清家竜介の執筆一覧

書評:西角純志著『移動する理論――ルカーチの思想』(御茶の水書房) 革命の悲劇的形象としてのルカーチとその可能性   

著者: 清家竜介

 評者が見るところ、本書の大きな特徴は三つある。エドワード・サイードが「移動する理論」の典型的な例として読み解いたジェルジ・ルカーチの『歴史と階級意識』を越えて、ルカーチの初期から後期にいたる思想的遍歴の全体を「移動する

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<近代の超克>論を刺戟する交換論―清家竜介著『交換と主体化』(御茶の水書房、2011年刊)書評

著者: 石塚正英

1.問題の所在 社会において交換が成立するには、交換主体のほか、必ず媒体が必要である。それは、先史社会や野生社会ではフェティシュなど聖なる存在であり、有史社会や文明社会では貨幣である。貨幣が用いられず何の媒体も介在しない

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