SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】348 超党派「西サハラ問題」を考える議員連盟設立総会勉強会
- 2019年 12月 11日
- 評論・紹介・意見
- サハラ平田伊都子西サハラ
2019年12月に入って、SPS(サハラ・プレス・サービス)のニュースはアミナトウ・ハイダル女史の<ライト・ライブリーフッド>受賞のニュースでもちきりでした。 そんな時期の12月8日、<超党派西サハラ議連が設立>という記事が掲載されました。 勿論、SJJAも超党派議連の誕生をお報せするつもりでしたが、西サハラ難民キャンプの通信社に先を越されてしまいました。 情報源はSJJAで、記者は元作家協会会長のマライニン・ボツワナ大使です。 英語版とアラビア語版がありますが、英語版の方を紹介しておきます。
① バスクの議員団体がモロッコ占領当局から追放:
その政府がSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)を正式国家承認していなくても、
西サハラ友好議員連盟は存在する。まもなく国家承認をしようとしているスウェーデンは勿論、アメリカ、イタリア、フランス、スペインなどの欧米諸国ではその国の議連が活躍し、西サハラ代表部も置いている。
12月1日、スペイン・バスク地方のバスク西サハラ友好議員連盟を代表する4人が、モロッコ占領地・西サハラの首都ラユーン空港に到着した。エヴァ・フエス女史、カルメロ・バッリオ氏、インニゴ・マルチネス氏、ホス・エスタロナ氏の4議員は、モロッコ占領地での人権侵害の実情を自らの目で確認し、西サハラ被占領民の意見を聞こうと訪問したのだが、モロッコ占領当局から入国を拒否され強制送還された。バスク西サハラ友好議員連盟の一行は、モロッコ占領当局の不当な扱いを、国連安保理12月議長のケリー・クラフトアメリカ国連大使に、書簡で訴えた。
シデイア・オマル西サハラ国連代表は、「モロッコ占領当局はこれまでも数々の国際調査団のモロッコ占領地・西サハラへの入国を拒否してきた」と、国連安保理に対して、強い抗議をした。
➁アミナトウ・ハイダル女史、受賞記念演説:
12月4日夕刻、スエーデン首都ストックホルムで、<ライト・ライブリー>賞のスポ
ンサーが受賞記念晩餐会を催した。招待された1200人以上の平和活動家たちを前にして、「私はアミナト・ハイダル、最後のアフリカ植民地・西サハラの人権擁護活動家だ」と、ハイダル女史は記念講演を始めた。そして、「私たち西サハラ人民の権利を認めずモロッコ占領下の苦しみを黙殺している関係諸国は、責任がある。しかし、何と言っても、国連安保理の枠内でモロッコを支持するフランスや、元西サハラ宗主国のスペインには大きな責任がある、、そして、国連西サハラ人民投票という和平提案をしたにもかかわらず、未だに実現させていない国連の責任問題は、計り知れない重大なものがある」と、国際社会の無責任さを糾弾した。
そして、「どうか私たちに味方してください。モロッコ占領下で苦しめられている弱い罪のない子供たちや女性を救ってください。そして、獄の中で戦っている多数の西サハラ政治囚に連帯してください」と、結んだ。
アミナト・ハイダル女史が受賞記念講演で
アピールした西サハラ政治囚の写真
➂超党派「西サハラ問題」を考える議員連盟設立総会勉強会:
2019年12月6日、国会会期末が押し迫った時に、馳浩元文部科学大臣が会長に就任され、超党派「西サハラ問題」を考える議員連盟設立総会勉強会が開催された。馳浩会長が「本来なら日本西サハラ(友好)議員連盟などとすべきところを、諸般の事情で長くなってしまった」とおっしゃった。2010年に西サハラ議連を立ち上げようとした時は、当時の外務省と当時のモロッコ大使館からクレームがついたとかで、「日本民主党西サハラ問題を考える議員連盟」と、変更された。
馳浩会長から、「全衆参両院議員に声をかけた」と、ご報告があった。
約10人の議員先生方がお見えになり、10数人の秘書さんがチラシを取りに来られた。
外務省からは、高橋直樹アフリカ部アフリカ第一課課長を始めとし、アフリカ部アフリカ第一課課長補佐、国際協力局緊急・人道支援課主席事務官、国際協力局緊急・人道支援課課長補佐、中東アフリカ局中東第一課主席事務官、中東アフリカ局中東第一課主査など、6人の方々が参加された。
何はともあれ、西サハラに関する<超党派>の議員連盟設立は、歴史的に大きな意義がある。
------------------------------------------
Japanese Bipartisan Parliamentarian group constituted in Parliamentarians’ Hall in Tokyo SPS 08/12/2019 – 12:36
Tokyo (JAPAN) 08 December 2019 (SPS)- Japanese supporters of the Saharawi people’s legitimate struggle constituted a Bipartisan Parliamentarian group, on Friday morning, under the name of “Western Sahara Japanese Members of Parliament Association”, at the Parliamentarians’ Hall in Tokyo. The group is initiated by three Japanese parliamentarians, mainly Mr. Hiroshi Hase, former Minister of Education and the chief organizer of 2020 Tokyo Olympic, who is also the Deputy Secretary-General of Liberal Democratic Party in power, Mr. Hiroyuki Yoshiie, former Vice Minister of Education and Vice Minister of Justice (Liberal Democratic Party) and Mr. Mito Kakizawa, Independent Congressman, who visited the Refugee Camps. The meeting was attended by 10 Parliamentarians from various parties and 6 officers representing the Japanese Ministry of Foreign Affairs, who attended as observers, mainly the Director of First Section of Africa, the Vice Director of First Section of Africa, Chief Officer of International Humanitarian Cooperation, Vice Chief Officer of IHC, Chief Officer of First Section of the Middle East and Chief Examiner of the Middle East, Maghreb. During the discussions that marked the event, the President of the “Western Sahara Japanese MP Association”, Mr. Hiroshi Hase, asked the representatives of the Japanese Ministry of Foreign Affairs, about Japan’s relations with the Government of the Saharawi Republic and if it was familiar with the situation in Western Sahara. Surprisingly enough, the Ministry officials recognized that they have no contacts with the Saharawi authorities nor with Polisario, and that they are indeed getting all information on the conflict from the Moroccan authorities of occupation in Western Sahara, which was considered by the Japanese Parliamentarians highly inappropriate and irrelevent.
In the end of the event, the Western Sahara Japanese MP Association and the Sahara Japan Journalist Association, which was presented by Mrs. Hirata Itsuku, hoped to see the people of Western Sahara enjoying their right to Self-Determination one day, expressing their commitment to work within Japan to raise awareness about this last case of decolonization in Africa.(SPS)
------------------------------------------
尽力された3人の議員先生方に、心から「おめでとう」を、申しあげます。
2020年東京オリンピックに西サハラ難民アスリートを参加させようと試行錯誤を続けているSJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)にとって、馳浩西サハラ問題を考える議員連盟会長へのご就任は、限りなく心強いものがあります。
そして義家弘介先生の「我々は常に、弱い者の味方をする」という常日頃のお言葉は、「弱く罪のない子供や女性を救って!」と叫ぶ、アミナト・ハイダル女史に呼応しています。
オリンピック西サハラ難民アスリート誕生に向け、超党派西サハラ問題を考える議員連盟のご支援とご指導をよろしくお願いいたします。
Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)をご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2019年12月10日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9254:191211〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。