民主党への挽歌

 菅内閣は、政権末期の様相を呈している。 各種世論調査では、内閣支持率は、せいぜい20%から30%前半で、政党支持率は、自民党が民主党を逆転した。 しかし、両党を圧倒的に上回る率が「支持政党無し」であるのは、日本のこれからを託すには、両党では荷が重いということか。 
 国民は、自民党が賞味期限切れになったところで、他に未来を託すべき政党が存在しない中では民主党を選択するしか方法が無く、政権交代が発生したのであったが、見事にこの期待は裏切られた。 この政党は、極左暴力集団に嘗て属した権力の亡者から、政治的無知のテレビ・レポーターまでの思想・信条の持ち主の寄せ集めが、自己の属する利権集団の利益と我が身の私益を実現せんと欲する欲得づくで構成した我利我利亡者の集まりであったのである。 
 菅・仙谷は、その筆頭であろう。 中国漁船衝突の映像公開に関わって表出した事実がその実相を物語る。 即ち、9日の「読売新聞」夕刊に、仙谷官房長官作成の「厳秘」資料がスクープ報道されたのであるが、櫻井よしこ女史は、「両氏の関心が国益よりも、自分たちに逆らった人物への報復に偏重しているのが見て取れる。」と喝破されている。 正しくそのとおり。

http://yoshiko-sakurai.jp/
「中国漁船衝突の映像公開を国民は国益と考えている」 櫻井よしこ
 
 国民は、昨年よりの悪政下で、高い授業料を払って学んだ民主政治実現の理想と、その実現のための過程と政策とを次の選挙で託す候補者を選択する目安として使わねばならない。 それが、尊い国費と時間を費消した結果であれば、無駄では無いと自得しなければならないであろう。 民主党には、反面教師としての存在価値があったのであるから感謝するべきかも。