――八ヶ岳山麓から(443)―― チベット文学の専門家星泉先生から、ご自身翻訳の『しかばねの物語』(のら書店 2023・09)をいただいた。 『しかばねの物語』というから、死体について何かを語るのかと思ったら、死体が面
本文を読む阿部治平の執筆一覧
大清帝国の再現を夢見る中国
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(442)―― 8月28日、中国自然資源部(省)が、今年の新標準地図を発表した。これは従来の中国の地図と同じである。これにインド・ベトナム・フィリピン・マレーシア、それに日本など関係諸国がこぞって抗議
本文を読む今年も「9・18」―加害の歴史を忘れまい
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(441)―― 今年もまた9月18日がやってくる。満洲の荒野で犬死した従兄たちを思い出すつらい日だ。わたしは、この日を迎えるたび、何かをいわずにはいられない気持になる。以下、数年前にも同じことを書いた
本文を読む歪曲された歴史――『日本共産党の百年』の感想
著者: 阿部治平ーー八ヶ岳山麓から(440)ーー このたび日本共産党出版局から出版された 『日本共産党の百年』(以下『百年史』)をようやく入手することができた。専制主義的天皇制のもと、天皇制の打倒と労働者階級の解放とプロレタリア独裁を
本文を読む共産党は安全保障政策を変えたのか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(439)―― 今年2月、突如、日本共産党が新聞社説やSNSなどに登場した。共産党は衰弱の一途をたどり、この数年メディアに取り上げられることも少なくなっていたから、かなり驚いた。ことは、かもがわ出版編
本文を読む『セブンイヤーズ・イン・チベット』の裏側で
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(438)―― 毎回楽しみにしている横田喬氏の「世界のノンフィクション秀作を読む」シリーズがハインリヒ・ハーラ―の『チベットの七年』を取り上げてくださったので、チベット人地域で暮したものとしては大いに
本文を読む中国経済は「日本化=失われた30年」に陥るか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(437)―― 2022年、中国のGDPは約121兆元(2,300兆円余り)で日本の約4倍に達した。ところが、経済成長率は実質で対前年比3.0%増と前年(同8.4%増)を大幅に下回り、政府目標「5.5
本文を読む「岸田政権は台湾海峡で戦争をやるつもりか?」
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(436)―― 7月24日中国共産党人民日報傘下の国際紙「環球時報」に、激しい対日批判が登場した。「井野俊郎の挑発的発言には日本政府からの説明が必要だ」と題する社説である。 社説はまずこういう。
本文を読む「日本の対中国戦略は峻厳、中国は如何に対処するか」
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(435)―― 本稿は、6月30日に開催された人民日報国際版の「環球時報」研究院のテーマ別フォーラムでの講演記録に基づく。講演者は清華大学国際関係学系教授・劉江永、中国社会科学院日本研究所副所長・呂耀
本文を読む日本のNATOへの「準加盟」は危険な道ではないか
著者: 阿部治平―八ヶ岳山麓から(434)― 日本とNATOの急接近については、6月13日拙稿「八ヶ岳山麓から(429)」で書いたが、岸田首相は7月11,12日、リトアニアのビリニュスで開催されたNATO首脳会議に出席して、NATOと
本文を読む中国から見たインドのデジタル戦略
著者: 阿部治平‐―八ヶ岳山麓から(433)‐― 5月20日広島市で開かれたG7サミットで、インドのモディ首相はウクライナのゼレンスキー大統領と会談したが、中立的な姿勢を崩さなかった。ゼレンスキー氏が地雷の除去や移動式病院など支援の必
本文を読む海洋国家中国は日本の上に立つ
著者: 阿部治平ーー八ヶ岳山麓から(432)ーー 6月21日、人民日報国際版の環球時報は、「日本は『海での中国封じ込め』を実行すれば苦汁を飲むだろう」という論説を掲載しました。内容は今年4月末に岸田内閣が決定した「第4期 海洋基本計画
本文を読む習近平の父習仲勲はどんなひとだったか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(431)―― 中国牧畜民出身の男が40年前日本留学時代にわたしの学生になった縁で、中国からときどき読書感想を送ってくる。最近、中国共産党最高指導者習近平の父・習仲勲についてのノートが届いた。そこには
本文を読む「断親」現象にみるいまどきの中国の若者
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(430)―― 6月2日、人民日報の国際版「環球時報」が国内社会問題を取り上げた。中国でこのところ話題になっている「断親」現象である。 「断親(親族断絶)」とは、一口でいえば若者が肉親を含めた親族間の
本文を読む日本とNATOの接近を中国はどう見るか
著者: 阿部治平ーー八ヶ岳山麓から(429)ーー ウクライナ戦争勃発後、日本と北大西洋条約機構(NATO)の関係は密接さを増した。 それは今年に入って一層たかまった。 「昨年6月、日本の首相として初めてNATO首脳会議に出席した岸田文
本文を読む中国「環球時報」 台湾総統選挙を論じる
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(428)―― 台湾の最大野党・中国国民党は5月17日、来年1月13日の総統選挙の公認候補に侯友宜・新北市長(65)を指名した。すでに与党の民主進歩党(民進党)は頼清徳副総統(63)、第2野党の台湾民
本文を読む中国はロシア産石油のEUへの迂回流入をどう見ているか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(427)―― この4月初め、今年2月からロシア原産の石油製品がインドから欧州連合(EU)に輸入されていることが伝えられた。石油分析会社の調査によると、インドのロシア産原油輸入はこのところ連続増加し、イ
本文を読む中国から見たインドの人口増加
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(426)―― 国連の「世界人口推計2022」によると、ことし2023年には、インドが中国を抜いて世界最多の人口を擁する国となるという。中国の人口は2022年(7月1日時点)に14億2,589万人。こ
本文を読む中国が沖縄県議会意見書を支持する理由
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(425)―― (沖縄県議会)当山勝利県議ら県議団は4月25日、外務省に吉川ゆうみ外務政務官、内閣官房に出口和宏内閣審議官を訪ね、2月定例会で賛成多数により可決した対話と外交による他国との平和構築を求
本文を読む人工知能(AI)のもたらす「知能ギャップ」についての中国の主張
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(424)―― 4月21日、人民日報国際版の「環球時報」は、人工知能(AI)時代の「知能ギャップ」問題についての論評を掲載した。著者は李艶氏で、中国現代国際関係研究院傘下の中国科技与網絡安全研究所所長
本文を読む緊張緩和を望む中国?
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(423)―― G7広島サミットを前にして人民日報の国際版「環球時報」は、公式的ではあるが比較的冷静、穏健な調子のアメリカ批判の評論を掲載した。鄭帰初著「アメリカ、対中国政策の五つの『迷い』」という。
本文を読む放蕩無頼のダライ・ラマ!!
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(422)―― ダライ・ラマ六世の詩の日本語版が今枝由郎・海老原志穂共訳『ダライ・ラマ六世恋愛詩集』として岩波書店から出版された。これについて想い出を交えて少し述べたい。まず簡単にダライ・ラマについて
本文を読む希望がないソ連型社会主義、健在の西欧社会主義
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(421)―― 新しい高校指導要領の歴史科目に対応する「講座:わたしたちの歴史総合」(かもがわ出版)が出版された。わたしもその第5巻、久保亨著『戦争と社会主義を考える――世界大戦の世紀が残したもの』
本文を読む「善意」に満ちた共産党批判
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(420)―― 大塚茂樹著『「日本左翼史」に挑む――私の日本共産党論』(かもがわ出版)を読んだ。 まず本書にあるエピソードを紹介しましょう。かつての共産党指導者宮本顕治氏の業績を論じたなかでの話であ
本文を読む「アメリカは台湾を略取しようとしている」
著者: 阿部治平--八ヶ岳山麓から(419)-- 2月25日、人民日報国際版の環球時報は、「米台結託のさらなるレベルアップ、台湾島内は高度の警戒心を持て」という論評を掲載し、アメリカの台湾政策を痛烈に非難した。 直接には、米紙ウォー
本文を読む松竹除名に足を取られた共産党‐―友人へのメール
著者: 阿部治平--八ヶ岳山麓から(418)-- Y君へ 先日は凍みるなかの立ち話だったので、共産党の松竹信幸氏除名問題についてあまり詳しい話はできなかった。それであらためて、ぼくが松竹除名に抗議して「しんぶん赤旗」の購読をやめた理由
本文を読むロシアは中国人観光客を待っている?
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(417)―― ロシアがウクライナに侵攻してから、日米欧は経済制裁を科しているが、中国の対ロシア貿易は拡大しつづけている。中国は貿易拡大による日米欧の制裁を警戒しながら、ロシアと一定の距離を置いた関係
本文を読むひとり、またひとりといなくなる
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(416)―― 2月6日日本共産党が松竹伸幸氏を除名したことについて、私の感じたところを本ブログに書いたばかりであるが(「八ヶ岳山麓から415」)、おそらく次の標的にされるであろう鈴木元氏のこともここ
本文を読む自然死への道――共産党の論争(続)
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(415)―― 2月5日、信濃毎日新聞は、「共産党で22年間党首の座」「党員に公選制導入つきつけられ」「動揺隠せぬ志位氏」という見出しで、志位和夫委員長の困惑した表情と党千葉県委員会書記長のトイレ盗撮
本文を読む「わたしは共産党の党首になる!」――共産党の論争
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(414)―― 本ブログ1月31日の広原盛明さんの論評「トヨタ社長、豊田章男氏(66歳)から佐藤恒治氏(53歳)へサプライズ交代人事、志位和夫共産党委員長(68歳)はこの事態をどう受け止めるのだろうか
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