――八ヶ岳山麓から(354)―― 先日知人と日米開戦だの真珠湾爆撃だのを話していて、話題が「ノモンハン事件」に及ぶことがあった。私自身はこの「事件」をひと通り知っているつもりであったが、このとき、知人が紹介した本を自分
本文を読む阿部治平の執筆一覧
彭帥は性被害者か
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(353)―― 中国の最高級幹部・中国共産党政治局常務委員だった元副総理張高麗(75歳、2018年退職)と高名なテニスプレーヤー彭帥(35歳)をめぐるスキャンダルは、メディアの格好の材料となった。
本文を読む共産党は生き残れるか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(352)―― 前回私は、衆院総選挙をめぐって立憲民主党に対する批判と注文を述べた。今回はその日本共産党版である。 日本共産党志位委員長は、総選挙直後の同党国会議員団会議で概略こう述べた。 ――4
本文を読む日本人は立憲民主党ではなく、自民党を選んだ
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(351)―― 今回の衆議院議員選挙では、日本の有権者は政権交代を望まず、自民党政権の継続を選んだ。見聞きした限り、立憲民主党敗北の原因は共産党と組んだからだとする見方が有力のようである。 立憲民主党代
本文を読む都会の目、村の目
著者: 阿部治平ニホンジカ シカの害は年々ひどくなっている。 別荘地帯のカラマツ林のなかで、おとなの男が2,3人何か作業をしていた。見ると小鹿が罠にかかっている。暴れる小鹿を抑えているもの、罠を引っ張って足から外そうとしているもの
本文を読む19期六中全会の概略はどんなものか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(349)―― 中国共産党第19期中央委員会第6回全体会議(19期六中全会)は、2021年11月8日から11日まで北京で開催された。ここで新たな毛沢東と鄧小平の時代につぐ「歴史決議」が40年ぶりに採択
本文を読む絢爛たる紅葉の中で総選挙の結果をひとり考える
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(348) 自民党の総裁選からの短期決戦、奇襲戦法は効果あった!モリ・カケ・サクラもどっかへ行ってしまった! 今回の総選挙で野党共闘を応援するために、わたしも1万円を共産党に献金し、知人に支持を訴え
本文を読むモスクの破壊と「宗教中国化」について
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(347)―― 西日本新聞ネット(9月21日)にイスラム教寺院のミナレット(尖塔)と玉ねぎ型のドームが取り払われた奇妙な写真があった。 坂本信博記者によると、中国青海省西寧市の東関清真大寺は、「……背
本文を読む共産党の健闘のために
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(346)―― この20年間の革新・リベラル勢力の衰退、特に社会民主党の消滅は悲しい。今回の総選挙は、保守本流を自認する立憲民主党と共産党の「保革共闘」である。1960年代に社会党と共産党の革新連合政
本文を読む「台湾有事」批判論への批判
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(345)―― 2019年1月、習近平主席は包括的な台湾政策を示した。 「我々は武力行使の放棄を約束はしない。(台湾解放に)必要な措置一切を講じる選択肢を残しているが、対象としているのは外部勢力の干
本文を読む野党は「格差なき社会」の旗を振れ
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(344)―― 次期衆院総選挙で野党共闘は一時勝利の兆しが見えたが、新しく選ばれる総裁を担ぎまわる自民党に敗れるのは確実のようだ。せめて惨敗だけは避けてほしい。 安倍・菅政権は悪政と失政続きだったの
本文を読む日本の左翼は中国をどう見ているか
著者: 阿部治平マルクス経済学雑誌「経済」(9月号 新日本出版社)の特集「中国と日本」にはおおいに関心を持った。私は、自分をリベラル左翼だと思い込んでいるが、他の左翼の人々が中国をどう見ているか、できるだけ広く知りたかったからである。
本文を読む共産党の願いと現実について
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(342)―― 8月6日付の「しんぶん赤旗」の号外(?)が私の家にも配られた。 共産党志位和夫委員長の「パンデミックと日本共産党の真価」と題する共産党創立99周年記念講演を掲載したものである。氏は大
本文を読むやがて悲しきカタカナ語
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(340)―― 先日地球環境の問題を勉強しようと思って、いくつか単行本・評論の類を読んだ。いずれも英語あるいは他の外語で学術論文が書けるレベルの研究者の文章である。どの論文にも見たことのないカタカナ英
本文を読む斎藤幸平著『人新世の「資本論」』を読んで
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(339)―― いま評判の斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(集英社新書 2020・09)は、地球環境の破壊が回復不能の臨界点に近づいたこと、同時にその解決策として、150年前のカール・マルクス晩期の思
本文を読む枝野幸男『枝野ビジョン――支え合う日本』を読む(続)
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(338)―― 前回は、『枝野ビジョン――支え合う日本』のなかで、枝野氏が「保守とはなにか」を論じ、自ら「保守」と称していること、これに関連して小泉・安倍内閣以前の歴代の自民党内閣が「保守本流」であり
本文を読む枝野幸男著『枝野ビジョン--支えあう日本』を読む
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(337)―― いま日本の政治家の中で、「3・11」の教訓から社会保障、経済、外交・安全保障まで、しかるべき政策を一人で書き上げることのできる人は珍しい。一読して(口述筆記の感じもあるが)枝野氏のがん
本文を読む台湾有事をどう考えるべきか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(336)―― 5月3日、憲法記念日の「九条の会」の声明には次のような文言があった。 「……とりわけ重大なのは、(日米共同)声明が台湾有事に際しての米軍の軍事行動に対し武力行使を含めた日本の加担を約
本文を読むチベット動乱を語った小説を読む
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(335)―― 目が悪くてパソコンにも本にも触れられない日が続いたが、白内障の手術後、視力が少し回復したので、たまたま手元にあったツェワン・イシェ・ペンバ原作、星泉訳の『白い鶴よ、翼を貸しておくれ――
本文を読む僕らは理科が好きだった
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(334)―― この2、3年のうちにかなりの友人知人を失った。あるものは死に、あるものはぼけた。もうそういう年齢なのだ。いちばん衝撃的だ ったのは中学の恩師木船清先生の死だった。奥様から訃報を知らされ
本文を読む願わくは、野党議員が一人でも増えることを(続)
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(333)―― 参議院議員長野県区補欠選挙は明日(8日)告示される。長野県の地方紙「信濃毎日新聞」「長野日報」は、いずれも事実上の一騎打ちと伝えた。 信濃毎日新聞(信毎)は3月31日、「羽田氏先行、
本文を読む願わくは、野党議員が一人でも増えることを
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(332)―― まもなく4月8日告示、25日投開票の国政選挙が戦われる。現時点で選挙が行われるのは、収賄事件により吉川貴盛氏が議員辞職した衆議院北海道2区、新型コロナで羽田雄一郎氏が死去した参議院長野
本文を読むワクチン、治療薬、そしてオリンピックをめぐる雑感
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(331)―― まずワクチンについて テドロス世界保健機構(WHO)事務局長によれば、世界のワクチン供給は、世界人口の16%にすぎない富裕国が全体の60%を購入しているのに対し、ほとんどの低所得国には
本文を読む「中国の夢」は何を夢見ているか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(330)―― 先にジャーナリストの池上彰氏とマルクス主義研究者の的場昭弘氏の対談集『今こそ「社会主義」』(朝日新書)の社会主義論を紹介した。お二人の話は多岐にわたり、面白いところもいっぱいあったが、
本文を読むいまこそ「社会主義」と煽られても
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(329)―― 高名なジャーナリスト池上彰氏とマルクス主義研究者として知られる的場昭弘氏の対談による、『いまこそ「社会主義」 混迷する世界を読み解く補助線』という題名の本を読んだ(朝日新聞出版 202
本文を読む主体性なきアメリカ依存では
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(328)―― 日本政府は、菅義偉首相と次期米大統領バイデン氏との初の首脳会談で、共同声明に「米国の核兵器で日本の防衛に当たること」を明記するよう求める方向で調整に入ったという(産経2021・1・4)
本文を読む社会主義は未来像にはなりえない
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(327)―― 毎年12月になると東欧諸国に続いてソ連が瓦解した、あの冬のことを思い出す。1991年12月、ロシア・ウクライナ・ベラルーシの首脳がソ連から脱退して独立国家共同体を設立すると宣言し、ソ連を
本文を読む野党共闘の安全保障政策について
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(326)―― 10月19日、共産党の人に誘われて、岡谷市まで共産党の街頭演説を聞きに行ってきた。6年前、やはり亡友に誘われて共産党の衆院選演説会に行ったことがある。そのときは私の質問に対して共産党の候
本文を読む中国の実力はアメリカを凌駕しているかもしれない
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(325)―― 最近ガンと一発やられることがあった。「日本人の世界経済観は1990年代の時点で止まっている」という文言を見たときのことである。これは2018年度秋学期に東京大学駒場キャンパスで開催された
本文を読む行政エリートと教育現場のゆきちがいについて
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(324)―― 前川喜平・寺脇研の『これからの日本、これからの教育』(ちくま新書 2017)という本を読んだ(対談なので以下「対談集」という)。 前川氏は文部科学省OBへの再就職斡旋問題で文科省次官を引
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