野上俊明の執筆一覧

ミャンマー、夜明けはそう遠くはない

著者: 野上俊明

 「1027作戦」以降の軍事情勢は、関係者のだれもが予想していなかったほどの急展開となった。20の町、300の軍事拠点制圧を可能ならしめたのは、なんといってもシャン州北東部を拠点とする三つの強力な武装組織が連携して作戦展

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Global Head Lines:圧政と闘うカンボジアの環境活動家たちについての海外論調

著者: 野上俊明

はじめに  以下の記事は、ドイツの日刊紙Taz.11/29のアジア版に載ったものである。2010年以降中国との関係をますます強め、開発援助や中国資本をバックに中国化=独裁化の色濃いカンボジアである。ミャンマーの古都マンダ

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【12月9日(土)】 第17回 ゴールデンバガン・ランチセミナーへのお誘い 〜ミャンマーの人たちとともに明るい未来を築くためにできること〜

著者: 野上俊明

 かつて私が「ミャンマー難民助け合いの会」で活動を共にし、その後ベストセラー作家になった藤由達蔵氏が運営するセミナーのお知らせです。今回みなさんを特別にお誘いするのは、ミャンマー民主化運動の担い手であるネイミョウジン氏と

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【12月23日(土)】第11回へーゲル研究会のお知らせ

著者: 野上俊明

前回のあらまし――市民社会における自由な経済活動は、抽象的人格と(私的)所有権をもとに成立しており、それを承認し法として効力あらしめるのが司法活動である、というのである。 以下は、少しバイアスがかかっているかもしれない、

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Global Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(13)

著者: 野上俊明

はじめに  書簡の主である、トルコ出身のアメリカの政治哲学者セイラ・ベンハビブの考え方に全面的に賛同しているわけではありません。二回にわたるインティファーダIntifadaとハマスの誕生の経緯を踏まえるとき、ハマスへの評

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Global Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(12)

著者: 野上俊明

はじめに  バイデン大統領は、ガザ紛争の解決の方向性を「パレスチナ国家とイスラエルの共存」にあると明言した。現在のアッバス議長をトップとするパレスチナ暫定自治政府のイニシアチブのもと、ヨルダン川西岸地域とガザ地域を統合し

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Global Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(10)――ドイツの日刊紙Tageszeitung 11/16の記事から

著者: 野上俊明

はじめに  今般のガザ紛争に際して、改めてイスラエル国民に対するある種の疑念を深くした。それはホロコーストという人類史規模での悲劇を経験した民族でありながら、どうしてパレスチナの人々の苦しみに平然としていられるのかという

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Global Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(9)

著者: 野上俊明

はじめに  筆者はこの間コメントした以上の知見は持ち合わせていないので、以下ガザ関連の3本の記事をそのまま紹介する。独仏では親パレスチナがストレートに出てこず、反・反ユダヤ主義に世論が収斂し、アラブ諸国では政府が官製に近

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Global Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(8)――ドイツの公共放送「ドイツの波」 Deutsche Welle 11/9の記事から

著者: 野上俊明

はじめに  11月初め、イスラエルはガザ地区に対しナチス張りの殲滅戦を推し進め、ガザ市民に日々大勢の犠牲者が生み出されている。中東をはじめ、欧米でも一般市民の間では、その政府とは違ってイスラエルの過剰防衛に反対の世論が高

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Global Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(7)――ドイツの左派系日刊紙Tageszeitung 11/3の特集記事から

著者: 野上俊明

 ホロコーストの記憶はどこへ行ったのか。ガザへの殲滅戦を仕掛けるイスラエル軍の攻撃が、多くの子供たちや民間人を巻き添えにしているのを見ると、イスラエルの恐るべき歴史健忘症に驚かざるを得えない。ハマス殲滅を怒号し、都市無差

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Global Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(6)――ドイツの左派系日刊紙Tageszeitung 10/31の特集記事から

著者: 野上俊明

 どう考えても、つまるところパレスチナ紛争には「オスロ合意」の精神である、イスラエルとパレスチナの「二国家間の平和共存」以外の解決法はないであろう。だとすれば、現に進行しつつある民族浄化の色さえ濃いガザ地区へのイスラエル

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Global Head Lines:李克強の死について―ドイツの左派系日刊紙Tageszeitung 10/27の記事から

著者: 野上俊明

 フルシチョフ失脚のときだったろうか、テレビを見ながら朝食をとっているとき、父が母に向かってこう言った。「ソ連はちょっと前までは、トップの政治家は生きて辞めることはできなかった」そして母は「恐ろしい国よね」と答えた。それ

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ミャンマー恒例の「タディンジュ(燈明)祭」―10/28,29,30―終わる

著者: 野上俊明

 10月の満月に合わせ、地上いたるところで燈明を照らし、天から降りてくる釈迦が道に迷わないようにするという。熱帯モンスーンによる雨季は、雨安居(うあんご)といって僧侶たちは外出せず、僧院でひたすら修行に打ち込む季節。しか

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Global Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(5)――ドイツの左派系日刊紙Tageszeitung 10/27の特集記事から

著者: 野上俊明

 イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ空爆により、子どもが3千人以上死亡するなか、国連総会(193カ国)は27日、緊急特別会合を開き、「敵対行為の停止につながる人道的休戦」を求める決議案を採択した。開票の内訳は、賛成がフ

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Global Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(4)――ドイツの左派系日刊紙Tageszeitung 10/20の特集記事から

著者: 野上俊明

 ウクライナ戦争においてもそうだったように、ガザ紛争においても左翼とリベラル内部で見解が分かれている。日本でそれほど目立たないのは、見解の相違が小さいからではなく、現実政治における党派的エネルギーと同様、論争するだけの知

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Global Head LINES:ガザ紛争についての海外論調(4)――ドイツの左派系週刊紙wochentaz 10/22の特集記事から

著者: 野上俊明

 たいていは数紙に過ぎないとはいえ、いつも欧米のクオリティ・ペーパーを見て感じるのは、日本に比べればまだ現場の直の声を伝えることに努めているということ。現場の声といっても、そこには何をどう伝えるかに関し取材者の意思が働い

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Global Head LINES:ガザ紛争についての海外論調(3)――ドイツの公共放送「DWドイツの波」10/19の特集記事から

著者: 野上俊明

 はじめに  右派ないし極右派に属するであろう二人の論客の論争が目に留まった。元大阪市長で弁護士の橋下徹氏と、アラブ・スクール出の元外交官で。現在キャノン系シンクタンク主幹を務める宮家邦彦氏との「内部」論争である(22日

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ミャンマー軍事政権、貧すれば鈍する ―海外出稼ぎ者からも強制徴税

著者: 野上俊明

 6月、米財務省はミャンマーの、国営の貿易決済銀行2行(MFTBとMCIB)に対する制裁を発動し、国営企業が海外口座を通じて国際金融システムにアクセスし、そこから軍事政権への資金を引き出すことを抑えこみ、かつロシアからの

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Global Head LINES:ガザ紛争についての海外論調(2)――ドイツの公共放送「DWドイツの波」10/15の特集記事から

著者: 野上俊明

 イスラエル軍のガザ侵攻を目前に、中東地域はもちろん世界が緊張状態に入りつつある。侵攻が始まれば、ジェノサイドは避けがたく、かつ紛争の中東全体への波及も懸念される。そうしたなか、中東情勢にとかく疎い我々には、地域情勢の複

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Global Head LINES:ガザ紛争についての海外論調――ドイツの公共放送「DWドイツの波」10/13の特集記事から

著者: 野上俊明

 中東諸国は、石油や天然ガスなどのエネルギーの供給源として、日本のいわば生殺与奪の権を握っているのであるが、しかしヨーロッパと違って、日本人は中東情勢にはとかく疎い。現在のガザ紛争における錯綜した利害関係諸国の相互関係を

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Global Head Lines:ドイツの日刊紙Tageszeitung10/13の中東危機への論評から

著者: 野上俊明

<はじめに>  リベラル派に属するTageszeitung(日刊紙という意味)であるが、10月13日の紙面のトップを飾っているのは、オンライン版のニュース担当責任者であるアリアーヌ・レンメ氏の筆になる「イスラエルへの攻撃

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ドイツ紙Tageszeitungが、アイヌ人歌手を紹介!

著者: 野上俊明

<まえおき>  日本のマスメディアでもなかなか取り上げられることのない、アイヌ文化。ドイツのメディアが、安東ウメ子というアイヌ歌謡の優れた歌い手を丁寧に紹介していることに驚いた。民族としての誇りを維持するために不可欠なの

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Global Head Lines:ウクライナ戦争についての海外論調から――左翼・リベラル内の亀裂を憂いて

著者: 野上俊明

 以下の文章は、9/24付ドイツの左翼系日刊紙Tageszeitungの週刊版wochentaz 掲載のインタビュー記事から採ったものである(ただし抄訳で、かつ機械翻訳をチェック、一部修正の上使用)。題して「NATOの東

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