阿部治平の執筆一覧

混迷から抜け出せない ―最新の社会主義研究を読んで

著者: 阿部治平

―八ヶ岳山麓から(80)― むかし、私はマルクス主義のアホな信奉者であった。 ソ連のすばらしさを信じた時代があった。レーニンをあがめた。スターリン批判はあったが、彼がやった「大テロ」の半分も知らなかった。中国革命に感動し

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日本右傾化の根本原因――ある中国社会科学者の見方についての感想

著者: 阿部治平

―八ヶ岳山麓から(79)― 8・15敗戦記念日にかかわって、日本の右傾化の原因を追究する論文が「人民日報」の「人民網・日本語版」(2013・8・16)に掲載された。「日本政治右傾化の歴史的根本原因 単独占領と間接統治」で

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中国の党は党を浄化できるか――市場改革派呉敬璉教授の言説をめぐって

著者: 阿部治平

――八ヶ岳山麓から(57)―― 2012年大晦日、中国共産党政治局会議があった。会議は習近平総書記が司会をした。中央規律検査委員会の報告があり、そこでの習氏の指示。 ――新たな情勢のもと、反腐敗闘争の情勢は依然深刻である

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対米従属にどっぷり浸かって中国と対決することは可能か

著者: 阿部治平

――八ヶ岳山麓から(50)―― 10月末、中国に10日ほど滞在した。この間尖閣諸島の領有権をめぐってはテレビと新聞で厳しい日本批判をほとんど毎日見てきた。だが帰国して、あらためて日本のメディアも偏狭な民族主義を煽る傾向が

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中国との付き合い方はこれでいいのか  ―チベット高原の一隅にて(100)― 

著者: 阿部治平

半年ぶりに中国から帰国して日本のメディアに現れた中国像が自分の予想以上に悪いものになっているのに驚いた。中国批判がやたらに多い。論説や解説というよりは悪口雑言に及ぶものがある。内閣府の世論調査によると、中国に親近感を「感

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マスメディアはハーメルンの笛吹き男か ―チベット高原の一隅にて(94)―

著者: 阿部治平

日本ではもう旧聞かもしれないが、ついこの間まで日本からのネットニュースの中心は民主党の党首選挙、小沢一郎と菅直人との争いであった。目立ったのは大小メディアによる「小沢たたき」である。メディアは鳩山政権以来ずっと小沢を「政

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在華日系企業と日本人の運命について ――チベット高原の一隅にて(93)――

著者: 阿部治平

対中外交について、いささかの焦燥感に駆られて書きます。 仙谷官房長官は、9月13日に記者会見で、船長を除く乗組員14人と漁船を帰還させれば「違った状況が開けてくるのではないか」といった。だが、中国政府は態度を硬化させ、日

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葦の穴から祖国をのぞく ―チベット高原の一隅にて(91)―

著者: 阿部治平

9月7日、尖閣列島魚釣島付近の海域で海上保安庁巡視船による中国漁船拿捕事件があった。そして24日「日中関係を考慮して船長釈放」のニュースを見た。どうやら、謝罪と賠償を要求され、みっともない経過をたどっているらしいが仕方が

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東北チベットについてのある見解―チベット高原の一隅にて(84) 

著者: 阿部治平

            2年前、ラサを中心にチベット人地域の各地でチベット人の騒乱(3・14事件)があった。事件後、西寧の町から民族服と赤い僧服が目立って減り、チベット人に物を売らない店があったり、役所の手続きが後回しに

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(続々)あらためて問う、毛沢東とはなにものか ――チベット高原の一隅にて(83)――

著者: 阿部治平

この4月、北京の高校教師袁騰飛がネット授業で、毛沢東に対する批判を行ったため、毛沢東主義者(保守派=「左派」)をいたく刺激し、いまもネット上で激しい論争がおこなわれている。 袁は遠慮なく毛沢東をこき下ろしただけでなく、中

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