カシュガル小旅行 その2
- 2019年 11月 12日
- 交流の広場
- 箒川兵庫助
第三に,CO2排出に気を使っていることである。気温が低いのは宿泊受付(フロント)ばかりでなく客室でもあった。エア・コンは作動しない。聞けば,11月1日から作動させる予定で「霜降」の10月までは防寒服着用が一般的であるらしかった。防寒の準備はしていったが寒過ぎて読書やパソコンとゆっくり付き合っている余裕は限られてしまった。交渉したら夜は22℃位まで上げてくれた。大国の寛容さに救われた。しかし手や鼻に霜焼けが出来ていた。子ども時代以来である。
思ったことの第四は,英語が殆ど通じないということである。言葉が通じない中でも人々は暖かく小生に対応してくださった。思ったことの第五は,カシュガル地区は少数民族の地というより人種のルツボと言った方がいい,ということである。ハッと目の覚めるような美人・美男にあちこちで出会う。混血も多いに違いない。南東アジアも混血が多いのに似ている。
さて,強制収容所の件はどうなったのか。防衛研究所にもいたことのある北大教授が旅行直前に拘束されていたが,小生は別にそういう物があるかないかを確かめに来たのではないので気にしていなかったが,BloombergやBBCに出会った。「収容所がある」と言われた風景が眼前に現れたのである。広州からトルファン-ウルムチに向かう途中であのイチョウ型の地形が大きく表れた。機長サ-ビスである。
サ-ビス過剰とは言わないが,目的地まで近くなったのであろうか,高度が下がり100万人~300万人を収容する施設があると言われた一帯が目の前に現れた。しかし,そんな建物は見当たらない。トルファンとウルムチとの間にあると言われた強制収容所は眼下にない(どうしてくれるんだ!)。
BBCやNYTなどは売女マスコミになって久しい。一方,Bloombergの経済ニュ-ズには面白いものある。しかし政治関連の情報もすぐフェイクだとバレる映像なので好きだ。
ところでカシュガル空港でタクシ-を拾ったが一般道路に出るとフラッシュ攻めにあった。写真を撮っているのか警告を与えているのか分からない。ホテルの脇には警護車が1台あって通行人を見張っている(他のホテルもそうなのであろう)。隣には幼稚園があり,そこも監視しているのであろう。或る日は5,6人の保護者が1mぐらいの警棒をもって子どもの迎えを見守っていた。
古城やバザ-ルでも各入口で検問にあう。この中でも1mの棒を持った監視人(男女)たちが巡回していた。またさらにホテル内に直接入る場合でも検問が待っていた。しかし早朝は睡魔が彼らを襲う。
早朝6時ごろのホテルの外には警備の警察車もない。しかしこのときを狙ってホテルに侵入すれば簡単に事を為すことができる。しかし事件は起きなかった。何故だろうか。滞在期間が短かったからか。しかしそれ以前にも帰国後もそういう事件の話を聞かない。おそらく警備員,警察官,公安,SWATの存在は,「れいわ新選組」の『8つの緊急政策』に関係するのではないだろうか。すなわち「公務員を増やす」。
古城でも小学校の校庭を見ることができた。たくさんの子どもたちが帰る列を成していた(班ごとの下校)。子どもは2人ぐらいまで産めるのではないだろうか。言葉が通じない。
そこで推測するしか方法がないのだが,一家のうちで一人が新たに警察官に採用されたら,一人は北京や上海に出稼ぎに出る必要がないだろう。金具や絨毯や木工製品はそれほど売れるものではない。確実に収入がある公務員が増えれば地方は潤い,東に出稼ぎに行く必要がない。町中を闊歩する警察や公安は確かにハエや蚊のようにブンブ文武とうるさい。しかし我が子や甥っ子や姪っ子が公務員として採用され,それほど高くはない給料だが,毎月給料が入ってくれば,生活はかなり楽になる。地方は疲弊しない。しかも観光客も年中ある。地方創生大臣の必要もない。少子化にも歯止めがかかっている。
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