中国擁護のわけ その13 中馬両国の発展に期待!
- 2019年 4月 17日
- 交流の広場
- 箒川兵庫助
久しぶりにマレ-シア領内に足を踏み入れた。アメリカ元財務次官のP.C.ロバーツ氏が「MH17機を撃墜したのはウクライナ軍」だとするニュ-ズを紹介されたからである(3月27日)。上の発言をしたのはウクライナの上級官僚であるから信憑性は高いとしても,マレ-シア国内での反応はどうか確かめてみたかったからである。
それが新聞では見られないのである。知り合いの,MH17機やMH370機に非常に関心ある人もこのニュ-ズを知らないのである。こちらの新聞Sはアフリカや南米までの記事を載せる。日本の新聞とは違って世界への興味は高いがAFP電からの引用が多いのが難点であるとしても。
さて,日経(4月15日)によれば,中-馬懸案の東部海岸鉄道建設の再開が決まったという。ナジブ前政権に始まった鉄道建設だが,国会財政80兆リンギ赤字を解消すべくマハティ-ル首相は北京へ乗り込んで建設中止の交渉に入った。一帯一路の要の一つであるから交渉は決裂するかと思いきや,習政権は建設延期を受け入れた。しかし再開新計画は東部クアンタン港からマレ-半島を横断して西側のケラン港までを結び,建設費用を21.5リンギ(約5,500億円)節約したという。しかしこの新計画は東部海岸鉄道というよりは東部海岸半分横断+マレ-半島横断というものである。東部コタ・バル-西部クラン港間は通常車で7時間かかるが鉄道によって4時間に短縮され,物流の促進が図られるという。
鉄道完成は2年半ほど遅れることになった。しかし逆も真なりで政治情勢からの判断もあったと思うが,習政権はマハティール首相の顔を潰さず,お互いの利益を確保したようである。
しかしこの変更は小生のような一旅行者には都合がいい。旧日本軍が上陸したコタ・バル市から西のクラン港まで7時間が4時間になる。旅館代が節約できる。東部海岸は美しいから新婚旅行などには向いているが,雨季の雨は酷い。コタ・バル市付近は蚊でいっぱいである。しかし食べ物は安く美味しい。鉄道維持・管理費は南部へ行けば行くほど高くなるに違いない。
横断鉄道は首都クアラルンプ-ル近くを通るらしい。都心から空港まで50リンギかかるが高い。鉄道ができれば安く仕上がるに違いない。マレ-シア政府は財政難を救うために,都心から空港までの運賃を20リンギ程度に下げるとよい。値下げにより空港まで出かける人数が多くなることが予想されるからである。損して得。
久しぶりにマレ-シアに関するニュ-ズを見聞して,一帯一路政策は確実に進む気がした。習政権も大国として大幅に譲歩し,マハティ-ル首相配下の官僚たちも知恵を出して中止ではなく,再開に漕ぎ着けた。拍手を送りたい(但しTPP交渉官僚は下の下)。中馬両国のこれからの発展が楽しみである。
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