NHKの偏向が目に余る!黙っているわけにはいかない!
- 2020年 11月 17日
- 評論・紹介・意見
- NHK内野光子
近年のNHKの、とくに報道番組は、政府寄りの編成・内容となり、その偏向が著しく、見苦しいの一言に尽きる。その編成ぶりは、視聴者にはわからないように、たくみに政府のプラス情報を繋げていくので、「“神”対応」とまで、言われているそうだ。最近、このNHKに対する抗議活動のいくつかに参加したので、報告しておきたい。
1.10月26日、森下NHK経営委員長の義務違反究明を求める請願の提出集会に参加しました
10月19日、当ブログ記事でも紹介した上記のような請願提出のための院内集会に参加した。「かんぽ不正販売」について報道したNHK「クローズアップ現代+」〈2018年4月24日〉に、当時の森下俊三経営委員長代理は石原経営委員長と共に、放送法に反して番組の取材や内容に介入し、続編の放送を中止させた上、当時の上田NHK会長に厳重注意をした。それに至る経営委員会議事録を公開せず、経営委員長となった現在も、放送法に定められた議事録の公表を拒み、職務上の義務違反が続いている。森下経営委員長を衆参両院に参考人として招致して、職務上重大な義務違反を究明するよう求める請願を紹介議員に提出するにあたっての集会だった。
紹介議員に手渡すべく、揃えた請願書、衆・参各2200件を超えた
経営委員会の番組介入は、表現の自由を奪い、「クローズアップ現代+」の続編は、約一年後に放映されたが、その間もかんぽの不正販売は続けられ、多くの被害者を出しているので、番組を中止させた責任は大きいといわなければならない。
請願者は2200名を超えたという。新聞社も数社取材に来ていた。この日の集会には、立憲、社会、共産党の紹介議員のうち、立憲、共産党から各2名、4人の議員のスピーチ、メディアの研究者、元NHK職員、弁護士、視聴者団体代表、郵政労働者ユニオン委員長など多彩な世話人たちのリレートークからは、それぞれの立場からの熱い思いが伝わってくる、充実した集会となった。
とくに、メディア出身の杉尾秀哉参議院議員、総務委員会のメンバーである本村伸子衆議院議員、郵政ユニオンの日巻委員長はじめ、登壇の方々のスピーチは、政府介入阻止の熱い思いにあふれていた。
集会の全容は、ユーチューブで見ることができる 。
https://www.youtube.com/watch?v=8JP4CxG3qv0&feature=youtu.be
2.11月10日、放送法違反を重ねる森下NHK経営委員長は、即刻辞任せよ、NHK放送センター西口アピール行動
これには参加できなかったが、経営委員会が開かれる時間に合わせてのセンターで出入りの職員、関係者へのビラ配りとリレートークがなされたという。その様子は以下の動画で見ることができる。宣伝カーからのスピーチは、10月26日と重なる人もいたが、その声は、経営委員たちに届いただろうか。
https://www.youtube.com/watch?v=zg9UUrPRxOY
3.11月12日、NHK<放送法遵守義務確認集団訴訟>奈良地裁判決報告集会に参加しました
この裁判は、2015年、NHKの番組が放送法第4条で定められている「政治的に公平であること」、「報道は事実を曲げないこと」、「意見が対立する問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」などから著しく逸脱しているとして、受信料支払いを凍結していた奈良県の一視聴者への簡易裁判所から支払い督促が来たことが端緒であった。その<NHK奈良受信料請求事件>を引き継ぐ、住民約120人による<放送法遵守義務確認集団訴訟>では、つぎの主張がなされた。
・NHKは受信契約に基づき放送法を守る義務を負っている
・受信料は「有償双務契約」であり、放送法が守られる放送への対価である
原告側の口頭弁論は十数回に及んだが、これに対し被告(NHK)は、具体的な反論を一切行わず、訴訟要件が欠けるため却下されるべきとの主張だけを続けてきた。 そして、この日の法廷へは、密を避けるため31人しか入れなかったので、夫は、支援の方の好意で入れたが、私は外で待機していた。あたま撮りのメディアの人たちが出てきたと思ったら、すぐに傍聴の人たちも出てきたのである。主文の読み上げは数十秒のことであったらしい。奈良地裁の判決は、放送法を守る義務の有無の確認を求めた請求を却下、さらに、放送を遵守しない番組による精神的苦痛にかかる損害賠償請求を棄却するものだった。弁護団の方たちは、判決文の分析に入り、私たちは、地裁近くの会場に移動、原告や支援者の方たちからは、5年間の裁判の歩みをはじめ活動報告がなされた。20分ほどで、分析を終えた弁護団が駆け付け、辰巳創史弁護士からの解説がなされた。私の理解ながら判決理由は、以下のようであった。
①ある放送の内容が法4条1項1号ないし4号に抵触するものであるか否かを裁判所が判断することができないとはいえないし、司法審査に適しないということもできない
②放送内容に関する義務は「一般的抽象的義務」にとどまり、個別の視聴者に負う義務ではない
①により、これまでのNHKの主張を崩した判決になり、<却下><棄却>判決の中で、唯一の成果であったという。ただ、②の放送法における放送内容に関する義務が「一般的抽象的義務」で個別の視聴者に負う義務ではないというのは、どういうことなのか、理解に苦しむ。判決理由の本文には、視聴者一人ひとりの価値判断が異なるのだから、いちいちその義務には応えられないということが述べられているようなのだが、受信契約は、個人とNHKの対価を伴う双務契約なのだから、放送法の義務は、当然個人にも及ぶのではないか。
佐藤真理弁護団長は、ただちに大阪高裁への控訴に向けて始動すると力強く語っていた。
なお、この裁判の詳しい経過は、以下「NHK問題を考える奈良の会」のホームページをご覧ください。
https://nhkmondai-naranokai.com/
猿沢の池近くのホテルから奈良地裁に向かう途中、こんな光景に出会う。近鉄タクシーの運転手さんは、降りてきて手で追い払っていたが、動こうとしない、この表情が何とも言えない。その後どうなったのかな
初出:「内野光子のブログ」2020.11.17より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2020/11/post-16696f.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion10292:201117〕
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