田畑光永の執筆一覧

始まった?習近平の文化大革命(2) ―広範囲の揺れの震源はどこだ

著者: 田畑光永

 文化大革命の再来を予感させるような「共同富裕」という掛け声が8月半ばに発せられた後、中国社会には様々な動きが伝えられるが、その分野はIT産業、教育産業、不動産業、芸能界と幅広い。それぞれがどういうふうに習近平政権の目指

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始まった?習近平の文化大革命(1) ―呪文は得体の知れない「共同富裕」

著者: 田畑光永

 中国共産党は今年結成100周年を迎え、7月1日に北京の天安門広場では盛大な記念式典が開かれた。人民服姿で登場した習近平総書記が、近年、米を中心とする西側諸国から、中国の香港、新疆、台湾に対する強権的、反民主的政策が批判

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痛い腹を探られるのがイヤなのか、それとも・・・ ―中国共産党100年にあたって(5)

著者: 田畑光永

 新型ウイルス・コロナが蔓延し始めてすでに1年半が過ぎた。その間にイギリス株やらインド株やらの新種が現れて、その都度新しい感染の波が広がり、ワクチンを接種した人もかなりの割合に達したはずなのに、波の広がりは一向に下火にな

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新疆ウイグル族自治区をどう説明するか ―中国共産党100年にあたって(4)

著者: 田畑光永

 今月1日は中国共産党結党100周年の記念日だった。当日は早朝、7万人あまりを集めて北京の天安門広場で盛大な式典が行われ、習近平国家主席が「台湾統一は歴史的任務」などと威勢のいい演説を行った。それに先立って国営の新華社通

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一党独裁を変える気はないのだろうか 中国共産党100年にあたって(3)

著者: 田畑光永

 「人権」に続いて、中国政府が中国共産党結党100周年を前に国際社会の批判に反論したのは政治制度についてであった。6月25日に国務院新聞弁公室が出した文書のタイトルは「中国の新型政党制度」である。かつての社会主義圏で政権

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中国は「人権」をどう考えているのか ―中国共産党100年にあたって(2)

著者: 田畑光永

 前回(7月2日掲載)は、7月1日に結党100周年を迎えた中国共産党について、毛沢東時代の文化大革命が「10年の災厄」に終わった後、権力を握った鄧小平が1070年代末から社会主義を捨てて「改革・開放政策」に針路を変え、「

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世界にもまれな長寿の革命政党の行方は? ―中国共産党100年にあたって(1)

著者: 田畑光永

 中国共産党は昨日、党創建100年を祝った。歴史の事実としては出席者13人の党創立大会の最終日、1921年7月31日が本当の記念日のはずなのだが、なぜか中国では7月1日が結党記念日とされている。といった細かい話はさておい

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笑ってる場合じゃないのだろうが・・・ 自民党に発生した3大おふざけ議員連盟

著者: 田畑光永

 コロナ禍で多くの国民はあるいは仕事が出来なくなったり、あるいは人と会いづらくなったり、出歩きにくくなったりと、程度の差はあれ気の重い毎日を送っているのだが、自民党の国会議員先生たちはそういうことのまったくない、太平楽な

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相次ぐ「見せるな」、「知らせるな」の意味するもの ―習近平は何を企んでいるのか

著者: 田畑光永

 中国では政権に盾つくような、あるいは盾つかないまでも、政権の気に入らないような、文章や映像作品はすぐに人目から遠ざけられ、作者はなにがしかの処分を受けるということは、広く世界に知られている。それがつい最近また2件続けて

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中国に対する日本の立場を明確に ――菅首相の訪米にあたって

著者: 田畑光永

 菅首相が待望の訪米に出発する。首相官邸周辺からは米バイデン大統領就任後の「最初の対面での首脳会談」の相手に選ばれたことを、なにか大手柄のように吹聴する気配が漂ってくる。そこには第二次大戦後の参勤交代外交の残滓が濃厚に感

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雪のアラスカに啖呵の火花 幕が上がった米中対決第二幕   

著者: 田畑光永

 まさかこれほどまで、と予想した人は多くなかったろう。3年続いた「トランプの幕」が終わった「果し合い!米中対決」は2か月の幕間が終わって、米側の主役がバイデンに代わり、さて第二幕の始まりやいかに?と、思いを巡らす間もなし

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習近平「貴方も私も似たものどうし」 あらためて考える中国(4)

著者: 田畑光永

 私は今月12日の本欄に、シリーズの2回目として「変わるか中国の対米態度」というタイトルで中国が対米関係でのこれまでの立場を変え始めたのではないかという推測を述べ、そのよりどころとして今月8日付けの新聞『環球時報』の社説

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やっと武漢へ、注目されるWHOコロナ調査団の結論 ―あらためて考える中国(3)

著者: 田畑光永

 すでに世界をまる1年、「コロナ・パンデミック」に陥れた、その新型ウイルスのモトを突きとめる使命を担ったWHO(世界保健機関)の調査団が14日、いよいよ中国、そして武漢へ入ることになった。ぜひともこれまでのもやもやを晴ら

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変わるか中国の対米態度 あらためて考える中国(2)

著者: 田畑光永

 「今は民主の大時代である。民主、自由、人権のない国家には市場経済の繁栄はありえない。経済の真の活力は民主が実在するかどうか、正しく役立っているかどうかの目安である」  これはある国の新聞の社説の一部である。どこの国かお

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争点はどこに?米中対決の今 あらためて考える中国(1)

著者: 田畑光永

 新しい年の世界の課題といったメディアの特集記事には必ず米中両国の対立、ないし対決はどうなるか、というテーマが登場する。たしかに米の中間選挙をその年の秋に控えた2018年の春、トランプ大統領が米の対中貿易赤字が大きすぎる

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トランプ大統領の再選を強く望む外国首脳は誰か? ― 急に強気になったあの男だ 

著者: 田畑光永

 さしもの米大統領選もいよいよ大詰め、投票日まではあと百時間余りとなった。世論調査は最後まで民主党のバイデン候補の優勢を示していたが、なかなか信じる気になれない。4年前のあの予想外の結果がまだ記憶に新しいからだ。われわれ

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学術会議会員が「公務員」だから何だというのだ ――菅発言の支離滅裂をこのままにしていいのか

著者: 田畑光永

 学術会議の新メンバー候補として推薦された105人のうちから6人を任命しなかった問題で、一昨日(5日)夕、菅首相がやっと口を開いた。聞いてあきれると同時に、この人の頭の構造に空恐ろしい粗雑さを感じた。野党のみなさん、「鉄

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トランプも習近平もどこまでやるのか! 世界の指導者なら頭を冷やせ。

著者: 田畑光永

 米中両国、というより、トランプ大統領(以下、敬称略)と習近平国家主席(以下、同)という2人の国家指導者、それも失礼ながらいずれもそれほど賢明とは見えない人物どうしの意地の張り合いが、ただでさえコロナウイルスの蔓延という

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「夜明けはいつ来る」 -許章潤教授の逮捕・解職事件

著者: 田畑光永

 一流大学の有名教授を買春容疑で逮捕、それも20名もの警官が教授宅におしかけて連行、そして6日後に本人は帰宅を許されたが、その時すでに勤務先の大学は「道徳的退廃」を理由に教授をすべての職から解任、つまりクビを決定していた

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中國・習主席の国賓訪日は実現すべきだ ―批判と国家関係は別もの

著者: 田畑光永

 中国の習近平国家主席の国賓としての訪日を中止すべきだという声が高まっている、という。理由は何と言っても昨年来の香港における出来事、とりわけ香港国家安全維持法の施行によって、香港の「一国二制」が崩れたことが反感を呼んだの

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米中新冷戦の急展開、香港から南シナ海へ ー緊張の米中対決新戦線

著者: 田畑光永

 私は13日付けの本ブログで、中国の香港に対する強硬姿勢を取り上げた。中國は先月30日に香港国家安全維持法を施行したことで、1997年に香港が英国から中国に返還されるにあたって、その前提条件であった「香港における『一国二

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なんてことをしてくれたんだ! トランプのはた迷惑―ボルトン回顧録から

著者: 田畑光永

 香港に中國が先月30日から「香港国家安全維持法」を適用したことをめぐって、中国と西側諸国との対立が先鋭化している。香港では昨年6月以来、香港当局が逮捕した逃亡犯を中国に送り返すといういわゆる「逃亡犯条令」に反対する香港

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「封城」(ロックダウン)下の武漢の暮らし - 方方女史の『武漢日記』(15)

著者: 田畑光永

 3月24日  封城62日目。私のこの記録も第60回、最終回としていいだろう。  全く偶然だが、今日、通告を見た。武漢以外の地区はすべて封鎖が解かれ、緑の健康カードで自由に行動できることになった。そして武漢市は4月8日に

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「封城」(ロックダウン)下の武漢の暮らし - 方方女史の『武漢日記』(14)

著者: 田畑光永

3月21日  封城59日目、なんとまあ長いこと。昨日のあの大きかった太陽が今日は突然暗くなった。午後にはいくらか雨も落ちてきた。この時期、中庭の樹木や花に雨はとっても必要だ。2,3日前、武漢大学の桜は満開だったのに、樹の

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「封城」(ロックダウン)下の武漢の暮らし - 方方女史の『武漢日記』(13)

著者: 田畑光永

 3月20日  快晴続き。気温は昼に26度まで上がった。でも暖房はまだ止めてない。部屋の中と外の温度が同じくらいになった。窓を開けて空気を通した時、中庭に数羽のカササギが飛来していた。門前の楠と白木蓮の上を飛び回っている

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「封城」(ロックダウン)下の武漢の暮らし - 方方女史の『武漢日記』(12)

著者: 田畑光永

3月19日  封城57日目。  今日とうとう待ち焦がれたいいニュースを聞いた。武漢で感染確認がゼロ、疑似患者もゼロ!そして友人の医師が興奮して言う、「ついにゼロだ。3つのゼロ、蔓延は抑え込んだ。外からの侵入も抑えた。今の

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「封城」(ロックダウン)下の武漢の暮らし - 方方女史の『武漢日記』(11)

著者: 田畑光永

3月17日  封城55日目。  晴天。ごみを捨てに出る。木の枝越しに坂の下の満開の桃の花が見えた。いささか「灌木、春色の断ずるを遮らず 一枝の紅桃、墻より出る」といった趣を感じた。「文聯大院」(筆者の住む居住区)は人が見

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