SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】496 国連はグッドオフィスか?カラオケか?
- 2022年 9月 25日
- 評論・紹介・意見
- サハラ国連平田伊都子西サハラ
2022年9月13日に<グッドオフィス>がオープンし、呼び物の<国連総会一般討論演説>が始まりました。 <グッドオフィス>とは、チャバ・コロシ国連総会議長やアントニオ・グテーレス国連事務総長や国連関係者が国連につけた自称です。
日本の内閣総理大臣殿は現地時間の9月20日夜、32番目に登場しました。
① <She has a good body> :
2022年9月21日午前(日本時間)、岸田文雄内閣総理大臣殿の第77回国連総会一般討論演説を勉強しようと、PBSアメリカ公共放送の実況中継にアクセスした。現地は夜も遅かったし、議長席にはグテーレス国連事務総長もコロシ第77回国連総会議長もおらず、代理の者2名が岸田総理を紹介した。大きな女性にエスコートされた岸田総理は演壇に上がり、二言三言私語があって、日本語で演説を始めた。長年外務大臣を務めていた岸田総理にとって国連は古巣のようなものかな?などと勝手に想像しながら英語の同時通訳を聞きながら、ふと、英語の字幕に目をやったら、、<She has a good body (彼女って、いい体してる>?!? 岸田総理はそんなこと言ってないし、同時通訳の英語も違う、、
天下の一大事! それから岸田総理の日本語演説を聞きながら、英語同時通訳を聞きな
がら、全編に流れた字幕の単語を拾っていった。
Shibuya(渋谷?)、Chicago(シカゴ?)、Ebola(エボラ熱?)、Angel(天使?)、
She has a good body (彼女って、いい体してる?)、Nipple kows (乳首が知ってる?)、Sorry (ゴメン?)、Jesus Africa Kneel (イエスはアフリカに跪く?)、Who knows this game ?(誰にこのゲームが分かるのか?)、l need a crew (乗組員が必要だ=まったく、お手上げ!)、、、
Hi Hi Hi (ヒ、ヒ、ヒ=へ。へ、へ=ハイ、ハイ、ハイ)などなど、、
ショルツ・ドイツ首相の演説もやられた。
21日の夕刻、もう一度<面白字幕>を確認しようとPBSーTVを開いたら、字幕はきれいな英訳に直されていた。
誰だ?こんな悪さをしたのは?? 予想がつく方、教えてください。
② 岸田文雄内閣総理大臣、第77回国連総会一般討論演説の抜粋:
岸田文雄内閣総理大臣の第77回国連総会一般討論演説は、ロシア批判をベースにし、真っ当な言葉で綴られていた。僭越ながら西サハラの独立運動を助ける言葉を抜き出し、再構成してみた。岸田総理の崇高な未来志向が削がれていないことを願いつつ、「議長、ご列席の皆様、 今我々は、歴史的な分水嶺に立っています。
国連憲章の理念及び原則に賛同しているからこそ、我々はこの議場に集っています。加盟国が団結して平和と安全を維持し、全ての人が経済的・社会的に発展する国際社会の実現、それこそが我々が目指す姿ではないでしょうか。法の支配に根付いた国際秩序が維持されることが不可欠です。国連はそうした秩序形成に中核的な役割を担ってきました。
国連は、大国のためにあるのではない。、、力を有し、声の大きな国の主張だけでなく、届きにくい、しかし正当な声を実現するために存在するのです。
世界各地で既存の国際秩序が試練にさらされている今こそ、国連憲章の理念と原則に立ち戻り、国際社会における法の支配に基づく国際秩序の徹底のため力と英知を結集する時です、、交渉なくして改革なし。様々な立場は、交渉なくして妥協も収れんもない、、
国際法に基づいた法の支配を強化していくことが、長期的に見れば、全ての国に裨益(ひえき)し、持続的な成長と健全な国際社会の発展につながります、、日本は来年1月から、安全保障理事会の非常任理事国となります。大きな声だけでなく小さな声にも真摯に耳を傾けながら、国際社会における法の支配を強化するべく行動する考えです。
議長、ご列席の皆様
歴史の分水嶺に立つ今だからこそ、日本は、国連に対する強い期待を持ち続けます。時代は変われど、変わらないもの。それは国連の理念と原則です。私は、その確信を持って、みなさんと共に国連の強化に向けた道のりを歩んでいく決意であります。
御清聴、ありがとうございました」
西サハラはまさに、<国連憲章の理念及と原則>に則り、国連安保理決議による平和的解決を目指し、<大きな声ではなく小さな正当な声>で、国連が指導する両当事者の平和交渉を訴えてきた。1975年からモロッコの占領下にあり、1991年に国連が<国連西サハラ人民投票>を提案して以来31年間、投票日を待ち続けている。
③ 西サハラの民族自決権を支持する国々が国連一般討論演説でアピール:
2022年9月13日、モロッコ外務省が、「国王陛下の手紙を受けて、ウィリアム・ルト・ケニア新大統領はSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)の国家承認をやめた」と発表した。驚いたのは当のSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)政府だった。その新大統領の就任式に正式招待されたブラヒム・ガリSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)が、ケニア空港に到着したばかりだったからだ。9月19日、ケニア外務省は新大統領になっても引き続きSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)を国家承認し、西サハラの民族自決権を支持するという声明を出した。途端に、モロッコ外務省は黙った。モロッコ内外にいる御用メデイアも、謝罪の一言もなく記事を消した。
ケニア新大統領の就任式に正式招待されたブラヒム:ガリ西サハラ難民大統領(右)、
迎えるウィリアム・ルト・ケニア新大統領
南米ペルーでは、日系フジモリ元大統領の娘を破ってペドロ・カスティージョ新大統領が誕生した。かってモロッコは、ペルーに入国しようとする西サハラ大使を、パスポート・コントロールで外交ビザを持っていないと因縁をつけて、阻止したことがある。大統領として初の国連総会一般討論演説で、「国連安保理は、速やかに両当事者の再交渉を設定し停戦をさせるべきだ。21世紀の今も地民地支配下で苦しむ西サハラの人々が、国連主導の独立を達成させるよう、後押しを続けていく」と、ペドロ・ペルー大統領は西サハラにエールを送った。
中南米諸国では、ペルーに続いてキューバやベネズエラが、西サハラの民族自決権を支持し、一日も早いモロッコと西サハラの国連交渉再開を促した。これらの国々は、岸田総理が言うところの<小さい声>に当たり、ぜひ、<耳を傾け>て欲しい。
アフリカ諸国では、南アフリカのナレディ・パンドール外務大臣が「世界から植民地を一掃するという国連総会決議に従って、我々はアフリカ最後の植民地西サハラの脱植民地を目指す」と、西サハラ支持を強調した。ハーゲ・ガインゴブ・ナミビア大統領は「国連は。国連自身が提案した西サハラ紛争解決策に対し、まったく行動を起こしていない」と、批難し、早急の和平解決交渉を促した。
モロッコはヒューヨーク国連本部やジューネーブ国連などで、アルジェリアに対して、アルジェリア西部で庇護している西サハラ難民の追放を迫った。「アルジェリアは難民キャンプの子供たちを軍事訓練し、テロリスト養成をしている」と、捏造した証拠で非難した。
モロッコの時も所も構わずのテロリスト呼ばわりに堪忍袋の緒が切れたアルジェリアは。9月22日、国連総会にモロッコの憎悪犯罪を告発した。そして、「西サハラの人々が国連総会決議1514と1541に則って、自由で公正な<国連西サハラ人民投票>で脱植民地化を達成するまで、アルジェリアは支援を続ける」と、明言した。
第77回国連総会一般討論は、現地時間の9月26日(日本時間9月27日)まで続くそうです。 大会議場では、世界各国の首脳級が練り上げた演説を次々に披露します。
題目にある<討論>は?、ありません。 演説の独演です。
国連はグッドオフィスか?カラオケか?で、意見が分かれています。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
SYoutubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2022年9月25日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion12407:220925〕
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