SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】311 ネポティズムNepotism身内びいき
- 2019年 4月 5日
- 評論・紹介・意見
- サハラトランプ平田伊都子西サハラ
いつ切るのかナ?と、世界のマスコミが楽しみにしていた民主党が握る最強の♠攻略切り札、、Nepotismを、民主党は早々と出してしまいました。 英語のNepotismネポティズムは、「内集団偏向」や「縁故主義」や「身内びいき」を意味します。
ご存知のように、♠トランプ・アメリカ大統領の身内びいきは、度が過ぎています。 ホワイトハウスを自分の家のように采配する、娘イバンカや娘婿クシュナーを見るにつけ、いつ政敵に踏み込まれるのかと、案じておりました。
いよいよ、きましたね!
(1)モハンマドⅥ世モロッコ国王のネポティズム:
2019年3月30日と31日に、モハンマドⅥ世モロッコ国王の招待に応じ、ローマ法王がモロッコを訪問した。モロッコ王室一家は、モハンマドⅥ世モロッコ国王、息子のムライ・エルハサン王子、娘のララ・ハデ―ジャ王女、弟のムライ・ラシード王子、弟の嫁、弟の子供、妹、叔母、2才の王子、、などなど、、、王室一同の真ん中にローマ法王を配して大記念撮影会を催した。 写真は一週間経った今も、モロッコ王室メディアのフロントページを飾っている。宗教権、外交権、軍事権などの権力を握るモロッコ国王のネポティズムは、モロッコ国民とは全く関係なく現存している。
「朕は、全宗教の保護者だ」 と、モハンマドⅥ世モロッコ国王はローマ法王を前に豪語され、<ジェルサレム宣言>なるものを発表された。モロッコ王室のマーク入り、ロイヤル・エア・モロッコのタラップで別れの手を振るローマ法王、、まんまと。モロッコ王室に乗せられ、モハンマドⅥ世の宣伝に利用された。
しかし、モロッコが期待したほど世界のマスコミは<モロッコ国王のローマ法王招待>に飛びつかなかった。そこでモロッコ王室は、いつものように国連報道室を利用した。4月2日の国連報道室で、モロッコ人記者と国連報道官が八百長問答をくり広げた。「法王のモロッコ訪問は、非常に象徴的な出来事だ。国連事務総長はどう思っているのか?」との質問に、ステファン国連事務総長報道官は、「聖法王のご訪問は非常に重要で象徴的だと、私は思う。移民問題は事務総長の心情に近いものがある」と、言葉を選んで返答した。すかさずモロッコ王室メデイアは、国連報道官の応答を利用して、「国連事務総長がモロッコ国王を絶賛した」と拡大して伝えた。
(2)♠アメリカ大統領のネポティズム:
「ホワイトハウスの機密情報はバレバレだ」と、ホワイトハウスを退職したベテラン職員のトゥリシア・ニューボルド夫人がアメリカ下院監視・改革委員会での内部告発し、2019年4月1日に記者会見した。日本は新元号<令和>に浮かれ、世界はエイプリルフールで、爆弾発言はあまり反響を呼ばなかった。が、下院の監視・改革委員会のエリジャ・カミングス委員長の鼻息は荒い。カミングス委員長は、ホワイトハウスへ勝手に出入りする♠大統領の娘イバンカと娘婿クシュナーと国家安全保障補佐官ジョン・ボルトンの3人を始めとして、ホワイトハウス関係者を委員会に召還すると、発表した。民主党下院議員のカミングス委員長は、ヒラリー・クリントンの熱烈な支持者で、人種差別反対運動を指導するアフリカ系アメリカ人だ。
「私がファーストレデイーよ」と、イバンカの母は本を出版して自己主張した。
イバンカは、ホワイトハウス発信メールの中で、<ミセス・トランプ>と書かせている。♠アメリカ政権がでっち上げたベネズエラ暫定大統領グエラの奥さんをホワイトハウスに招き、「ベネズエラのファーストレデイーを招待したのはファーストレデイーを努めるこの女性だ」と、人のいい♠親父は娘のイバンカを紹介した。<イバンカ・チーム>という名で、娘のイバンカはホワイトハウスの中に、特別チームを作り自由に活動している。イバンカが日本から取った57億円は、このチームの運営費に充てられているのかも?
2016年の大統領選挙の時、「今までホワイトハウスに縁のなかった人々も働けるオープンな皆の家にする」と、公約した。確かに、♠は選挙公約を守った。が、<皆>というのは、自分ちの皆の者で、それはネポティズム(身内びいき)という排他主義なんです。民主党が、♠降ろしの決め札を早々と切ったのは、ロシア疑惑を弾劾に持ち込めなかったし、セクハラも民主党大統領候補のバイデンがお株を奪ってしまったし、些か焦ったからだと言われている、、
(3)アルジェリア人民に負けたブーテフリカ大統領のネポティズム:
「私は、アルジェリアに身を捧げたことを後悔していないが、任期を全うできなかったことを深く詫びる」と、2019年4月2日、任期切れを目前にして、前アルジェリア大統領ブーテフリカは、退陣を正式に表明した。
そして、「政治の舞台から去るに当たって、私はアルジェリアの未来に悲観も恐れも抱いていない」と、付け加えた。6か月に及ぶ反政府抗議に屈して、アブデルアジズ・ブーテフリカは20年間の大統領職から退いた。次期選挙までの3か月間は、上院議長アブデルカデル・ベンサラーが、大統領代行を務める予定だ。3月31日、閣僚名簿が発表された。
首相にヌールデイーン・ベドウィ、国防副大臣にアハマド・ガイド・サラ中将、外務大臣にサブリ・ブカドウン、内務大臣にサラハ・デイーン・ダフムーン、財務大臣にモハマド・ルカル、エネルギー大臣にモハンマド・アルカブなどなど、、新外務大臣サブリは、アルジェリア国連大使を務めたベテラン外交官だ。
しかし、前政権のネポティズムを引きずるこの顔ぶれと暫定政権の対応に、アルジェリアの人民が納得するかどうか?疑問だ。金曜日毎のデモに聞いてみよう、、アルジェリア人民の声に耳を傾けよう、、
「西サハラの未来を決めるのは、西サハラ人民だ。西サハラ人民とは、西サハラ難民とモロッコ占領地の西サハラ住民と外国に住む西サハラ人を指す」と、国連主催の西サハラ・ラウンドテーブル(円卓会議)に出席した西サハラ代表団は明言しました。 対するモロッコ代表団は、「モロッコ・サハラ(西サハラのモロッコ式呼称)の解決は、アルジェリアとモロッコ政府間で決着をつけるのが、手っ取り早く合理的だ」と、主張しています。 モロッコは、西サハラ人民の存在を無視しようと、国連報道官も巻き込んで、モロッコ国王陛下とその治世の素晴らしさを宣伝しています。
4月9日と10日に、国連安保理で西サハラ問題が討議されます。 そして、4月末、任期切れになる<ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)>の任務に結論が出されます。 が、西サハラの未来を決めるのは、ネポティズム♠アメリカなのです。 西サハラ担当ダビッド・ハレが4月3日から11日にかけて、モロッコとフランスとベルギーを訪問し、話をつけるそうです、、
Youtubeに2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2019年4月5日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion8541:190405〕
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