本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(244)
- 2019年 12月 11日
- 評論・紹介・意見
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ユング心理学の「自我」と「自己」
心理学者の「ユング(西暦1875年-1961年)」は、東洋の「曼荼羅」に、大きな刺激を受けて、その後、独自の理論を創り出したと言われている。そのために、「心の研究」に邁進する私自身も、「ユングの著書」に関心を持つ状況に至ったわけだが、この時に驚かされたことは、「ユング」が描いた「自我と自己を表すグラフ」を見た時に、私自身が創り出した「心のグラフ」が想起されたことだった。
具体的には、「円」の周囲、かつ、「意識」の部分に存在する「自我」が、私が想定する「頭脳」に相当し、また、「円」の中心、かつ、「無意識」の部分に位置する「自己」が、私が想定する「心」と「魂」に相当する状況のことである。つまり、「人間」については、「魂(SOUL)」が「肉体」に入った時に、「心」が誕生するものと考えており、現在では、この仮説により、さまざまな現象が説明可能な状況のようにも感じている。
より詳しく申し上げると、ユングが主張する「無意識」の部分に存在する「自己」については、基本的に、「仏教」が教える「阿頼耶識」、あるいは、「般若心経」が教える「神や天が保有する無限の智慧」を理解する必要性があるものと思われるのである。つまり、人間だけが保有し、自由自在に使うことが可能な「心」については、基本的に、「魂」と分けて考えなければいけないものと考えている。
別の言葉では、「時空」を超えて、どこにでも到達可能な「人間の心」については、「仏法」などの「天や神のコントロール」が効かない状況とも想定されるわけだが、一方で、「富に支配された現代人」は、「国法に従っている限りは、どのような行為も許される」という「考え」のもとに、「人類が生存不能な地球環境」を創り出そうとしている状況とも感じられるのである。つまり、現在の「人類」は、「目先の利益」だけに捉われて、「天に唾する行為」、すなわち、「将来の自分が、被害を受けるような行為」に邁進している状況となっている可能性のことである。
そして、結局は、「気付き」や「覚醒」と言われる状態が発生する時まで、この状況が継続するものと思われるが、「人類の歴史」を辿ると、このことにも、大きな意味が隠されているようにも考えられるのである。具体的には、「陰と陽の繰り返しにより、人類が発展する仕組み」のことだが、実際には、「西洋の唯物論」、そして、「東洋の唯心論」が、「800年毎に繰り返す状況」が発生することにより、「人類の精神的な成長」が進展する可能性のことである。(2019.11.10)
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バブルの非対称性
最近では、「劣化した日本人」や「日本の地盤沈下」という言葉が頻繁に聞かれる状況となっているようだが、この点に関して重要なことは、「バブルの非対称性」を理解することだと考えている。具体的には、過去に発生した「いろいろなバブル」からも明らかなように、「バブルが発生し、成長する過程では、ほとんどの人がバブルの存在に気付かない」という状況でありながら、一方で、「バブルが崩壊した途端に、バブルに参加していなかった人までもが、バブルの崩壊に騒ぎ出す状況」のことである。
つまり、「1980年代に発生した日本の土地と株式のバブル」のように、「バブルのピーク」までは積極的にバブルを推進するものの、「バブルの崩壊」とともに非難を始める状況のことである。別の言葉では、「バブルの崩壊」により、世の中の過ちや異常さに気付く状況のことでもあるが、実際には、「バブルのピークまでは狂乱状態」となるものの、「バブル崩壊後は反省を繰り返す状況」のことである。
このように、「バブルのピーク時」に発生する現象は、「波高きは天底の兆し」という相場の格言のとおりに「価格が上がったり下がったりする状況」であり、このことは、「人々の意識変動」を表しているものと考えている。つまり、「気付き」や「覚醒」が「バブルの崩壊」に伴って発生する現象のことだが、冒頭の「劣化」や「地盤沈下」は、すでに、「日本人が覚醒を始めた可能性」を表しているようにも感じられるのである。
別の言葉では、私が想定する「人類史上、最大規模の富のバブル」が発生したことに、ようやく、人々が気付き始めた可能性のことだが、実際には、「21年目に突入した日本のゼロ金利」や「世界的なマイナス金利」、そして、「世界的なキャッシュレスのブーム」は、典型的な「バブルの症状」だったものと考えている。しかし、一方で、現代人は、「自分が、ゆで上がったカエルの状態である」ということなどは、まったく考えもせず、「悪化する地球環境よりも、自分の生活やお金が大切である」という理解のもとに、日々刻々と変化する「世界の金融情勢」を無視している状況だったものと考えられるのである。
つまり、現在では、「数多くの自然災害」に悩まされている状況でありながら、この理由の一つが、「異常な金融政策」であることを無視している状況とも言えるようだが、実際には、「BIS(国際決済銀行)」に続き、「IMF(国際通貨基金)」までもが、「金融政策の限界点」に言及し始めており、このことは、明らかに、「中央銀行に打つ手が無くなった状況」を意味しているものと考えられるようである。(2019.11.12)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9255:191211〕
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