原発推進の安倍政権を打倒しよう - 事故から8年、今年も「さようなら原発全国集会」 -
- 2019年 3月 22日
- 時代をみる
- 原発岩垂 弘
東京電力福島第1原子力発電所の事故から8年周年を記念して、「3・21さようなら原発全国集会」と銘打った集会が祝日の3月21日午後1時30分から、東京の代々木公園で開かれた。福島第1原発の事故後、毎年この時期に催されている集会で、全国各地から、労組員、生協組合員、護憲団体関係者、一般市民ら約1万人(主催者発表)が集まった。原発推進政策が行き詰まっているにもかかわらず原発の再稼働を進めたり、沖縄・辺野古で米軍新基地建設を強行する安倍政権への反発は強く、同政権の退陣を求める声が相次いだ。
集会を主催したのは、内橋克人(経済評論家)、大江健三郎(作家)、落合恵子(作家)、鎌田慧(ルポライター)、坂本龍一(音楽家)、澤地久枝(作家)、瀬戸内寂聴(作家)の各氏ら9人の呼びかけでつくられた「さようなら原発一千万署名市民の会」。
昨年の全国集会はみぞれが降り注ぐ中での集会だったが、今年は晴天に恵まれた。それでも、時折、強風が吹きつけ、会場は砂塵に包まれた。参加者は首都圏からやってきた人たちが多かったが、組合旗、団体旗から見て、北海道、岩手、山形、宮城、福島、新潟、山梨、群馬、栃木、静岡、大阪、香川などの道府県からの参加者もあった。
東海第2原発の再稼働反対を訴えるのぼり。上部は手作りカッパの頭。
茨城県牛久市からきた女性たちで、牛久にはカッパ伝説があるという
脱原発を訴えるプラカード。中央の絵はストップを意味するドイツの交通信号だという
集会では、まず、呼びかけ人の鎌田氏が主催者あいさつをしたが、同氏はその中で、まず「悲しいお知らせをしなくてはなりません。福島の原発事故以来、経産省前にテントを建て脱原発運動の先頭で頑張ってきた淵上太郎さんが昨日亡くなった。78歳。私たちは彼から廃炉を託された。原発のない社会を1日も早く実現しよう」と述べ、さらに、こう続けた。
「原発事故以後、小泉、鳩山、菅、野田と歴代の首相は皆、今や原発はだめだと言っている。なのに、安倍首相は2030年には、電力の20%を原発でまかなうと言っている。原発は技術的にも道義的にももう破たんしているのに、安倍政権はなお原発再稼働に必死で、まさに自分たちだけがもうければいいという政権だ。こんな無責任な政権には辞めてもらわねば」
「沖縄で米軍基地の辺野古移設をめぐって県民投票が行われ、県民の70%が辺野古基地はいらないと言っている。基地を作らせないために、そして、沖縄の自然を守るために頑張ろう」
福島から参加した人見やよいさん(福島原発告訴団・フリーライター)は「事故から8年という言い方はおかしい。火事だって、火が消えない限り鎮火とは言わない。福島では、いまだに放射能がぼこぼこ出ていて、原発事故は進行中なんです。復興していないんです。どうか、こうした現状を知ってほしい」と訴えた。
呼びかけ人の1人として登壇した落合さんは「安倍首相の4選が話題になっている。でも、安倍首相の時代がこれからさらに続くなんてもういやですね。もうそうさせないようにしましょう」「安倍首相の大好きな言葉は『寄り添う』です。寄り添うとは、痛みを共有することです。でも、首相がやっていることは逆。沖縄でも、福島でも。こんな政権は、私たちの手で変えましょう」と話した。
原子力規制委が再稼働を認めた、日本原電の東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働反対を呼びかける訴えもあった。
原発反対、安倍政治反対のスローガンを書き込んだ傘をさして参加した女性
集会は「東海第2原発の再稼働反対」「廃炉」「核燃料サイクルの見直し」「野党提出の原発ゼロ基本法案の審議開始」などを盛り込んだアピールを採択、その後、参加者は2コースに分かれてデモ行進した。
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