「スナ」さんとは? いったいどんな人物だろう。「辺見庸ブログ」によく登場する。とても気になる存在なのだ。 40歳前の独身男性か。「けふも一生懸命はたらいている」。ときおり、辺見さんの部屋をおとずれては、ケーキやアイス
本文を読む辺見庸の執筆一覧
リハビリ日記Ⅳ ⑰⑱
著者: 阿部浪子⑰辺見庸と編集者 米津海岸に沿ってサザンカ通りが東西にのびている。年末のこと。その通りを姪の運転でとおりすぎた。赤い花たちがつぎつぎと目にとびこんでくる。だが、さほどうつくしいとは思わなかった。サザンカの花は、民家の垣
本文を読む書評 『純粋な幸福』辺見庸・著 毎日新聞出版・刊
著者: 阿部浪子辺見庸の詩文集『純粋な幸福』(毎日新聞出版)は、著者の才能と努力のみごとな開花にちがいない。読後、わたしは、鮮烈な印象をうけたのである。 作家、辺見庸の感覚のすべてが、全開している。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、とりわけ嗅
本文を読む辺見庸Ⅳ―わたしの気になる人⑭
著者: 阿部浪子辺見庸が地下鉄サリン事件の被害者を救助した体験に、わたしは心から注目したい。単に美談としてではない。1995年3月20日、東京の神谷町駅でのことだ。ほとんどの通勤客は、被害者たちをまたぐようにして職場へ急いだ。辺見庸も
本文を読むリハビリ日記Ⅲ ⑰⑱
著者: 阿部浪子⑰テレビ出演した辺見庸 庭のウメのつぼみが、2つほころんだ。コケの生えた老木に楚々と咲いた。たしか昨年も、この木から開花したはずだ。地面には、スイセンが凛と咲いている。どちらも、浜松特有の強風にたえつつ、春のおとずれの
本文を読む辺見庸Ⅲ―わたしの気になる人⑬
著者: 阿部浪子耳を澄ませば、くつの足音がする。辺見庸のエッセイ集を読みすすめれば、その足音はしだいに高く、高く聞こえてくるのである。 2001(平成13)年3月、辺見庸のエッセイ集『眼の探索』は、文庫化されている。この角川文庫を、
本文を読む辺見庸Ⅱ―わたしの気になる人⑩
著者: 阿部浪子「辺見庸ブログ」が11月10日から再開した。「私事片々」の写真は、またも、あざやかだ。さまざまな、空のいろと雲のかたちに、かすかに陽が差している。私たちに何かを問うてくる。訴えかけてもくる。 とりわけ、わたしは「日録1
本文を読む『愛と痛み 死刑をめぐって』辺見庸・著 毎日新聞社・刊
著者: 阿部浪子なぜ考えようとしないのか。著者、辺見庸氏は、個をなくし世間に埋没して生きる私たちの日常の怠惰を、激しくたたいてくる。個がないところに愛はありえないと言う。 著者は、脳障害で入院中に愛と痛みについて思いをめぐらし、無価
本文を読む辺見庸―わたしの気になる人⑥
著者: 阿部浪子作家の辺見庸氏は、クリームパンがお好きなようだ。「辺見庸ブログ」からは、そう見えてくる。わたしは毎日、辺見庸のブログは読んでいる。机上のパソコンを開けば、さっと目に飛びこんでくるのが、あざやかな花たちの姿だ。高く伸びた
本文を読む書評 「詩文集 生首」 辺見庸・著 毎日新聞社・刊
著者: 阿部浪子「まなかいをかすめて/青く吹きわたる風の/その根は/そちらにわたらないと/視えはしない」。このような詩句をふくむ、46編の詩文集からは、悲しみがそくそくと伝わってくる。それが過ぎると怒りの心情が。著者の「際限もなくあさ
本文を読む