――八ヶ岳山麓から(261)―― このたびの朝鮮半島南北首脳会談と米朝首脳会談については、本ブログ上でもすでに伊藤力司・広原盛明両氏の論評があり、私などが何かいうことはないと思うが、すこし意見を述べたい。 朝鮮半島の最悪
本文を読む阿部治平の執筆一覧
お百姓さん、ご苦労さん
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(260)―― 私の村は5月の最後の土・日が田植の最盛期だった。 田植機がしずかに苗を植えていくのを見ながら、思いだした歌がある。 〇蓑着て笠着て鍬持って お百姓さん、ご苦労さん 今年も豊年満作で お米
本文を読む習近平講話のなかのマルクス主義
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(259)―― 5月4日、中国共産党の習近平総書記(国家主席)は、カール・マルクス生誕200年を記念する大会で「重要講話」を行なった。5月5日の「新華ネット」は、これを「マルクスの『一生』」「マルクス主
本文を読む護憲、わが悩み知りたもう?
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(258)―― カラマツ林の中で一人暮しをしているから、たまには人さまの意見を聞かなければなるまいと思って、憲法9条擁護の集会に出た。憲法の学習会、座談会にも出た。村の人とも話合った。ここ1、2週間の間
本文を読むダライ・ラマ14世はなぜインドに行ったか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(257)―― 読者から「ダライ・ラマはなぜインドに亡命したか」というメールをいただきました。この質問には、ダライ・ラマがどうして亡命するようなはめに陥ったか、亡命先がなぜインドだったかという二つの内容
本文を読む転生ラマは本物といえるのか――ダライ・ラマの後継者
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(256)―― チベット仏教の頂点にあるダライ・ラマ14世の後継者問題についての報道が目立つようになった。 朝日新聞は、3月7日にチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相が「年内に高僧による会議を開き、後
本文を読む『食いつめものブルース』――上海の貧乏物語を読む
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(255)―― むずかしいことや怒りたくなることをやさしく、深刻な問題をおもしろく書いた本である。舞台は上海、爆買いとも反日とも無縁な出稼ぎ中国人の生活記録。 副題は「3億人の中国農民工」(日経BP 2
本文を読む一切の束縛から自由な、ただ一人の人の誕生
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(253)―― 2月に開かれた中国共産党中央委員会は、3月の全国人民代表大会(全人代)に、これまで国家主席の任期を2期10年までとしていた憲法上の規定を廃止する旨の提案をした。 注)全人代はよく国会とい
本文を読む大中華民族の形成は可能か――ラサ「暴動」10周年
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(252)―― 毎年3月に入ると、中国のチベット人地域は至るところ警察と武装警察と軍隊だらけの戒厳状態になる。今年もそうだろう。10年前の2008年北京オリンピックの5ヶ月前、3月14日ラサで大きな「暴
本文を読むあるチベット人僧侶の物語
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(251)―― 中国青海省チベット人地域の学校で日本語を教えたとき、学生から「アジャ・ゲゲンの消息を知っているか」とよく聞かれた。「知らない」と答えると誰もがひどくがっかりした。 学生の話では、アジャ・
本文を読む中国とどう向きあうか ―― 護憲勢力の落し穴
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(250)―― 日本はこのままでは改憲に進む。 世論調査のたび、安倍政権のもとでの改憲に反対というひとは多数を占めるが、護憲世論は決して安定した多数ではない。先の総選挙では集団的自衛権に反対する衆議院議
本文を読む『レーニン伝』を読む
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(249)―― ロシア革命の指導者レーニンの伝記は数多くある。 最近刊行された一冊、ヴィクター・セベスチェン著(三浦元博・横山司訳)『レーニン 権力と愛』(白水社 2017)は、そのあまたある「レーニン
本文を読む最近の習近平政権論をよむ
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(248)―― 中国関係の本はだいたい中国の悪口だ。しかもやたらに多い。こう多くてはなにを読んでいいかわからない。新聞の書評にとりあげられたのを買って「だまされた!」と思うことがときどきある。 『習近平
本文を読む大いなる護憲運動よ、起これ
著者: 阿部治平―八ヶ岳山麓から(247)―― 安倍晋三首相の年頭のことばを読むと、今年は何がなんでも憲法改定発議をやる構えです。去年の暮れ、自民党の憲法改正推進本部が改憲4項目の「論点取りまとめ」を公表しました。そのうちもっとも重要な
本文を読む「中国は法治社会か」
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(246)―― 中国湖南省長沙の裁判所は12月26日、国家政権転覆扇動罪などに問われた人権派弁護士、謝陽氏に刑事処罰免除の判決を言い渡した。謝氏が罪を認めていることや、社会への危害の程度が低いことを理由
本文を読む中国に傾斜するネパール
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(245)―― ネパールの国政選挙は11月26日と12月7日に投票、12月13日現在下院選の結果がほぼ確定しました。統一共産党(UML)と共産党毛沢東主義派(マオイスト)が主導する共産系諸派同盟は、10
本文を読むミャンマーを手中におさめようとする中国
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(244)―― この秋、ミャンマー・ラカイン州をおもな居住区とする20万とか50万というロヒンギャ人が、同じムスリムの隣国バングラデシュに逃れました。もともと130万くらいしかない民族だから、国連は前例
本文を読む中国こそ世界最大の民主国家である?
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(243)―― 中国共産党の理論誌「求是」の最新号に、「中国こそ世界最大の民主国家である」と題する論文が載りました。著者は北京外国語大学党委書記の韓震。韓氏は教育部(日本の文科省)中国特色社会主義理論体
本文を読むわが青春のロシア革命 ―― 老いさらばえて思うこと
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(242)―― 「ロシア革命」はわが20代の憧れであった。レーニンを尊敬してやまなかった。 西ヨーロッパでは1990年前後のソ連東欧瓦解後、各国共産党は名称や路線を変え、あるものは衰弱した。日本共産党(
本文を読む護憲の中身を決めるときがきた
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(241)―― 2017年衆院選では、急ごしらえの立憲民主党が気を吐いたけれども、護憲・リベラルとでもいうべき「立憲民主党+共産党+社民党と市民連合」は3分の1に至らず惨敗となった。今後、安倍晋三氏率い
本文を読む習近平思想とは何か
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(240)―― 中国共産党第19回大会が終った。 習近平総書記(国家主席)は18日の報告で、「中国の特色ある社会主義は新時代に入った」と宣言し、3年後の2020年には「小康(ややゆとりのある)社会」を実
本文を読む日本への恨み考 ― 「満州事変を忘れるな」の補遺
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(239) ―― 先月のことだが、産経新聞に概略次のような記事があった。 9月22日、河南省鄭州大学で行われた就職説明会で、通信機器メーカーの小米科技(シャオミ)の幹部社員が、「英語やアラビア語を勉強し
本文を読む選挙が終わって日が暮れて
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(238)―― 総選挙の結果は、立憲民主党がひとり躍進したが、護憲・リベラル派全体では3分の1を取れなかった。特に共産党の比例区は半減した。敗北というほかない。 長野県の小選挙区は全国情勢とは異なり、与
本文を読む地理学者駒井正一先生を記念する
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(237)―― このほど思いがけなく、東京大学出版会の元編集者渡邊勲さんから「自著を語る」という原稿を求められた。渡邊さんが面倒を見て出版した本の著者たちに、自著を語らせてそれを本にするというのである
本文を読む「満洲事変」を忘れるな
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(236)―― また9月18日がやってきた。この日を迎えるたび、何かをいわずにはいられない気持ちでいっぱいになる。 「国民政府軍と中国共産党=紅軍との対決が激烈になりつつあった1931年9月18日夜半、
本文を読む効目のない国連決議、危機を深める安倍従属外交
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(235)―― わたしが思うに、戦争抑止力とは相手国に攻撃意図をもたせないことである。非軍事手段では相手国との交渉を通して信頼関係を構築し、戦争開始を企図するほどの敵意をやわらげること、軍事的には侵略の
本文を読む中印国境は緊張している
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(234)―― 8月半ば、北京の友人が「中印国境では、我国とインドとの本格戦争の恐れがあるが、日本ではどう見ているか」といってきた。日本では小さいニュースだったが、中国ではメディアがかなり緊張を煽ってい
本文を読む民進党代表選挙に望むこと
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(233)―― 民進党の代表選挙がはじまった。だが、8月22日の共同記者会見はあまりぱっとしなかった。 枝野、前原両氏とも自民党とここが違うというところをどーんと前面に出して論戦するという姿勢がなかった
本文を読む中国にも「正論」はある、ただ民衆のものになっていないだけだ
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(232)―― はじめに 中国では人文系社会科学系の学者は、たいてい中国共産党の召使にされてしまいました。それでも骨のある人はいます。「物言う経営者」として著名な大手不動産会社の任志強が「(メディアが党
本文を読む似非毛沢東への道
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(231)―― この秋の中国共産党19回大会の最大の見どころは、党規約が改定され、毛沢東以来の党主席制が復活して習近平がその座にすわれるかどうかである。 毛沢東の専制政治がいくたびもの悲劇を生んだ反省と
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