1.寒さに震える初夏の日々―滞在準備にかかる すぐ近くの銀行(Volksbank)の前に据え付けられた大きなデジタル温度計を見て驚いた。何と10℃である。今朝(26日)7時半の気温だ。ここはゲッティンゲンから徒歩1時間ほ
本文を読む合澤清の執筆一覧
テキスト・クリティークによって突き崩された欺瞞的「放射線『安全』論」
著者: 合澤清島薗進著『つくられた放射線「安全」論』(河出書房新社2013)2800円+税 1.著者のスタンス 著者は「あとがき」で書いているように、もともとは東京大学の医学系(理科Ⅲ類)に入学している。「(母方、父方の)二人の祖父も
本文を読む11.3憲法集会「沖縄と福島、そして憲法」に参加して
著者: 合澤清11月3日、JR水道橋駅近くの「韓国YMCAスペースYホール」で行われた「憲法公布65年集会―沖縄と福島、そして憲法」に参加した。200名以上の方々が集まりメモを取りながら熱心に報告や講演を聞いていた。 当日の講師として
本文を読む10.26小金井市の「放射能測定室」訪問記
著者: 合澤清東京の小金井市には「放射能測定室」があります。10月26日の午前9時半にそこを訪ねました。この「測定室」は21年前の1990年9月、チェルノブイリ原発事故の後に主婦たちが市に働きかけて作らせたものです。全国でも珍しい先進
本文を読む9.19反原発集会とデモ -それにしても日本の大手メディア報道はひどすぎないのか?-
著者: 合澤清19日の明治公園での集会とその後のデモについては、すでにちきゅう座を始め多くのミニメディアが実況放送をも交えて報道している。僕も久しぶりの高揚感を感じた。 誰かが言っていたが、確かに1969年の10.21日比谷公園での集
本文を読む悪夢(Albtraum)
著者: 合澤清このところのゲッティンゲンは連日ひどい天気が続いている。8月末といえば、普通はかなり涼しい陽気のはずだが、盛夏が戻ってきたような猛烈な暑さ(30度以上の猛暑)と、日本並みの湿度の高さである。夜はさすがに外は涼しくなっては
本文を読むゲッティンゲンについて
著者: 合澤清narumi_mama様 メール拝読いたしました。ゲッティンゲンはドイツの「おへそ」と言われていますが、大体ドイツの国土の中心近くに位置しています。物価はドイツの他の地域に比べて安い方だと思います。田舎に行けばもっと安い
本文を読むドイツ滞在日誌(9)
著者: 合澤清毎年のことだが、ドイツに来た段階では、多少の不安を抱えながら、今年はどう過ごそうかと思い悩む。中間では、まだ先がずいぶんあるなと、多少のゆとりをもちながら、この先どう楽しんでいけばよいだろうかと、当初の計画の実行(勉強の
本文を読むゲッティンゲンの猫たち
著者: 合澤清ゲッティンゲンの宿には猫が2匹飼われている。それ以外にウサギもいる。ときどきペトラ(宿の女主人)はウサギも籠から出して放し飼いにしている。聞くと、猫とウサギは時々は喧嘩もするらしいのだが、僕が見ている限りでは相互不干渉の
本文を読む「イエナ(Jena)からの短信」
著者: 合澤清今、イエナのホテルにいます。昨日から今夏の最後になるかもしれないドイツ国内旅行に出ています。最初に行ったのはドイツ西部の町「バート・クロイツナーハ」です。ここは、かつてマルクスが結婚式をあげたところです。駅前に壮大な教会
本文を読むドイツ滞在日誌(8)
著者: 合澤清前回に続いて今回もドイツ国内旅行の報告になります。天気は相変わらずここゲッティンゲンは不安定なままですが、僕らが出かけて行った地方では幸運にもいつも概ね好天気に恵まれています。旅の楽しさは、お天気に左右されるところが大い
本文を読むドイツ滞在日誌(7) ほんの少しドイツ語のお話など/Regensburgへの旅/KarlstadtとBambergへの旅/Ulmへの旅
著者: 合澤清1.ほんの少しドイツ語のお話など 今年のドイツの夏(少なくともここゲッティンゲンでは)は、「異常」なぐらい寒くて、雨が多くて、「夏らしくない夏」になっています。これは一人僕だけの感想ではなくて、この家の女主人ペトラも同様
本文を読むドイツ滞在日誌(6) ヨーロッパ人の関心事/食の異文化との出会い/ドイツ国内旅行(Goslar, Uelzen)
著者: 合澤清1.ヨーロッパ人の関心事 あの平和そのものと思われていたノルウエーで、衝撃的な大量殺人事件(銃の乱射で85人以上が殺された)が起きたことは皆様方も既にご承知のことだと思う。右翼青年の仕業だと伝えられている。 先日ドイツで
本文を読むバンベルクとウルムへの旅
著者: 合澤清昨日は帰宅したのが夜中になりました。と言っても、ゲッティンゲンについてそのまま「シュツルテン」に直行したためなのですが。28日に快晴で夏日の「レーゲンスブルク」を朝早く少し散歩(これがとてもいい気持ちなのです)し、ドナ
本文を読むレーゲンスブルクから
著者: 合澤清僕が現在住んでいるゲッティンゲン(ニーダーザクセン州)はこのところ曇りか雨の天気が続き、なんとも肌寒い(東京にいると羨ましいでしょうが、衣類をもってきていない僕としては少々つらい)毎日です。意を決して、今日(27日)から
本文を読むサモワールでお茶を、トルコ風朝食
著者: 合澤清今朝は珍しい体験をしましたので、そのことを少し書かせていただきます。 この家の女主人はドイツ人なのですが、彼女のおじいさんがトルコからきた方だそうです。彼女もそのせいか、トルコ文化に非常に興味を持っていて、食事なんかもト
本文を読む暑中お見舞い申し上げます
著者: 合澤清皆さま、お寒うございます。これって日本で言えば怒鳴られるのがオチでしょうね。でも、ドイツはこの3日間は実際に寒い。中に長袖を着て、その上にセーターを着込んでもまだ寒い。夜ともなると、飲み屋の屋外のテーブル席では脇にストー
本文を読むドイツ滞在日誌(4)
著者: 合澤清1.日帰り旅行(ハン・ミュンデンとヴィッツェンハウゼン) 再び「ニーダーザクセンチケット」を利用して近くの町へ行ってきた。ゲッティンゲン駅に着いたのが、先日アインベックへ行った日と同じ時刻になったため、ひょっとしてまた電
本文を読むドイツ滞在日誌(3)
著者: 合澤清1.やっとインターネットが通じた ドイツに来始めてもう随分になる。今回ほど気苦労をしたことはなかったように思う。ちきゅう座に掲載原稿を送る約束で来ているのに、来てから幾日にもならないうちに四面楚歌の状態におかれたからであ
本文を読む文学渉猟:モリエールの真面目な滑稽さ
著者: 合澤清『人間嫌い―孤客』モリエール作 辰野隆訳(岩波文庫) 20歳前後の頃だったろうか、モリエールの文学にかなり惹かれて岩波文庫の翻訳本を片っ端から読み漁って、感銘した片言隻句を書きためたことがあった。なぜモリエールだったのか
本文を読むドイツ滞在日誌(2)・(1)
著者: 合澤清ドイツ滞在日誌(2) 1.住まいの環境など Petra(ペトラ、我々の大家さん)の住まいはゲッティンゲンの北西部にある。この辺は新興地帯で、今でも拡張工事や道路整備などがあちらこちらで行われている。しかし、それではさぞか
本文を読む2011年:新年のご挨拶
著者: 合澤清新年明けましておめでとうございます。 今日はあいにくの寒波が全国的に荒れ狂い、あちこちで大雪をもたらしていますが、まさに厳しい世相の年初めに相応しい気象のように思われます。年が改まったからといって、情勢は決して楽観視しう
本文を読む文学渉猟:1848年革命期前後のイギリスの通俗小説
著者: 合澤 清『ディケンズ短篇集』 チャールズ・ディケンズ作 小池滋、石塚裕子訳(岩波文庫1986) 僕は以前からディケンズの小説はあまり好きではない。読み終わって、それほど愉快な気持ちになったという思いもない。ずいぶん昔に読んだと思
本文を読む文学渉猟:欧米風に物語られた中国のお話
著者: 合澤 清『千年の祈り』 イーユン・リー作 篠森ゆりこ訳 (新潮社2007) O.ヘンリーかモーパッサンを思わせるようなしゃれた10本の短編が並んでいる。話はどれをとっても奇抜であり、読者を飽きさせない。読み始めたとたんにするりと
本文を読む2010年ドイツ便り (1)~(5)
著者: 合澤 清(その5) 《10年経てばゲッティンゲンも変わる》 東京の変化はいまさら言うまでもなく、めまぐるしいものである。1週間見なかったら情景が様変わりしているなんてことすら間々ありそうだ。それに比べるとたいていのドイツの街の変
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