。なぜマレ-シアなのか。マハティ-ル首相の言動がムスリム湾岸諸国に与える影響は大きいから,現首相に見えるようにアル・ジャジ-ラに反論したのかもしれない。またその反論によれば,外国の記者や大使館員を新疆ウィグルに案内して現状を見てもらったそうだ。結果は「100万人も収容している事実はない」ということである。しかしこれでは中国を擁護する小生を納得させない。どういう外国の記者や館員であるか分からないからである。もう少し人数を増やして中立国からの観察者数を含めるべきだと思う。ホ-タン地区に100万~300万,ダッチャン地区に100万人収容されていると言われている。後者は夏に50℃にもなる熱砂の町トルファンとウルムチ(烏魯木斉)の間にあるという(Bloomberg)。この2か所は最低調べられるべきであろう。中国政府報道官はそれに触れていない。
ところで中国に詳しいジャ-ナリストは,2,3人いる。一人はTony Cartalucci氏で論考「西中国でアメリカがテロを支援する一兆ドルの理由を示す地図」(2月25日 New Eastern Outlook 「ビジネス・インサイダ-(元記事)」を書いた。アメリカ政府から中国封じ込め政策のために人権団体(HRW)やウィグル出身の中国批判者やウィグル版HP作製にまで金を出していることが書かれている。また,アンドレ・ヴィルチェク氏は『西安市や中国の新シルクロ-ドが欧米を怖がらせる理由』(2019年2月20日)を書いている(両者とも『マスコミに載らない海外記事』でその日本語訳を読むことができる。)
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