本記事は他紙への掲載のため、著者より削除依頼がありましたので、運営委員会で検討の結果、削除することと致しました。<2015年9月9日 ちきゅう座> 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza
本文を読む宮内広利の執筆一覧
書評 『戦後日本の大衆文化史』 鶴見俊輔著
著者: 宮内広利本記事は他紙への掲載のため、著者より削除依頼がありましたので、運営委員会で検討の結果、削除することと致しました。<2015年9月9日 ちきゅう座> 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.c
本文を読む書評 1960年とくらべて
著者: 宮内広利3.11東日本大震災によって麻痺し壊されたもの、そしてその後の状況をとおしてはっきりわかったことは、現在のすべての言語思想(行為)は、「肉体」をとおしてしか表現できないことである。この場合、「肉体」というのは孤独な「私」
本文を読む書評 戦後意識の芽ばえから
著者: 宮内広利表現行為そのものには、自らの内面に沈潜すればするほど、外面に向かって拡散してしまう逆説が秘められている。この逆説は、「私的感性・意志」のあり方と結びつけて考えるとき、はじめて戦後のナショナリズムの動向は、いままでとはまる
本文を読む書評 戦前の「非合法」性
著者: 宮内広利仲正昌樹は、『日本とドイツの二つの戦後思想』という本の中で、第二次世界大戦に対する責任のとり方に言及して、ホロコーストなど大悪事を犯し、周りの国々から徹底的にその責任を追及されたため、戦後、ことの善悪を深くわきまえて、内
本文を読む書評 戦後意識の変兆
著者: 宮内広利≪いわば、丸山(丸山真男)や大塚(大塚久雄)が「近代」という言葉で述べていたものは、西欧の近代そのものではなかった。それは、悲惨な戦争体験の反動として夢見られた理想の人間像を、西欧思想の言葉を借りて表現する試みであった。
本文を読む書評 戦後の気分と自由
著者: 宮内広利1960年代後半の日大闘争や東大闘争を頂点とする学生運動の根源に伏在していたのは、学生の非定型なエネルギーであった。その非定型な運動というのは、平和と民主主義を実現するための闘いでもなく、経済的理由その他もろもろの理由づ
本文を読む書評 日常性の現在
著者: 宮内広利ここ十数年の社会の変化は、日常生活意識の変兆にはじまって、家族、職域、地域、果ては政治状況まで、断面をどこで拡大しても、人々の意識、感性、生活様式の深奥にまで垂鉛をのばし、わたしたちを従来とは全く異質な社会的環境の土台に
本文を読む書評 3.11後の視線
著者: 宮内広利わたしは3.11の東日本大震災の前後で戦後史を塗り替える必要があるとおもう。ここにきて、ようやく、わが国の戦後が到達した世界像について、3.11の後からみればどう見えるかということが課題になったとおもえるからだ。そのよう
本文を読む書評 「近代の超克」論議
著者: 宮内広利太平洋戦争の開始からほぼ1年たった昭和17年9月、雑誌『文学界』に『近代の超克』と銘打たれたシンポジウムが掲載された。この「近代の超克」という言葉は、それ以後、知識人をとらえ、シンボルとして使われるようになる。保田与重郎
本文を読む書評 倫理と支配の根拠
著者: 宮内広利わたしたちのかつての共同体の倫理は、ときに軋みや異和を発して、ともすれば、なだらかな発生の神話をつき崩そうとする。『古事記』神話の中ではじめて「罪」という概念が登場するのは、スサノオが高天原(タカマガハラ)から二度の追放
本文を読む書評 概念は壊せるのだろうか
著者: 宮内広利わたしたちは、ときに、言語の沈黙と肉体の沈黙とはどちらが重いのだろうと考えることがある。これは心と言語の距離と心と肉体の距離のどちらが長いかという設問に言い換えることもできる。肉体の沈黙の方が比重や密度が大きいとしている
本文を読む書評 『歎異抄』を読む➄
著者: 宮内広利鎌倉仏教の祖、法然の浄土門の教えは、なにより、仏門の大衆化と民主化だったとおもえる。鎌倉仏教といわれる法然以下、一遍、道元、日蓮、栄西らはだれも、多かれ少なかれ仏教の大衆化をもとめたのである。平安仏教である天台宗や真言宗
本文を読む書評 『共同幻想論』 吉本隆明著
著者: 宮内広利普段、死は、人間の死への対面によってよりあからさまに、かつ重層的に出現する。つまり、死は、生とのコントラストにおいて、生に侵蝕し、言語の逸脱や越境をまねきよせる。わたしたちが、ありふれた思想に納得してしまうのは、親離れ
本文を読む書評 ベンヤミンとマルクス
著者: 宮内広利生きた言語とは何か、というより、言語の生死という問いかけがあるとしたら、それは何を根拠にし、わたしたちをどこへ向かわせるのか。概念なるものは脱概念というところから逆にたどることもできる。もし、概念をぼやけさせることがで
本文を読む書評 『閉ざされた言語空間』 江藤淳著
著者: 宮内広利わたしたちは、戦後体験の意味するところを、敗戦によって求心するシンボルをなくしたナショナリズムの行方の問題として、私的感性・意志の横への拡散化の過程ととらえてきた。その意味からいうと、敗戦はまちがいなく、日本人すべての胸
本文を読む書評 『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治著
著者: 宮内広利宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読むと、学問とは何か、宗教とは何かを死の底に触れるような場所から教えてくれる場面にでくわす。宮沢賢治があたかも死という背景の中に浮かんだところから、人間がものを考えることは一体何なのかを問い
本文を読む書評 『歎異抄』を読む④
著者: 宮内広利親鸞における「信」と「不信」の隙間は、いわば、紙一重である。親鸞にとって「信」は、「信」と「不信」とを同時に見渡すことのできる視界を獲得していたからだ。そこからみると、「信」と「不信」は「知」と「愚」とともに全く等価に
本文を読む書評 『歎異抄』を読む③
著者: 宮内広利死と鼻をつきあわせたような生活状態に投げこまれた衆生に対面して、どんな理念が衆生を救済できるかという親鸞の答えは、どんなにかかわっても人が救済される保証は得られないという絶望が先にあった。人々は、生きているあいだ救済さ
本文を読む書評 『歎異抄』を読む②
著者: 宮内広利親鸞の時代は天災による飢餓や貧困、病苦、戦乱によって、いわば死が日常化していた。それは、たとえば、念仏を称える間もなく急死する人々にとって、往生するための念仏は一声でよいのかという、一見、矮小といってもよい問いかけだが
本文を読む書評 『ハイ・イメージ論』 吉本隆明著
著者: 宮内広利≪価値は自然の手段や道具としての有用な変更でもたらされるもので、価値の普遍性は役にたつ交換によってたもたれるとかんがえる『資本論』のマルクスの価値概念には、いつももの足りなさがつきまとう。素材や物体のさまざまな形態として
本文を読む書評 『歎異抄』を読む①
著者: 宮内広利親鸞の教えは、四十八願をたて修行を実践して仏となった阿弥陀仏が、極楽浄土を建立し、念仏という名号を衆生に与えたことにはじまるとされている。親鸞によれば、弥陀仏の本願によって救われるのは老若男女を問わない。また、善人や悪
本文を読む書評 イメージとしての敗戦
著者: 宮内広利ひとがあるイメージを好きであったり嫌いであったりすることの意味はなんだろう、というような任意の設問をたててみる。そうすると、そのイメージに込められた人々の体験やこころの起伏によりそって、変化や屈折がプリズムのように放射
本文を読む書評 神話の解体=福音書
著者: 宮内広利人間の生来の悲劇をさぐりあてたかのようなバタイユの考え方にとっては、「最高存在」の子であるイエス・キリストが肉体をもって実在した人物であったかどうかということは、とりたてて意味をもたない。イエス・キリストが実在しなかっ
本文を読む書評 カミとアニミズム
著者: 宮内広利岩田慶治はアニミズム世界と空海の密教世界が似かよっていると指摘している。アニミズムとは自然の万物のうちにひそむ精霊をカミとして信じている人間の状態である。その世界では鳥や獣や河川の中に精霊がひそんでおり(擬人化)、自分
本文を読む書評 失墜した社会主義
著者: 宮内広利マルクスが『共産党宣言』において示した「私有財産の廃止」というスローガンは、あたかも国家的所有に受け取られかねない、とても誤解されやすい言い廻しである。この言葉とともに、共産主義者の任務である①土地所有を収奪する②強度
本文を読む書評 知の宗教
著者: 宮内広利20世紀最大の思想的事件はマルクス主義の解体であった。わたしたちは、1989年のベルリンの壁の崩壊やソ連邦の崩壊を体験したが、そのときの「あっけなさ」の感慨を忘れることができない。まさにそのためにこそ闘ってきたと信じてき
本文を読む書評 欠如のない時代の方角
著者: 宮内広利3.11前でさえ、あまりに速い世相の移り替わりなのに、停滞感がぬぐえないのはなぜだろうとおもってきた。誰もが自意識が総敗北をしているのではないかというような焦りを抱いていたのだ。しかし、このような思想状況は、わが国だけ
本文を読む書評 風景としての空海
著者: 宮内広利わが国に仏教が輸入されてそれほど時間がたっていない頃、学問重視の奈良仏教に対する真言密教の祖、空海の反抗は、自然との格闘の思想に深くかかわっている。仏教は紀元前5世紀頃にインドの釈迦が広めたことになっているのだが、その
本文を読む書評 シャーマニズムの思考論
著者: 宮内広利樋口清之の『卑弥呼と邪馬台国の謎』の中のシャーマニズムの解説を読むと、シャーマンの神憑りにはある階梯(ステップ)があることが想定されている。 ① 太鼓、笛、鈴などの楽器を奏しながら単調なテンポで踊ることで、自己陶酔から
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