2020.10.15 菅内閣の日本学術会議攻撃・会員任命拒否の論拠の一つとされる「総合的・俯瞰的」の根拠、調べてみると2003年2月26日の総合技術会議「日本学術会議の在り方について」で初出し、2015年3月20日の内閣府有識者会議「日本学術会議の今後の展望について」で出てきました。しかし、そのどちらの公文書・議事録を読んでも、学術会議内部での推薦方法の歴史的変化や政策提言すべき課題は出てきますが、首相の任命権で学術会議の推薦名簿を拒否したり一部を改変したりという話は出てきません。菅首相の「99人の名簿しか見ていない」という発言と照らし合わせると、杉田内閣官房人事局長・北村国家安全保障局長の公安警察・内調出身コンビを中心に、官邸官僚内部で「危ない学者リスト」にもとづき6人の名前を削った現代版レッドパージ、と推論できます。各学会を始め市民を含む様々な抗議と運動が巻き起こり、14万人以上の抗議署名も出ていますが、世論調査を見ても、まだまだ問題の重大性・深刻さは国民レベルに届いていません。さらなる努力が必要です。
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初出:加藤哲郎の「ネチズン・カレッジ』より許可を得て転載 http://netizen.html.xdomain.jp/home.html
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〔opinion10201:201016〕