地震学者(石橋克彦氏)は警告する―「原発震災」の可能性
- 2011年 4月 30日
- 時代をみる
- 「原発震災」山川哲浜岡原発の危険性
先日(4月26日)、参院議員会館の講堂で「緊急院内講演会(集会)」が開かれ、神戸大学名誉教授で、岩波新書の名著『大地動乱の時代』などで知られる石橋克彦さんが話をされた。その内容については以下に動画を貼り付けておきたい。ぜひご覧願いたい。
1)http://www.ustream.tv/recorded/14283500
2)http://www.ustream.tv/recorded/14283940
3)http://www.ustream.tv/recorded/14284162
石橋さんの主張を一言でいえば、「世界で最も地震の多発する、その意味では最も原発の立地条件の悪い日本に、どうしてこれほど多くの原発を建てる必要があるのか?」ということであろう。それはどれかを残すということを意味しない。どの原発が残っても、遅かれ早かれ今回の福島第一原発事故のようなものが起きる可能性があるということである。
地震学者として言えることは、1923年の「関東大震災」(大正関東大地震)以後に蓄積された地下のエネルギーが既に、いつ爆発してもおかしくないほどに巨大化していること、それが仮に関東の沖合や、関東直下型の地震を引き起こすことがあれば、それは、福島や東海村原発の(再)破壊をもたらすのみならず、たちまち静岡県の浜岡原発の事故を引き起こすだろうし、更には、新潟県の柏崎・刈羽原発の破壊事故に連動するであろう(フォッサ・マグマの位置を考えれば一目瞭然である)。3千万人の東京都民どころか、日本全土に放射能汚染が拡散して、日本は廃墟になり、世界中に迷惑をかける結果になろう、ということである。
今回の福島原発事故を引き起こした原因を「想定外の大津波」という人がいるが、それは間違っている。原因はあくまで「地震」である。日本列島は地震の巣である。その事実を変えることは現代科学の力では如何ともし難いのである(先の動画をご覧になって、ぜひそのことをお考え願いたい)。
「1853年嘉永小田原地震で始まった関東地方の「大地動乱の時代」は、70余年間続いたのち、1923年関東大震災とその余震活動によってようやく幕を閉じ、「大地の平和の時代」に入ったのである。」(石橋克彦『大地動乱の時代』)
2011年の今年は、嘉永小田原地震から数えて、およそ160年、「関東大震災」からでは90余年である。砂岩・泥岩という極めてもろい土台の上に基礎づけられて建設されている浜岡原発を、すぐにでも止めなければ、われわれに未来はないだろう。
ちなみに、石橋克彦さんの論文の一部は、岩波書店のホームページで無料公開されている。
http://www.iwanami.co.jp/company/index_i.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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