中国擁護のわけ その12―2、3、5
- 2019年 3月 4日
- 交流の広場
- 箒川兵庫助
*12‐4の原稿欠けていましたので、そのまま掲載しました。(編集部)
べネスエラのマドゥロ政権が強権的であることを指摘する日本人も少なからずいるが,アメリカ合州国が経済制裁をしていることには触れない。チャペス前大統領になってから米国CIAが政府反対派を扇動してク-デタを起こさせたことにも触れない。マドゥロ大統領に対しても過去3回ク-デタが起こされた。同様に,中国政府も数回爆弾テロを起こされた。警戒するのは当然であろう(日本では公安がテロを起こし法律を強化する)。
しかし小生が一番不思議に思うのは,東トルキスタン独立の問題。中国政府の発表によれば,総人口は2,400万人強。ウィグル人は1,100万人。漢人は40%だというから1,300×0.4=520万人。差し引き約780万人が別の民族ということになろう。もし東トルキスタン国として独立した場合,ロシア系やモンゴル系やチベット系などのウィグル人はもろ手を挙げて賛成するのであろうか。第二の疑問は,少数民族1,100万人がさらに他の少数民族を支配することになる。より少ない少数民族が独立するといったら,東トルキスタン国はこれを認めるのであろうか。
国連と密接な関係にある人権独立委員会は先月末,イスラエルに向けて人権侵害を止めるよう勧告した。これからの時期はこの国によるムスリム教徒殺戮が活発化する時期である(ラマダンを迎える)。しかしパレスティナ国とイスラエル国とが平等に共存するしか殺戮を止める方法ないと小生は考えるが,同様のことは新疆ウィグル自治区にも言える。ムスリム教ウィグル人と少数の他民族が共存する道以外に平和の道はないと考える。
T.カルタカッチ氏はウィグル出身のテロリストがシリアに3,000人いることを記述している。5,000人以上という報道もあった。米軍はまだシリアに居座るようだ。しかしもしシリアからウィグル出身の過激派テロリストが新疆ウィグルに戻れば,内乱状態になることは目に見えている。トランプ大統領はISIS・800人を欧州ヨ-ロッパが引き取れと言っているが,中国は引き取れまい。中国が新疆で強権的になるのは仕方あるまい。
そういう状態を北京政府が見逃すはずはないと思う。もし中国共産党軍が新疆に出なければ新疆ウィグル地方は何と呼ばれようとも,旧ソ連の領土であった。歴史を遡れば,西中国でも戦乱が吹き荒れ,多くの帝国が勃興し滅亡してきた。すなわち先住民族はいくらでも居た。東トルキスタン国が中国5千年の歴史で独立していた時代はわずかであった。それは国ではなかった。多くの血が混じっていることを無視してトルコ人の末裔を名乗るのであれば,トルキスタンやトルコに帰国・移住すべきであろう
中国擁護のわけ その12-3
石油・ガスが出るところ必ずCIAが顔を出す。米国の安全保障に強く関係する石油ガス。米国の保守主義者の伝統の一つは外国政府に干渉し,自国内の地方政府の自治を尊重することであるから(加藤周一 『山中人閒話』 福武書店),日本も米国の第51番目の州になった方がいいと思うけれど,石油ガスのあるところ米国は干渉する。最近では米軍がシリアから50トンの金塊を運び出したから金塊も欲しいのであろう。リビアも盗まれた。それを食い止めようとしているのがシリアでありべネスエラ。そしてトルコやロシアや中国が支援している(人道支援物資も送っている)。
米国は第七艦隊まで利用して外国政府の転覆をはかってきた。石油産出国リビアは飛行禁止区域を設定された後,NATO軍の艦砲射撃にあい反撃能力を失った。そしてガダフィ大佐は惨殺された。イラクのサダム・フセイン大統領も同じ。そういう流れをみたとき,米・NATOとリビア/イラクのどちらが強権的か。米・NATOとべネスエラのどちらが強権的であるか。コロンビアはNATOの一員である。どちらが答えかは明らかであろう。同様にして西中国,新疆ウィグル自治区で行われていることは米国CIAによる政情不安定化工作である。テロあり,デモあり。デモは許されるとしてもCIAが煽ったデモは許されないだろう。民族自決主義に反する(北京政府は純粋な民族主義的なデモを禁止してはならないと考える。しかしT.カルタカッチ氏も指摘するように,新疆ウィグル自治区扇動に関する費用も米政府から出ている。さらにHRW人道観察団体やアムネスティ・インタ-ナショナルにも出ている)。そうして最後の仕上げはシリア不法滞在のウィグル過激派テロリストを傭兵として雇い西中国に送り込むことであろう。故に中国はパキスタンと友好を深め,米軍は・u档Aフガニスタンから撤退しない。中国への回廊を確保しようとしている米国政府オバマ政権。オバマは去ったがボルトンやポンペオはオバマの後を追い,トランプ政権で第一位の地位を占める。そこでトランプの苦悩は続く。
中国擁護のわけ その12-5
話がだいぶ逸れたので戻すと,抜けている視点は漢民族同化政策である。小生は烏魯木斉からの帰途に就いた後,上海を訪れたことがある。観光市内地図に「烏魯木斉路」という名称を見つけ,昨日までいた烏魯木斉出身の方々が住んでいるところだと類推したところである。日本に中華街があり,インド人村がありイラン人町があるようなものである。そこで日本政府は日本同化政策をとっていない(但し公安が見張り,イラン人の個人情報を流した件で表沙汰になり,叩かれたことはあった)。同様に北京政府は漢民族同化政策をとっていないだろう。西安,北京,南京などにも烏魯木斉路はあるだろう。喀什(カシュガル)路もどこかの町にあるに違いない。そしてウィグル文化を残しているに違いない。どうみても漢民族同化政策がもしあったとしても成功するはずはない。すなわち米国CIAのプロパガンダ・洗脳政策の一環であろう。中国封じ込め政策はすでに述べたように,国の内外から行われている。そのための費用は米国政府がCIAやUSAIDを通して出している。日本の作家にも御用学者にもジャーナリストにも工作資金は出ている。他人を見たら泥棒と思へ。米国人を・u桙ンたら赤坂CIAと思へ。そういうCIAに対して中国政府はどう対応すべきなのであろうか。
習近平主席は「右の頬を殴られたら左の頬を出すのがキリスト教徒だが,中国人は殴り返す」といったらしい。もうそろそろ殴り返す時期に来ているのではないだろうか。またスプ-トニク日本語版によれば「ロシア政府はWHやNYを攻撃することもある」といったらしい。小生の記憶はあいまいで不正確だから原文に当たっていただきたいが,習・プ-チン両氏はそろそろ行動に移してもいい時期ではなかろうか。もちろんその結果は核戦争となり死の灰が地球を覆うだろう。キリスト者内村鑑三は「もう一度この日本を葬ってください」と言ったが,小生ならば「もう三度この世界を葬ってください」といいたい。たとえ自分が死んでも。そうして世界は,石器時代に戻るだろう。プ-チンが言ったように「次の人類は石と斧で戦争をするだろう」。
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