5「裏切り」 章が卒業すると、章一は小学校に入学した。 章は卒業と同時に鍼灸師の養成学校に進学する予定であった。だが、章一の 「パパはいつも家にいないから、つまらない。」 と言う言葉が、彼の脳裏を掠める。だから、せ
本文を読む三木由和の執筆一覧
小説:やっさいもっさい(4)
著者: 三木由和4「40代の高校生」 ある日、歩行訓練をしている若い男の子に話しかけられた。背の高い、体格のいい青年である。 「北島先生。先生この前の日曜日に、ダイエーで買い物しているところ、見かけましたよ!奥さん、凄く綺麗な人ですねぇ
本文を読む小説:やっさいもっさい(3)
著者: 三木由和3「結婚」 医院長室を出ると金澤は章を住まいへと案内してくれた。その貸家に行くには門から左へ行き、次の信号を左、さらに50m進み民家と民家に挟まれた幅1mもない路地を左へ折れた。ここに入ると道は砂利道になる。ザクザク言
本文を読む小説:やっさいもっさい(2)
著者: 三木由和2「引き抜き」 章の気持ちは日が経つごとに、明確になって行くのが自分で、自分でもはっきりと分かる。ちょうど1月が過ぎたある日の晩である。約束通り、電話の呼び鈴が鳴った。 「はい、北島です。」 金澤だった。 「あぁ
本文を読む小説:やっさいもっさい(1)
著者: 三木由和あらすじ 北島章は弱視障害者、彼は努力してマッサージ師になった。やがて引き抜かれ、木更津に行き、別嬪の妻との間に男の子を授かる。さらに奮起し、夜間高校に通い卒業後、鍼灸師を目指し、夢は独立開業であった。何とか高校を卒業
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