景気後退を控えた今に消費増税が可能なのか? ―アベ政権は、経済統計の真実を公開し事の是非を検討せよ
- 2019年 3月 11日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
大本営発表の過去を清算も出来ないこの国では、政権に「忖度」した統計の誤魔化しが跳梁跋扈していて景気の真実を見る目が曇り勝ちですが、世界の実情を知ると、米国も此処数年で景気後退の局面を迎えるかのようであり、中国のバブルも漸く崩壊の局面にあるようですし、欧州ではブレグジットの英国を含めたEUでも景気後退の局面を迎える狭間にあるように思えます。
日本のマスゴミでは報道すること自体が何れもタブーのようですが、金融・経済の実務畑からは狼火が望見出来るようです。
竹中教授は、「1ドル90円、日経平均15000円も」と不気味なことを書かれていますが、米国景気の後退局面が近い今となっては、正夢になることでしょう。
米国「景気後退」が始まると…円高・株安再来の足音が聞こえてきた 竹中正治 龍谷大学教授 現代ビジネス 2018.12.20
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59003
事実、昨年末には日経平均が暴落し、景気の前兆としての株価の本質が見えたかのようでした。
少額投資非課税制度(NISA )で以て日本株投資を煽るアベ政権の甘言に乗り「捕らぬ狸の皮算用」をすれば天を仰ぐことになります。 今は、市場参加者の殆どが売り逃げを企図していると言うのに。
景気を見るのには、過去から常套手段とされて来た住宅着工戸数を検討するのが一番です。 国土交通省が統計を誤魔化していない、との前提ですが。
やはり、2018年度は、減となっていたようです。 これでアベノミクスの真実の一端が露見している、と断言は出来ませんが、景気動向が見えるようです。 加えて、例え、本年前半で好調を維持したとしても、それは消費増税を控えた駆け込み需要が要因であり、景気動向を反映したものと捉えるのは誤り、と指摘しておきます。
「国土交通省が発表した2018年暦年(1~12月)の新設住宅着工戸数は、前年比2・3%減の94万2370戸だった。」住宅産業新聞 2019年02月07日
https://www.housenews.jp/research/15503
政府統計のような誤魔化しが無いであろうと思われる日本百貨店協会の売上高概況統計を見ますと、前年同月比で -2.9%となっていて、これは、3か月連続マイナスとのことです。 外国人観光客が多い大阪では、全国を上回る-3.8%となるそうです。
平成31年1月 全国百貨店売上高概況(日本百貨店協会 平成31年2月21日)
http://www.depart.or.jp/common_department_store_sale/list
二、三の統計を挙げて「一斑を見て全豹を知る」と嘯く訳ではありません。 しかしながら、浅学菲才の私の眼にも「アベノミクスの効果で戦後最長の高景気」とのアベ氏の御託宣は如何わしく思えます。
景気後退の気配を報道する世界にあって、隣国中国のバブル崩壊が契機になったのでしょうか、8日には、漸くマスゴミも景気後退の報道をした処ですが、全て中国景気の悪化のせいにして消費増税中止を「決断」するアベ氏の動静を報道したのが田中龍作ジャーナルでした。
アベ氏の口調を真似た紙面を見て笑います。
「ワタクチは実質賃金がマイナスであることを、きょう厚労省から初めて聞きました。もっと早く知らせてほしかった。いずれにせよ今は消費税を10%に引き上げる環境にありません」、と。
【アベノミクス偽装】「消費税増税延期」シナリオはこうだ 田中龍作ジャーナル
2019年3月8日 16:14
http://tanakaryusaku.jp/2019/03/00019761
消費増税を中止しても、兆の単位で温暖化詐欺に貢ぐことを止めれば、財源がある訳ですが、トランプさんと違い、温暖化詐欺に見切りはつけないのがお馬鹿なアベ政権なのです。 いくら貢いでも商業捕鯨を再開しては全て無駄になり、世界の環境保護団体では鯨殺し政権の悪評のみ高まります。
蛇足ですが、中央政府がこれならば、地方の大阪のお二方は、揃って四年前に決着済みの「と抗争」を再現されるそうです。 好い加減に税金の無駄遣いを止めて欲しいものです。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion8466:190311〕
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