べネスエラの都市部超インフレを抑えるために その2
- 2019年 5月 17日
- 交流の広場
- 箒川兵庫助
失業率は30%。伊高氏はチャペス・マド-ロ政権の失敗は国内産業を育成してこなかったことであると指摘しております。つまり当初,石油収入が豊富であったため,歯ブラシでも何でも必要なものは輸入した方が手っ取り早かったのです。それを社会主義というべきか資本主義というべきかは小生には分かりません。日本の製造業は衰退する一方ですが,べネスエラは製造業育成に力を入れてこなかった。そこで経済制裁にあい医療品や生活物資が不足しインフレが昂進したと言えましょう。しかしそれは都市部の話で農村部はバナナをはじめ農産物は自給自足で賄うことが出きています(伊高氏)。都市部では「Clap」という食料配給制度があって餓死には至らないようです(イシカワ大使談)。ジャ-ナリスト・ブルメンソール氏はカラカス市内のス-パ-をみて物資が豊富なことを確認しています(rt.com)(中露の援助もありますが)。欧米のメディアは米政権に都合のいい情報だけを流しています。日本のメディアも例に洩れません。
(3)について。カラカス米大使館CIA主導のク-デタが成功しないことに米政府は業を煮やし今度は傀儡政権を作ってその暫定大統領の要望に応じた形の軍事侵攻を考えましたが周知のように失敗であり,USAIDの援助物資を積んだトラックを反マド-ロ派が火をつけた映像が世界に配信されております(rt.com)。
超インフレにも拘わらずべネスエラ人は餓死していません。満足な治療も受け入れられず,餓死しているのは英米が経済制裁・海上封鎖している南イエメンの子どもたちでしょう。また製造業が育成されてこなかったべネスエラには中国の資本が100億ドル以上入って製造業を育てているようですから,中米戦争が起こるとは考えられません。またロシアのTU160爆撃がべネスエラの空港に降り立ってフロリダのSOUTHCOM軍司令部を攻撃射程に収めています。しかし原子力推進の超音速ミサイルを開発したロシアは平和を望んでいます。米州機構のブラジルでさえ軍事侵攻に反対し,ロ-マ・カトリック教会も国連も話し合いの解決を望んでいます。ゆえに米国は今度,イランに矛先を向けたのです。P.C.ロバ-ツ博士はレ-ガン大統領の財務次官補でした。上記の彼の論考を読むことを先生や皆様にお勧めしてこの稿を終わらせていだきます。
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