カブール空港で爆破テロ、外国人100人以上が死亡
出国待ちの外国人約5千人が密集していたカブール空港で26日午後6時、相次いで2発の仕掛け爆弾が爆発、出発を待つ乗客90人以上、米兵13人以上、警護のタリバン兵28人以上が死亡、150人以上の乗客が負傷した。事件後、テロ組織ISIS―K「イスラム国ホラサン州」が犯行声明を出した。ISIS―Kは1915年1月に設立され、アフガニスタンとパキスタンにまたがる地域を活動範囲とし、この地域を領有したと宣言した国際テロ組織だ。アフガニスタンを支配したタリバンとは敵対関係にあるが、タリバンの一部とはつながっているともみなされている。
この地域は、米軍とNATO諸国のアフガン戦争で、タリバンが敗走、パキスタンに逃れた。BBCの報道によると、タリバンから脱走した、より過激な残党が集合して、このISIS―Kを結成した。アフガニスタンに関心が限られているタリバンとは異なり、ISIS-Kは、西側諸国、国際組織、人道支援団体など攻撃可能な目標はすべて攻撃している。
ISIS-Kは、アフガニスタンのナンガルハル州東部を本拠地とし、パキスタン領との麻薬密売と住民出入国に暗躍している。
ISIS-Kの総数は最大時で3千人程度とみられているが、米軍とアフガニスタン治安部隊との戦闘で打撃を受け、減少したとも見られていた。しかし、タリバンとは近い別の少数過激派組織ハッカーニとは関係が良く、密接な関係にある。BBCによると、カブールの治安当局は首領のハッカーニには500万ドルの懸賞金をかけている。
8月15日、タリバンがカブールを占領したとき、タリバンは有名なプレチェルキ監獄から、過激派組織イスラム国(IS)とアルカイダのメンバーを解放した。
しかし、ISIS-Kはタリバンとは主張に大きな違いがある。ISIS―Kはタリバンがジハード(聖戦)を放棄し、カタールでの米国との交渉で「聖戦」を放棄したと非難している。
設立されるタリバン政権にとって、ISIS-Kは治安上の脅威であり、その点では、タリバンは西側の主要情報機関とある程度同じ立場だ。
初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
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