<はじめに> 1945年5月29日、ドイツの無条件降伏のすぐあとに、国民的作家トーマス・マンは、亡命先のアメリカで――と言っても1944年に帰化している――「ドイツとドイツ人」と題する講演をおこないました。英語での講演と
本文を読むトーマス・マンの執筆一覧
二十世紀文学の名作に触れる(12) 『魔の山』のトーマス・マン――反ファシズムを貫いた文学精神
著者: 横田 喬近代ドイツが生んだ大作家トーマス・マンは、戦後の日本の作家たちに少なからぬ影響を及ぼした。私は新聞記者当時にそれを北杜夫さんや辻邦生さんらから直接耳にしているが、それ以外にも愛好者は多かったようだ。マンの文学作品の主人
本文を読む二十世紀文学の名作に触れる(11) トーマス・マンの『魔の山』――ドイツが世界に贈った人生の指南書
著者: 横田 喬今回取り上げる小説『魔の山』は岩波文庫版(訳:関泰裕・望月市恵)で(上)(下)二巻、計千百余頁にも及ぶ大冊だ。おどろおどろしい表題が祟ってか、長い間、私の家の書架で積ん読状態のままだった。1929年にノーベル文学賞を受
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