●無責任大国ニッポン!〜東電刑事裁判でまさかの「全員無罪」判決
- 2019年 9月 20日
- 評論・紹介・意見
- レイバーネット東電刑事裁判松原 明
9月19日、旧東電経営者3名の刑事責任を問う東京地裁判決には、832人の傍聴希望者が集まった。午後1時すぎ、判決の一報を待つ地裁前は支援の人々と内外のメディア陣であふれ返っていた。そこに中から、2人の原告団の女性がとぼとぼと出てきた。持っていた紙には「全員無罪 不当判決」の文字が書かれていた。支援者から「許さない!」の声が上がる。
2人とも福島からの避難者で、眼はうつろで無言。放心状態だった。やっとマイクを握り「まさかこういう結果とは…」「とてもとても悔しいです」と語った。そしてたくさんのメディアの前で、原告メンバーが次々に判決への怒りを述べた。
関西から来た森松明希子さんは「不当すぎる判決。司法が死んでいることが証明された日になった。三権分立を信じていたがそれはなかった。日本の民主主義が崩れていることでもある。世界に恥ずかしい。なんのための司法か。悔しいけど負けない」と力をこめた。
たくさんの暮らしと命を奪った世紀の原発大事故。しかしその責任者も原因も問われないのか。やり場のない怒りと涙が地裁前に充満していた。それでも、発言者の多くが語ったのはこれからのこと。「子どもたちのために壊れた世の中を残してはいけない。正義が実現できる社会にしていこう。腐った司法、腐った日本を変えよう」と異口同音に訴えていた。
・レイバーネット記事 http://www.labornetjp.org/news/2019/0919shasin
・動画(原告の声) https://youtu.be/AfNNooD33nk
初出:「レイバーネット」より許可を得て転載
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion9012:190920〕
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