「安倍政権は原発推進や防衛力増強よりも防災に取り組め」 - 東京で、さようなら原発全国集会 -
- 2019年 9月 17日
- 時代をみる
- 原発岩垂 弘
「政府は、防衛よりも防災を」。9月16日(月・休日) 午後、東京の代々木公園で「9・16さようなら原発全国集会」が開かれたが、9日に関東地方を縦断した台風15号がもたらした災害でいまだに千葉県で大規模な停電が続いているのに政府の対応が鈍いことを指摘する発言が目立ち、「安倍政権は、原発再稼働や防衛力増強に躍起だが、それよりも、まず自然災害から国民を守る対策に力を注げ」との声が相次いだ。
集会を主催したのは、内橋克人(経済評論家)、大江健三郎(作家)、落合恵子(作家)、鎌田慧(ルポライター)、坂本龍一(音楽家)、澤地久枝(作家)、瀬戸内寂聴(作家)の各氏ら9人の呼びかけでつくられた「さようなら原発一千万署名市民の会」。
市民の会は2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故以来、毎年、3月と9月に脱原発を目指す全国集会を東京で開いているが、今年の9月集会には、連休中でしかも祝日にもかかわらず、関東を中心に、労組員、脱原発団体関係者、護憲団体関係者、生協組合員、一般市民ら約8000人(主催者発表)が集まった。昨年の9月集会も約8000人だった。
午後1時半から始まった集会で最初に登壇した呼びかけ人の落合さんは、まず「台風の影響で、千葉県ではいまだに大規模停電が続いている。全く信じがたいことです」と、政府の防災対策の遅れを指摘し、こう続けた。「その一方で、安倍政権は迎撃ミサイル、イージス・アショアの基地建設には熱心で、膨大な金を使ってアメリカから武器を買おうとしています。それも、アメリカの言い値で。今こそ、安倍政権に対し、防衛でなく防災を、と声を上げましょう」。
落合さんは、また、「東電福島原発事故により今なお多くの人が避難生活を余儀なくされているのに、政府は復興オリンピックを名目に、もうフクシマは終わった、と言わんばかりの態度を見せている。福島はまだ決して復興していません。このことを広く訴えてゆきましょう」と訴えた。
さらに、落合さんは、呼びかけ人の澤地さんが集会に寄せたメッセージを朗読したが、澤地さんはその中で「日本は世界に先駆けて原発をゼロにする義務があります。そのために働く政権をつくりましょう」と訴えていた。
次いで、福島から集会に参加した人たちからの現地報告や、沖縄の米軍辺野古新基地建設反対運動への支援を訴える発言があった。
その後、「連帯あいさつ」に立った「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の福山真劫・共同代表は、こう呼びかけた。
「このたび発足した安倍改造内閣の閣僚を見ると、日本会議系の議員が多い。いわば、極右内閣だ。別な言い方をするならば、原発推進内閣、福島切り捨て内閣、辺野古基地推進内閣である。こんな内閣は許せないと、本気で声を挙げよう」
最後に登壇した呼びかけ人の鎌田さんは「韓国、香港、台湾では大勢の人が参加する民主主義のための闘いが続いている。だが、私たちの運動は弱い。日本でも原発ゼロを目指して運動を盛り上げよう。高速増殖炉もんじゅは廃炉になった。青森県六カ所村の核燃料再処理工場はいまだに稼働できない。これは、私たちの運動の成果だ。原発ゼロは必ず実現できる」と訴えた。
集会後、参加者は2コースに分かれてデモ行進した。
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