本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(245)
- 2019年 12月 20日
- 評論・紹介・意見
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サステナビリティとティッピングポイント
現在、人類は、二種類の「サステナビリティ(持続可能性)」と「ティッピングポイント(臨界点)」に遭遇しているようだが、一つ目は、「国連」で「16才のグレタさん」が演説した「地球環境の問題」である。具体的には、「地球が6度目の大絶滅期に入っている可能性」のことだが、この点については、「1992年」と「2017年」に発行された「世界の科学者による人類への警告」が参考になるものと考えている。
つまり、このままの状況が続くと、「地球の温暖化」が進展し、「Hothouse Earth(温室地球)」にまで事態が悪化する状況が危惧されているわけだが、私自身としては、もう一つの「臨界点」とも言える「国家の財政問題」、あるいは、「金融システムの持続可能性」に注力してきた状況でもあった。そして、現時点での感想としては、「このことにも、大きな意味が隠されているのではないか?」ということであり、実際には、「最初の臨界点で、人類の覚醒が発生する可能性」のことである。
より具体的には、300年ほど前から、「西洋の唯物論」が「自然科学の発展」を促し、結果としては、「産業革命」や「資本主義」へと繋がったわけだが、現在では、「マネーの大膨張」により、「金融システム」のみならず「地球環境」までもが破壊されそうな状況となっているのである。つまり、「自然科学」が発展しながらも、この技術を使いこなすはずの「社会科学」、あるいは、「人間の精神性」の発展に遅れが生じているために、現在、「心の闇」などの「さまざまな問題」が発生しているものと想定されるのである。
そのために、これから予想される事態は、「現代の神様」となった「お金」が、実質的に「紙切れの状態」となった時に、「人類の覚醒」が発生する可能性だが、私自身は、「この覚醒が起こらない場合には、第二の臨界点である地球環境の破壊にまで事態が悪化する可能性」を危惧している次第である。つまり、これから想定される「金融大混乱」は、「天が与えた最後のチャンス」とも思われるが、この時に必要なことは、「AI(人工知能)などを駆使することにより、経済学や哲学などが発展する可能性」だと感じている。
より具体的には、「心の謎」が解ける可能性のことだが、この点については、「自然科学」の発展が、「重力」という「物と物との関係性」にあったことがヒントになるものと考えている。つまり、今後は、「心の謎」という「人と人との関係性」を決定する要因の一つが解けることにより、更なる「技術発展」のみならず、「人々が、時間や人生をどのように使うのか?」に関して、大きな変化が発生するものと感じている。(2019.11.19)
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廃仏毀釈の悪影響
最近、「廃仏毀釈の悪影響」について、いろいろと思いを巡らせている状況でもあるが、この点に関して最も気になることは、現在の「心の闇」の遠因が「廃仏毀釈」に存在する可能性である。つまり、「明治維新以降の日本人」は「西洋の唯物論的な価値観に向かって、まっしぐらに突き進んだ状況」でもあったが、この時に切り捨てられたのが、文字通りに、「仏教」であり、また、「お釈迦様の教え」だったのである。
そのために、「仏教」については、私自身も、ほとんど知識が無いような状況だったが、最近、気付かされたことは、「空海の教えが、たいへん魅力的なものである」ということだった。つまり、「24歳の時に書かれた三教指帰(さんごうしいき)」、そして、「57歳の時に書かれた秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)」を読むことにより、「空海の切なる想い」が、まざまざと浮かび上がってくるようにも感じられたのである。
具体的には、「三教指帰」により、「儒教」と「道教」、そして、「仏教」の比較をしているが、この後、「もっとも優れた教えの仏教を学びたい」という「止むに止まれない想い」を抱いて「唐に渡った」とも言われているのである。また、その後は、「入唐求法」という言葉で表されているように、奇跡的な「縁」を得られ、「十住心」という思想などを基本にした「真言密教」を打ち立てることができたのである。
つまり、「人生の目的」は、「精神的な成熟度」を高めることにあり、この時に、「十の段階が存在する」とも述べられているが、私自身としては、「十段階の天爵」が、まさに、この状況を表しているようにも感じられたのである。別の言葉では、「地位や名誉、あるいは、お金」などの「人爵」については、基本的に、「天爵を高めるための手段」にすぎず、「人生の喜び」は、「どれだけ『大日如来の教え』、あるいは、『天地自然の理』に近付くことができたのかにある」という考え方のことである。
ただし、私自身としては、現在、「空海が教える十段階」に関して「若干、問題があるのではないか?」とも感じているが、この理由としては、「西洋の哲学」などが、考慮に入れられていないからである。つまり、当時の情勢としては、当然のことながら、「東洋の思想」だけを中心にして、いろいろな理論が打ち立てられていたわけだが、現在では、「今までの歴史を振り返りながら、より良い思想や理論が出来上がるのではないか?」と感じるとともに、「必要は発明の母」という言葉のとおりに、現在の「さまざまな心の問題」は、実際のところ、「心の謎」を解明するために発生しているようにも感じられるのである。(2019.11.22)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9281:191220〕
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