――八ヶ岳山麓から(230)―― 中国では、近頃次期国務院総理候補だった重慶市の中国共産党書記・孫政才氏が罷免されました。代って重慶市党委書記となった陳敏爾氏、すでにその職に就いた蔡奇・北京市党委書記、応勇・上海市長らは
本文を読む阿部治平の執筆一覧
中国世論は北朝鮮をどうみているか、それは中共中央とどう違うか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(229)―― 北朝鮮の核・ミサイル開発にたいして、日米は中国に追加制裁を求めてきたが、中国は徹底した制裁には踏み切らなかったし、今後もこれ以上やる気はない。いまや米中合意の制裁方式が無力であることは、
本文を読む「自由」は反マルクス主義であり反革命である
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(228)―― ほとんどの中国人は、中国に劉曉波という人物がいて、08憲章なるものを起草して民主化を要求し、そのために投獄され、獄中でノーベル平和賞を受賞したことを知らない。その死は伝えられることはない
本文を読むこれは灯火が消える前の一瞬の輝きか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(227)―― 7月1日、経済学者張維迎氏は、北京大学国家発展研究院の卒業式で、教授陣を代表して「自由とは責任にほかならない」という表題の講演をおこなった。彼は自由を推進することの歴史的意義を強調して、
本文を読む青年の教養が向上しない本当の理由について
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(226)―― すでに2ケ月余り前になるが、文部科学省が小中学校の教員の勤務実態調査を公表した。10年前と比較して勤務時間が4時間から5時間余り長くなり、中学では週63時間18分だ。いわゆる「過労死ライ
本文を読む今年も「六四天安門事件」記念日がやってきた
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(225)―― このほど産経新聞は、1989年6月4日の中国天安門事件の記念日社説で、かの国の学生市民運動が苛烈な弾圧を受けた歴史をふりかえりつつ、彼らが要求した「民主」がいまだ実現せず、むしろ状況は悪
本文を読む北朝鮮制裁のゆきづまりと次に来るもの
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(224)―― 北朝鮮がミサイル発射実験を行うたびに、NHKをはじめテレビ各局は緊急速報を画面に流し、ニュースショーでは北の「挑発」を非難する。北朝鮮「専門家」も「挑発」とか「脅威」を声高に語る。 一例
本文を読む社会主義、こんなはずではなかったが
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(223)―― 中国の一瞬現れてはすぐに消されてしまうウェブサイト上で、中国の貧しい人々(原文「窮人」)の定義集を発見しました。原作者名がありません。 以前、「我々の父祖はこんな社会をつくるために、抗日
本文を読む習近平は北朝鮮の核ミサイル問題を解決できるか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(222)―― いいかげんな歴史認識 4月の米中会談のおり習近平中国主席はトランプ米大統領に、中国と韓国(コリア)の歴史について、「コリアは実は中国の一部だったことがある」と語ったと伝えられた(ウォール
本文を読む蛮族勇士著「特権階級の権力変化と権貴経済」を読む(下)
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(219)―― 第四世代の指導者 第四世代は胡錦涛と温家宝である。彼らは国家指導者としては極めて性能の劣るコンビであったが、権力相互牽制の原則は維持した。 胡錦濤は(徳目宣伝の)「八つの栄誉、八つの恥」
本文を読む蛮族勇士著「特権階級の権力変化と権貴経済」を読む(上)
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(218)―― 中国のインターネット上に「蛮族勇士」を名乗り、習近平政権を鋭く批判する論評が現れて久しい。とりわけ2016年9月指導部の経済運営を痛烈に批判する投稿は反響を呼んだ。景気減速の深刻な実態を
本文を読む「オオカミはなぜ草を食うようになったか」
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(217)―― <中国のネット上で、大変読まれている寓話を紹介します> 虎と豹と狼の故事 無名氏 ある日 ライオンが豹にオオカミ10頭の世話をさせ、餌の肉を分け
本文を読む中国共産党第19回全国代表大会はどんなものになるだろうか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(216)―― 中国では毎年開かれる全国人民代表大会(全人代)が終わった。秋には中国共産党第19回全国大会が開かれ、最高幹部が大幅に改選される。全人代での報告と討論をみて、党大会はどのようなものになるか
本文を読むこんなことばはいやだ
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(215)―― テレビと新聞・雑誌の中の気になることばについて書きたい。 中国に長いこと生活していて帰郷したものの、ひと気のないカラマツ林の中で一人暮らしをしている。先週は誰とも話をしなかった。こういう
本文を読むいいところもあるのだが ――日本共産党第27回大会決定についての感想
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(211)―― はじめに 共産党は、私がただひとつ応援している政党である。今は亡き親友のKは生涯をこの党のためにささげた。だから私はどうか頑張ってほしい、という思いで第27回党大会決定を読んだ。 だしぬ
本文を読む期待するがゆえに現状を悲しむ――日本共産党第27回大会決議案を読んで
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(206)―― 先日、日本共産党(以下、日共)の次期衆院選の候補者という女性が村の党員と、林の中の小宅まで挨拶にみえた。私はおおいに恐縮して5000円をカンパした。 そのあと、来年開催という「日共第27
本文を読む南シナ海国際仲裁裁定のもたらしたもの
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(204)―― 仲裁裁定のさわり 2016年7月、フィリピンが訴えた南シナ海紛争にかかわる仲裁裁判所の裁定が出た。スプラトリー(南沙)諸島には『島』は存在せず、あるのは『岩』と『低潮高地』だけである。中
本文を読むミャンマー東北国境地帯は第二のクリミアか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(196)―― スー・チー女史の訪中と武装勢力 8月17〜21日、ミャンマーのスー・チー国家顧問兼外相が中国を初めて公式訪問した。一連のニュースの中に経済と外交のほか、ミャンマー内戦に関するものがあった
本文を読む中国大漁船団押し寄せ事件 - もうひとつの見方
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(195)―― 東シナ海の緊張が高まっている。最近の状況は田畑光永さんが「新・管見中国(14)でくわしく論じているから、拙稿は二番煎じである。 パンチの応酬 メディアの報道からすれば、6月以来中国が一方
本文を読む南シナ海紛争から思うこと
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(194)―― 7月12日中国政府は、南シナ海紛争でのフィリピン側主張を全面的に認めた仲裁裁判所の裁定に対し、激しい反感を表明した。南シナ海全域を領土とする中国の主張に根拠はないという内容だから、メンツ
本文を読む中国では権力はどのように存在するか ― 中国烏坎村事件の顛末
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(193)―― 6月21日夜中国中央テレビ(CCTV)に、いかにも農民という様子の老人が登場して「下請け業者から大金の謝礼を受け取った」という罪の告白をした。この老人は広東省汕尾市管轄下の陸豊市近郊の烏
本文を読む霜を踏みて堅氷に至る ―― 習近平政権の言論統制
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(188)―― すでに1ヶ月以上前のことになってしまったが、習近平中国共産党総書記は新華社など大手メディアを訪問して、「メディアは党の喉と舌たれ」と発言し、あらためてメディアへの統制を強める姿勢を明ら
本文を読む六四・天安門事件記念日に想うこと
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(187)―― いまから27年前の1989年6月4日は、北京のまちに戦車が出動して、天安門を中心に東西長安街に集まっていた学生・市民に無差別射撃を加えた日である。 私は当時、埼玉県教委からの派遣教員とし
本文を読む私もひとこと
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(183)―― このたび米オバマ大統領がサミットに参加するついでに広島を訪問するという。日本政府は日米関係強化の機会として大歓迎である。私はオバマが広島を訪問するなら、原爆投下について直接言及し謝罪する
本文を読む「駄文」から見る舞台裏
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(182)―― 中国習近平国家主席は、去年中国共産党県クラスの幹部を集めた中央党学校第1回県委書記研修班受講生座談会で、「共産主義の理想実現は長い道のりである。だが、これを天空に浮かぶ蜃気楼のように考え
本文を読む文革思い出の断片
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(181)―― いままで何回か文化大革命について書いてきたが、なお言い残したことをいくらか語りたい。 私は1981年初めて中国へ行った。文革中も行きたかったが、日中友好協会だかに「文革支持」を誓わないと
本文を読む密告は習性なのか ― 中国の大学において教育・研究の発展を阻むもの
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(179)―― もう15年以上も前のこと、中国で日本語教師をやっていたとき、学生に「夏休みはどこへ行ったか」と聞かれて、「四川省甘孜チベット族自治州」と答えた。その日の夕方上司がおっとり刀でやってきて、
本文を読む文化大革命の思い出
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(178)―― 50年前、中国で文化大革命が始まると、在日華僑系の会社に勤めていた昔の友人は、文革反対を口にしたばかりにたちまち華僑青年の集団に囲まれ、ぶん殴られて最後は両腕をつかまれて階段から突き落と
本文を読む安保法制の発効の日
著者: 阿部治平かつて自民党独裁のマイナスが声高く叫ばれ、政権は野党に移った。だが民主党の政治はまるでしろうとで、政策を実現する強い信念もなく、官僚を動かす術策も持ち合わせず漂流し、国民の期待を徹底的に裏切った。 それかあらぬか、いま自
本文を読む日本にはジャーナリズムが存在するか ――八ヶ岳山麓から(177)――
著者: 阿部治平さる3月3日、高市早苗総務相は放送法4条をたてに「放送局の電波停止の可能性もある」と発言した。「行政が何度要請してもまったく改善しない放送局に、なんの対応もしないとは約束できない。将来にわたり可能性がまったくないとは言え
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