<体制移行と外来思想土着化の問題> Ⅰ.疑似民政から真の文民政府への移行をめざすなか、スーチー氏とNLDの急速な態度変化は、明治初期の自由民権運動がやがてナショナリズム(国権主義)に屈していく過程と二重写しになって見える
本文を読む野上俊明の執筆一覧
東洋的専制(オリエンタル・デスポティズム)はいまなお健在?
著者: 野上俊明<予備知識として> 1920年代、ソ連、中国、日本などの政界や学会で、植民地化される前のアジア諸国の国家・社会体制をどう理解するのかをめぐり、封建制か、奴隷制か、原始共産制か等々、激しい論争がありました。素人の私が一知半
本文を読む研究ノート/「人権と国情」―ロヒンギャ危機に即して考える(1)
著者: 野上俊明<人権をめぐる問題状況> ミャンマーの民主化ウオッチャーの端くれとして現地の政情にある程度通じているはずの私にとっても、ロヒンギャ危機をめぐるNLD政府や民主化勢力の対応には驚きの念を禁じ得ませんでした。8月25日からの
本文を読むロヒンギャ問題―国境なき医師団、衝撃の発表
著者: 野上俊明ミャンマー国軍は8/25以降の掃討作戦にともなう死亡者は430名(民間人は28名のみ!)として虐殺行為を否定してきたが、国境なき医師団Medecins Sans Frontieres (MSF) がそれを反証する調査結
本文を読む日馬富士問題に垣間見えるネオ・ナショナリズムの影
著者: 野上俊明東南アジア・南アジアの国々では、アイデンティティ政治と呼ばれる民族・宗教的な排外主義の流れが一段と強くなっています。インド、ミャンマー、インドネシア、スリランカ、バングラデッシュなどでは、外資の流れが堅調で経済的には良
本文を読むロヒンギャ問題についての若干の理論的考察
著者: 野上俊明ローマ法王の27日ミャンマー訪問・スーチー会談を前に決着を付けたかったのでしょうか、ミャンマーとバングラデッシュとの政府間で、ロヒンギャ帰還に向けた協定が成立したそうです。1992年に発効した協定を踏襲するものだとして
本文を読む宗教と性的搾取と男性優位社会
著者: 野上俊明イラワジ紙がしばらくの低迷(?)から脱し、息を吹き返したようにミャンマーではタブーに属する問題に切り込んでいます。イラワジ紙記者二人とフェミニズム活動家の鼎談で、宗教と性というデリケートな問題を扱っています(11/11
本文を読むロヒンギャ危機に潮目の変化か、イラワジ紙が社説 - 政府の責任で、安全な帰還と市民権を保障せよ -
著者: 野上俊明国連安全保障理事会は6日、ロヒンギャ難民問題について、ミャンマー政府に同州で行き過ぎた軍事力使用を抑制することを求める議長声明をまとめました。安保理は情勢を注視し続け、事務総長が30日後に現状報告するとしています。中国
本文を読むアウンサンスーチーとはいかなる政治家か
著者: 野上俊明https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2017/11/ba490d8af72093d0549df4a6e2ccef12.pdf 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://w
本文を読む総選挙の結果に想う
著者: 野上俊明我々にとってはショッキングな選挙結果でした。山尾スキャンダル~前原執行部・人事構想破綻~希望の党へ身売りという流れをみると、発端となった山尾議員の火(男)遊びが野党連携を壊し、安倍巨大一強体制をつくったといえます。なん
本文を読む10・9 平和を祈念する全宗派信徒のつどい、ヤンゴンで開催
著者: 野上俊明https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2017/10/3dc55948ec283e5fa6b787314a5af247.pdf 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://w
本文を読むロヒンギャ問題が炙りだしたもの ― ミャンマー政府の二重権力状況
著者: 野上俊明スーチー氏が諮問委員会の長に任命した前国連事務総長のコフィ・アナン氏はなかなかの人物と見えます。この人物を選んだということで、スーチー氏の国際的評価下落にいくらかの歯止めにはなったでしょう。スーチー氏の意図はともかく、
本文を読むスーチー氏悩ますロヒンギャ問題の政治的闇
著者: 野上俊明https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2017/10/7034e572af608ccfe61d03734686476b.pdf 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://w
本文を読む10/6 英紙ガーディアンの論説から Is Rohingya persecution caused by business interests rather than religion? ロヒンギャ迫害の背景に、宗教・民族的要素よりも経済的利害のより強い働きをみる
著者: 野上俊明筆者のサスキア・サッセンによれば、ロヒンギャ危機に対して宗教・民族紛争(コミュナル紛争)という言い方は事柄全体の一部しか言い表していない。紛争の背景にあり危機をつくりだしているのは、小土地所有の農民などから土地を強奪する
本文を読むミャンマー人のロヒンギャ排斥感情の底にあるもの
著者: 野上俊明私の所属する日本人とミャンマー人の合同の組織では、月一回の定例会を持ちます。先月の会議では期せずしてロヒンギャ問題が話題になりました。この問題では二年ほど前、ロヒンギャという用語をNHKが使っていることに抗議する声明に
本文を読むラカイン州難民問題―状況把握と問題整理のために
著者: 野上俊明半世紀に及ぶ軍人支配からの脱却が始まった2012年、南アジア・ベンガル湾部に特徴的とされたコミュナル紛争が、バングラデッシュと国境を分けるミャンマー・ラカイン州で大規模に再発し、死者約300名、焼失家屋約9000軒、12
本文を読むコミュナル紛争再考 ― 在日ミャンマー人の言説に触発されて
著者: 野上俊明ロヒンジャ問題が国際社会での重大イッシュ—化したためでしょう、日ごろ日本の市民社会向けに政治的な言説をあまりしない在日のミャンマー人の意見が、SNSに載るようになっています。それの最大公約数的意見は、ロヒンジャ問題には
本文を読むドイツの「緑の党」系日刊紙から 9/14
著者: 野上俊明https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2017/09/60a0d91aee7ded01a9c9f3b3385063fa.pdf 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://w
本文を読む防衛省の「日報」問題に過去の亡霊を見る
著者: 野上俊明フリージャーナリストから情報公開請求のあった自衛隊PKO派遣の「日報」について、はじめ「廃棄済み」としていたものが陸自に電子データで残されてことについて、その事実関係を公表するかどうか対応を協議する「緊急会議」が本年2
本文を読むNLD政府の反腐敗キャンペーン、および新党結成の動きについて(上)
著者: 野上俊明サプライズといっては失礼かもしれませんが、内部批判・自己批判の習慣のないようにみえたミャンマーの政治世界で、めずらしくも自分たちに厳しい方針提起が行われました。イラワジ紙によれば、6/24,25に開かれたNLD中央執行
本文を読む菅野完「日本会議の研究」 ― 68世代としての読み方 ―
著者: 野上俊明本書は刊行からすでに一年を経過しており、世評も定まっておりいまさら書評でもないでしょうから、世代的回顧の視点から若干の論評を試みることにします。 著者は本書を挙げて安倍内閣の憲法改正に収斂するウルトラ・ナショナリズム
本文を読む試論―野村野球とは何だったのか
著者: 野上俊明私は、野村克也は日本プロ野球界が生んだ不世出の監督のひとりだと思います。氏の野球理論は、「世事万般に通ずる」のであり、政治にすら適用可能なすぐれた普遍性を有しております。特に昨今若者たちのあいだでコンフォーミズム(体制
本文を読むイラワジ紙主筆、久々の論説から思うこと ― 外来と土着との相克と克服 ―
著者: 野上俊明<チョウゾワモー、久々に健筆をふるう> 亡命先のチェンマイで1992年に反体制新聞「イラワジ」(ビルマ語、英語)を立ち上げた88世代のアウンゾー(その後弟のチョウゾワモーが加わる)、軍部独裁時代からテインセイン政権時代
本文を読むS・ターネル氏のNLD政府弁護論に欠けるもの
著者: 野上俊明NLD政府成立から一年となるのを機に、政権実績の評価がいっせいに国内外のジャーナリズムでなされました。先に拙論でもふれたように、総じて、初の文民政府への期待感からすれば、その実績はひどく見劣りがするという点で一致してお
本文を読む民主化勢力の立て直しが急務 - 期待と失望のNLD政権 一年 -
著者: 野上俊明ほとんどあらゆる国内外のメディアは、スーチー政権のこの一年間の実績に対して厳しい評価を下しています。内戦終結のための和平交渉、宗教紛争―わけても国際社会から厳しい批判を浴びたロヒンジャ問題、一般国民の生活向上、言論の自
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (6)
著者: 野上俊明Ⅳ 社会活動家として東洋と西洋の統合を体現する マ・ティーダは医者であり小説家であり社会活動家であるという、ミャンマー民主化運動が生んだ多彩な側面を持つ稀有な人格です。医療技術を手に慈悲という東洋的ヒューマニズムに基づ
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (5)
著者: 野上俊明<試論的考察―マ・ティーダの生き方が示す四つの可能性> Ⅰ上座部仏教の可能性を拡げる マ・ティーダは、ミャンマー人の道徳的な基礎となっている戒律遵守※の首尾一貫した生き方を発展させる複数の方向性を示唆しています。※最も
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (4)
著者: 野上俊明<上座部仏教に由来する道徳的世界観―近代的世界観との比較> 前近代社会における世界観では、存在(何があるか ザイン)と価値規範(いかにあるべきか ゾレン)の区別がなく、すべて(自然、社会)が人間の価値観念によって浸潤さ
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (3)
著者: 野上俊明<ヴィパッサナー瞑想による解脱をめざして> 正直私は上座部仏教の信者でもありませんし、瞑想の何たるかも実際感覚としてよく分かりません。したがってマ・ティーダの瞑想法実践の適否も判断できません。ただ結果からみて、仏法への
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (2)
著者: 野上俊明<総選挙勝利と投獄> 1990年5月に実施された総選挙でNLDは圧勝しましたが(392/485議席)、軍事評議会SLORCは前言を翻して政権移譲を拒否、民主化勢力は徹底的に弾圧されて冬の時代に入ります。スーチー女史、テ
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