コロナ禍を政治利用してはならない。一律に現金や商品券を給付する政策は、有権者の票買収以外の何物でもない。 今次のコロナ禍による経済低迷は経済社会的行動の制限によるものである。これまでの経済恐慌とは違い、潜在的な有効需
本文を読む盛田常夫の執筆一覧
「悪夢」のアベノミクス
著者: 盛田常夫「黒田バズーカ砲」で始まった目先の景気浮揚を狙うアベノミクスは、コロナ災禍に遭遇して、元の木阿弥になりそうだ。自然災害であれ人災であれ、危機的状況の勃発時に、経済政策の正否が明々白々となる。アベノミクスの政策的正当性が
本文を読む『サル化する世界』の警句
著者: 盛田常夫春秋時代の宋にサルを飼う人がいた。朝夕四粒ずつのトチの実をサルたちに給餌していたが、手元不如意になって、コストカットを迫られた。そこでサルたちに「朝は三粒、夕に四粒ではどうか」(朝三暮四)と提案した。するとサルたちは激
本文を読む世代交代の戦いが続く男女プロテニス -錦織世代の終戦
著者: 盛田常夫全豪オープンテニスが終わった。女子は予想外の決勝戦となり、今回もまたグランドスラム大会の新しいチャンピオンが生まれた。2017年以降、この全豪大会までの4大大会各年の女子優勝者はすべて異なる選手となった。もっとも、大坂
本文を読む英語試験の外部委託は語学教育改革の放棄
著者: 盛田常夫大学入学共通テストの英語試験を民間に外部委託する方針は誰が推進したのだろうか。英語を社内共通言語にしている楽天会長・社長の声が大きかったようだが、それに賛同した政治家はいったい何を目的で賛同したのだろうか。試験を外部委
本文を読むライク外務大臣粛清の全容(3) - ライク裁判と処刑(下) -
著者: 盛田常夫共産主義ファシズム:スターリン主義 ライク処刑の報奨を兼ねて、翌11月末に、ハンガリー勤労者党(ハンガリー共産党)はガヤテトゥー(ハンガリー北東部のマトラ山)にてコミンフォルム会議を主催する栄誉を得た。ユーゴスラヴィア問
本文を読むライク外務大臣粛清の全容(3) - ライク裁判と処刑(上) -
著者: 盛田常夫1940年代末から50年代初めにかけて、中・東欧の保安警察を指揮・監視していたのは、ソ連国家保安省の中・東欧責任者であるベルキンであり、彼の上司は国家保安省大臣アバクモフである。他方、ハンガリーのラーコシはアバクモフ-ベ
本文を読む東京大地震の社会経済的影響
著者: 盛田常夫NHKは12月2日から週を通して、東京直下地震の被害を体感させる番組「パラレル東京」を放映し、都民のみならず国民の注意を喚起している。今後30年間に70%の確率で起こるとされる東京直下地震にたいして、東京都のみならず、政
本文を読むライク外務大臣粛清の全容(2) - フィールド一家の悲劇 -
著者: 盛田常夫ライク逮捕・起訴において、ノエル・H・フィールドの存在と「自供」(氏名リスト)は決定的な証拠とされた。フィールド逮捕は極秘事項であり、フィールドは自らの拉致を外に知らせる手段をもっていなかった。 チェコスロヴァキアの諜
本文を読むライク外務大臣粛清の全容(1) - ノエル・H・フィールド拉致事件 -
著者: 盛田常夫東欧社会主義の成立過程で、冷戦が始まり、ユーゴスラヴィアが国際共産主義運動からの「破門」された1948年以降、ソ連共産党の指示で、各国共産党では「共産党内の敵を摘発する闘い」が始まった。1949年10月のハンガリー外相
本文を読むライク・ラースロー再埋葬式 - ハンガリー動乱の引き金になった大衆的示威行動 -
著者: 盛田常夫1956年10月に勃発したハンガリー動乱は社会主義諸国のみならず、資本主義国の左派に大きな衝撃を与えた。左派知識人たちが得られる情報はソ連共産党が発する公式声明であり、動乱を惹き起こした背景や戦後東欧社会主義国の社会主
本文を読むハンガリー動乱から63年
著者: 盛田常夫10月23日はハンガリーの祝日になっている。1956年10月23日に勃発したハンガリー動乱は、「スターリン主義に侵されたソ連型社会主義」への人民蜂起であった。ブダペストで突発的に起きた騒乱にたいし、ソ連共産党は性急にも
本文を読む日本の財政は破綻しているのか、いないのか(下)
著者: 盛田常夫国際比較の要件 社会経済比較を行う場合、国の規模や経済発展水準が類似していることが比較の条件になる。また、北欧の福祉国家のような経済社会を目指す場合には、その諸制度と実態を詳しく分析することが必要である。たまたま都合の
本文を読む日本の財政は破綻しているのか、いないのか(上)
著者: 盛田常夫消費税の増減税問題を議論する際に、一定の認識が共有されていなければ実りある議論はできない。 前提となる認識の共有に必要な論点は、次の通りである。 ① 日本財政の深刻度はどれほどなのか。日本の財政は破綻しているのか、
本文を読む消費税減税は左派ポピュリズム
著者: 盛田常夫れいわ新選組の消費税減税に、共産党がいち早く同調したようだが、世論の評価は総じて低い。減税を主張すれば有権者の票を獲得できるという浅はかな期待に乗っかった政策だが、これこそ国民を見下したポピュリズムであり、国民を馬鹿に
本文を読む消費を増やせばGDPが増える? - 政府の累積債務は将来世代の税の前借り -
著者: 盛田常夫日本経済だけでなく、先進国経済は長期の経済停滞過程にある。それはたんに「物価が上がる、下がる」という経済現象をはるかに超える、先進経済が抱える構造的な問題である。しかし、現代経済学は経済社会の構造的問題を十分に捉えるこ
本文を読む右であれ左であれ、ポピュリズムは社会の存立基盤を毀損する - 日本でもヨーロッパでも、左派の退潮が著しい -
著者: 盛田常夫選挙で有権者の支持を得なければならない政党にとって、国民の短期的目線に訴え、国民の即時的要求に応えるポピュリズム政策は必要不可欠になっている。有権者のほとんどは日々の生活のことで精一杯だから、社会の中長期のことには関心
本文を読むスポーツ選手の体調と精神状態
著者: 盛田常夫高地トレーニングに問題ないか 池江璃花子選手が白血病を患っているというニュースに衝撃を覚えた。前途ある若い選手が病魔に襲われたことに言葉もない。 このニュースを聞いてすぐに思ったことは、高地トレーニングの影響である。
本文を読む上滑りする日本の世論
著者: 盛田常夫外国に居て日本のニュースに接するたびに、日本の政治家の意見や世論があまりに上滑りしているのが気になる。政治家が未来社会の方向性を示すのではなく、次の選挙の人気取りのために、あらゆる問題や機会を自らの知名度の向上のために
本文を読むスキージャンプW杯の歴史を作った小林陵侑選手
著者: 盛田常夫日本では今一つ、注目されないスキージャンプだが、ヨーロッパでは冬のスポーツの花形競技である。長く低迷が続いた日本ジャンプ陣は今シーズン(2018-2019年)、大きな飛躍を遂げた。 3月24日のプラニツァ(スロヴェニ
本文を読む小林陵侑選手の歴史的快挙を祝う
著者: 盛田常夫スキージャンプの小林選手がジャンプ週間で史上3人目のグランドスラム(4大会すべてで優勝)の快挙を達成した。日本国内ではジャンプ週間総合優勝が大きく取り上げられているが、欧州ではグランドスラム達成に沸いている。 スキー
本文を読むポピュリズムに傾斜する現代政治 -将来社会に大きな禍根を残す
著者: 盛田常夫ポピュリズムとは何か 一昔前まで、ポピュリズムとは中南米の政治経済的に不安定な発展途上国で、民衆の即時的要求を政治スローガンに掲げ、権力を奪取する政治手法を特徴づける用語として利用されていた。しかし、これをより一般化し
本文を読む難民・移民をめぐる左右のポピュリズム
著者: 盛田常夫ドイツの州議会選挙結果が教えていること 10月にドイツの2州で州議会選挙が行われた。10月14日のバイエルン州の議会選挙、10月28日のヘッセン州の議会選挙は、ともに類似した結果となった。バイエルン州の与党CSD(キリ
本文を読むハンガリーへの7条制裁を求める報告が可決
著者: 盛田常夫欧州議会決議-前例のない制裁決議 9月12日の欧州議会は、オランダの緑の党に属するオランダのサンジェルティーニ議員が提案したハンガリーへの制裁提案を可決した。欧州議会が加盟国の制裁提案を可決したのは初めてで、昨年12月
本文を読む勝負強さが戻って来た錦織、将来が期待できる大坂 -2018年全米オープンテニス選手権
著者: 盛田常夫前代未聞のゲーム喪失 全米女子シングルス決勝は騒然とした異様な雰囲気の中で、大坂が勝利した。第1セットを失ったセリーナ・ウィリアムズが第2セットで3回の警告を受け、闘わずして1ゲームを落とすという前代未聞の展開の中、1
本文を読む転機を迎えたEUの難民・移民政策
著者: 盛田常夫2015年に東地中海からマケドニア、セルビア、ハンガリーを越えて、大量の難民・移民がEU域内に押し寄せたことは記憶に新しい。2015年1年だけで、100万人を超える難民・移民がEU域内に流入した。 2015年9月、ハ
本文を読むサッカーW杯で考えたこと
著者: 盛田常夫予選リーグ3戦全敗を予想した評論家が多くいるなかで、決勝トーナメントに進んだ日本チームの健闘を称えたい。十分にW杯の醍醐味を味わわせてもらった。 予選リーグ最終対ポーランド戦の最後の10分間の球回しに多くの批判が寄せ
本文を読む私立大学における体育会権力(その2)
著者: 盛田常夫混迷する対応 日大アメフト事件をめぐる大学の対応は混迷の度を深めている。当然のことながら、当事者たちは問題の根源がどこにあるかを理解していない。体育会出身者たちのコメントも問題の核心を突いていない。なかには、「体育会活
本文を読む私立大学の体育会権力
著者: 盛田常夫教授会と体育会 大手の私立大学はどこも体育推薦入学制度を保持しており、大学の知名度を上げる手段となっている。人気がある野球やサッカー、あるいはラグビー、それから箱根駅伝などメディアへの露出度が高いスポーツは、推薦枠も大き
本文を読む政府と日銀を統合して考えれば、財政再建は完了しているという俗論 - 経済学の貧困と経済学者の劣化(その6)
著者: 盛田常夫アベノヨイショの「経済学者」のなかで、ひときわ声高で、激しくヨイショする御仁がいる。先般も、自民党推薦の公述人として、参議院の委員会で、「異次元金融緩和で財政再建は完成している」と言い切った奇人、高橋洋一その人である。
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