NLD政府成立から一年となるのを機に、政権実績の評価がいっせいに国内外のジャーナリズムでなされました。先に拙論でもふれたように、総じて、初の文民政府への期待感からすれば、その実績はひどく見劣りがするという点で一致してお
本文を読む野上俊明の執筆一覧
民主化勢力の立て直しが急務 - 期待と失望のNLD政権 一年 -
著者: 野上俊明ほとんどあらゆる国内外のメディアは、スーチー政権のこの一年間の実績に対して厳しい評価を下しています。内戦終結のための和平交渉、宗教紛争―わけても国際社会から厳しい批判を浴びたロヒンジャ問題、一般国民の生活向上、言論の自
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (6)
著者: 野上俊明Ⅳ 社会活動家として東洋と西洋の統合を体現する マ・ティーダは医者であり小説家であり社会活動家であるという、ミャンマー民主化運動が生んだ多彩な側面を持つ稀有な人格です。医療技術を手に慈悲という東洋的ヒューマニズムに基づ
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (5)
著者: 野上俊明<試論的考察―マ・ティーダの生き方が示す四つの可能性> Ⅰ上座部仏教の可能性を拡げる マ・ティーダは、ミャンマー人の道徳的な基礎となっている戒律遵守※の首尾一貫した生き方を発展させる複数の方向性を示唆しています。※最も
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (4)
著者: 野上俊明<上座部仏教に由来する道徳的世界観―近代的世界観との比較> 前近代社会における世界観では、存在(何があるか ザイン)と価値規範(いかにあるべきか ゾレン)の区別がなく、すべて(自然、社会)が人間の価値観念によって浸潤さ
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (3)
著者: 野上俊明<ヴィパッサナー瞑想による解脱をめざして> 正直私は上座部仏教の信者でもありませんし、瞑想の何たるかも実際感覚としてよく分かりません。したがってマ・ティーダの瞑想法実践の適否も判断できません。ただ結果からみて、仏法への
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (2)
著者: 野上俊明<総選挙勝利と投獄> 1990年5月に実施された総選挙でNLDは圧勝しましたが(392/485議席)、軍事評議会SLORCは前言を翻して政権移譲を拒否、民主化勢力は徹底的に弾圧されて冬の時代に入ります。スーチー女史、テ
本文を読むマ・ティーダの獄中記「良心の囚人*―インセイン刑務所を通じての私の歩み」を読んで (1)
著者: 野上俊明私たちが優れた政治的自伝に期待するものは、著者の功績がつまびらかになることはもちろんですが、それ以上に著者がどれだけ生きた時代の証言者になっているかということです。時代証言としての自伝の意義は、著者と同世代人に対しては
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