坂井定雄の執筆一覧

IS支配下モスルの住民たち(1) ―「イスラム国」との戦いは国連中心で⑱

著者: 坂井定雄

イスラム過激派「イスラム国(IS)」が、イラク第2の都市モスルを急襲、支配下に置いて世界に衝撃を与えてから1年。150万人の市民たちのほぼ半分がその直後に脱出したが、残った人々はどのような生活を強いられているのだろうか。

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安倍首相のエ・イ両国訪問そのものが要因 ―目をつぶったIS人質事件検証委報告

著者: 坂井定雄

 「イスラム国(IS)」が日本人二人を人質にし、虐殺した事件への政府の対応を検証した委員会が21日に公表した報告書。「政府の判断や措置に人質救出の可能性を損ねるような誤りがあったとは言えない」と結論した。初めから、政府支

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改憲挫折への希望を強めた憲法記念日(下)  ―TBSの歴史家ジョン・ダワー氏インタビュー

著者: 坂井定雄

 憲法記念日前後のテレビの報道の中では、断然5月2日のTBSの報道特集「戦後70年・歴史家からの警告」が素晴らしかった。ダワー氏は、いうまでもなく米国の歴史学者(マサチューセッツ工科大学名誉教授)で、近現代の日本・日米関

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自信深めたイラク政府と政府軍 ―「イスラム国」との戦いは国連中心で⑯

著者: 坂井定雄

昨年6月に「イスラム国(IS)」に占領されていたイラク中部の都市テクリートの奪回は、IS駆逐への挙国政権として新発足したアバディ新政権と政府軍に自信を与えた。アバディ首相は、まず首都バグダッドのいわば“のど元”に当たるフ

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難民キャンプの惨状は「人類の恥」と国連が訴え ―イスラム国(IS)との戦いは国連中心で⑮

著者: 坂井定雄

最悪の内戦が続くシリアの首都ダマスカス南部のヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ。これまで同国北部中心に支配地域を拡げてきた「イスラム国(IS)」の部隊が4月1日、同キャンプに突入、それまで市内で有力だったシリアの反政府武

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テクリート奪還は突破口に、大きな危険もはらむ(下) ―「イスラム国(IS)」との戦いは国連中心で⑭

著者: 坂井定雄

(3)強力なシーア派民兵軍団への不安  テクリート奪回作戦で、出動した大規模なシーア派民兵の「人民動員軍団」(PMU)に強い期待と不安が高まっている。PMUは昨年6月、「イスラム国(IS)」が中、北部で大攻勢を開始、各地

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テクリート奪還は突破口に、大きな危険もはらむ(上) ―「イスラム国(IS)」との戦いは国連中心で⑭

著者: 坂井定雄

イラク政府軍とシーア派民兵軍団が3月1日に開始した、「イスラム国(IS)」に占領されていたイラク中部の小都市テクリートの奪還作戦が、ようやく終わろうとしている。政府軍側は作戦開始数日後には、市街地を取り巻く町や村落を支配

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レバノンから届いた「アラー」と「アベ・マリア」 ― 「イスラム国」との戦いは国連中心で⑬

著者: 坂井定雄

レバノンの首都ベイルートで生まれ、住み続けている親しい友人から、Facebookでタニア・カッシスの公開DVD「ISLAMO-CRISTIAN AVE」を送ってきた。感動した。「イスラム国」や「シャルリー・エブド」での陰

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後藤健二さんの虐殺を抗議する。壊滅への戦いと日本 ―「イスラム国」との戦いは国連中心で⑫

著者: 坂井定雄

「イスラム国」は今朝、人質にしていた後藤健二さんの殺害を発表した。身代金要求が満たされなかった湯川遥菜さんや欧米人のジャーナリストらと同様、斬首処刑し、その残酷な記録映像をネットで全世界に流した。この人間の生命、尊厳を踏

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壊滅に追いつめる1年にできるか -「イスラム国」との戦いは国連中心で⑪

著者: 坂井定雄

 「イスラム国」の人質にされた後藤健二さんへの交換期限が過ぎている。 今回の事件は、あらためて「イスラム国」の残酷な本質を示した。「イスラム国」は敵意も敵対行動も全くない非戦闘員の日本人湯川さん、後藤さんを人質にして、日

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この相手から、人質の生命を救うことができるか -「イスラム国」との戦いは国連中心で⑩

著者: 坂井定雄

イスラム過激派「イスラム国」が、拘束していた湯川遥菜さんと後藤健二さんの二人を人質として2億ドルの身代金を日本政府に要求、72時間以内に払わなければ二人を殺害する、という脅迫声明を20日に出してから1日が経過した。現在進

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パリの巨大デモが示したムスリムとの連帯 ―「イスラム国」との戦いは国連中心で⑨

著者: 坂井定雄

11日、パリでの巨大デモ。1989年11月の「ベルリンの壁崩壊」以来、最も感動した人々の行動だった。パリでは空前の160万人、フランス全土で370万人、各国首脳や代表がデモの先頭を歩いた。それ以上に感動したのは、人々が掲

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松田浩さんが岩波新書「NHK」新版で緊急提言

著者: 坂井定雄

 NHKの内情と外圧について最も詳しく、メディアと権力の関係を一貫して追求してきたジャーナリスト・研究者の松田浩さんが、「宿痾の視覚障害に悩みながら視力のあるうちに、その締めくくりとして書いた」(あとがき)全面改訂版を出

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軍隊並みの情報、指揮・統制と巧みな戦術 ―「イスラム国」との戦いは国連中心で⑧

著者: 坂井定雄

「イスラム国」(IS)がイラクで政府軍と戦いで勝利を重ね、支配地域を急拡大したことは、米国や英国の軍事専門家たちを驚愕させた。トップから前線部隊までの指揮・統制、イラク軍についての新鮮な現地情報に基づく作戦が的確で敏速だ

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成功したシリア内戦介入、密輸、密入国で肥え太る ―「イスラム国」との戦いは国連中心に⑦

著者: 坂井定雄

 「イスラム国」が短期間に、二つの国家の3分の一以上を支配するのに成功した理由について、本連載の③で最高指導者バグダディのカリスマ的な権威と旧フセイン政権の軍・バース党の残党を取り込んだことを挙げた。つづいて、彼らの戦略

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IS流復古教育の強制に抵抗する親たち ―「イスラム国」との戦いは国連中心で⑥

著者: 坂井定雄

 6月に「イスラム国(IS)」に占領されたイラク第2の都市モスルでは、180万人の住民のうち、おもにキリスト教徒たち約50万人が脱出し難民になったが、残った市民たちの生活も激変した。その一つが公立学校の教育だ。ISがいち

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異教徒迫害と民族浄化 ―「イスラム国」との戦いは国連中心で⑤

著者: 坂井定雄

 「イスラム国(IS)」は、イラクとシリアで長い歴史を生き、定住してきた宗教と民族が異なる少数派の住民を迫害し、生命と財産を奪い文化を破壊している。  9月1日の「リベラル21」で報告した通り、もっとも残酷に取り扱われた

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捕虜集団虐殺とイスラム法 ― イスラム国との戦いは国連中心で④

著者: 坂井定雄

 イスラム過激派「イスラム国」(IS)の行動は、極めて残虐だ。イラクのアブグレイブ刑務所やカリブ海のグアンタナモ監獄での米軍による捕虜虐待、カンボジアのポルポト政権による大量虐殺、ボスニア内戦でのセルビア武装勢力による民

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バグダーディの権威と旧軍の残党たち ―「イスラム国」との戦いは国連中心で③

著者: 坂井定雄

 「イスラム国」がここまで急速に成長した理由はいくつもあるが、最高指導者バグダーディの卓越した資質、カリスマ性が大きな役割を果たしてきたことは否定できない。同時にそれは、「イスラム国」の最大の弱点でもある。  米国は20

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イラクの過激派からアッシャムの過激派へ変身 ―「イスラム国」との戦いは国連中心で②

著者: 坂井定雄

  シリアの内戦に加わり、占領した北西部の町ラッカを本拠地にしたイラクのイスラム過激派「イラクとレバントのイスラム国」(ISIL)が、シリアからイラクに逆侵攻し、イラク第2の都市モスルを占領。最高指導者のバグダーディが「

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人命と人権の重大脅威に急成長 -「イスラム国」との戦いは国連中心で①

著者: 坂井定雄

 イラクでも、シリアでも北部ではマイナス20度にもなる冬が迫ってきた。戦闘と残虐なイスラム過激派「イスラム国」(IS)の支配を逃れて、住み続けてきた故郷を脱出したシリアとイラクの85万人を超す人々の多くには、国連が必死の

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安倍首相の「積極的平和主義」を厳しく批判した国民安保法制懇報告

著者: 坂井定雄

「法の番人」内閣法制局の元長官、大森政輔氏ら11人からなる国民安保法制懇が9月29日に発表した「集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回を求める」報告は、さすがに「立憲主義の破壊に反対する」極めて説得力のある、わかりやす

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カルザイ前アフガン大統領、最終演説で米国を批判

著者: 坂井定雄

2001年の9月の米同時多発テロ事件に続き、米ブッシュ政権が開戦したアフガン戦争。タリバン政権崩壊直後の12月、国際会議で選ばれ、米国の支援でアフガニスタンの最高権力者の座を2期13年務め続けたハミド・カルザイが、大統領

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朝日頑張れ! 朝日攻撃は「戦後ジャーナリズム 最大の危機」だけではない。「戦後民主主義の最大の危機」だ。

著者: 坂井定雄

 朝日新聞に対する攻撃は、戦後民主主義の最大の危機だと思う。凶暴としか言いようがない。朝日は大丈夫か。既に紙面から、政権と勝ち誇った右翼メィアの大合唱に膝を屈し始めたのではないか、という懸念を感じさせる。戦後民主主義と憲

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なぜアラブ諸国は、対IS包囲網で動かないのかーアハメド・ラシッドの分析

著者: 坂井定雄

 イラク、シリアで膨張している偏狭で暴虐なイスラム過激派「イスラム国(IS)」に対して、米国は空爆を次第に拡大、英、仏も空爆に参加したのを始め、ISに対する国際的包囲網が築かれつつある。しかし、肝心のアラブ諸国は、ISに

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イラク、「イスラム国」掃討に挙国体制へーカギ握るスンニ派武装勢力(下)

著者: 坂井定雄

イラク報道では断然強い英BBCの電子版は8月29日、「スンニ派武装勢力は『イスラム国(IS)に立ち向かう用意がある』」と題した、現地取材陣の代表格のジム・ミュール記者による注目すべきインタビュー記事を掲載した。取材に答え

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イラク、「イスラム国」掃討に挙国体制へ―カギ握るスンニ派武装勢力(上)

著者: 坂井定雄

イラク連邦議会が8日、穏健なシーア派のアバディ首相の新政権を承認したことで、イラク、シリアで支配地域を拡大している偏狭・暴虐なイスラム過激派「イスラム国(IS)」に反撃、掃討するする政治体制がほぼ整った。同首相は、「イス

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ISに2か月間抵抗した町を解放―国連は残虐行為を最大限に非難

著者: 坂井定雄

イラクとシリアで支配地域を拡げた、凶暴なイスラム過激派「イスラム国(IS)」は2人目の米国人ジャーナリストを殺害した。ISは2日、その残虐な処刑のビデオ映像をインターネットで世界に流した。捕虜にした政府軍兵士や異教徒、外

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