経産省前脱原発テント座り込み日誌4月27日版
- 2023年 5月 1日
- 時代をみる
- 木村雅英経産省前テントひろば
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年4月27日は、座り込み4,247日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 今日は文科省前に高校生が沢山集まっていた 4月21日(金)
今日は4月だというのに、朝から26℃もある。真夏日だそうだ。台車の荷台にテントグッズを山積みにして
西新橋事務所を出る。途中、氷を買うためにコンビニに寄るが、氷はいつもの所にない。急な暑さのためか、店でも用意をしていない模様だ。今日は、雨は降らないようであるが、この暑さには閉口する。パラソルの下に入り、直射日光を遮るしかない。座り込みを開始したが、目の前の通行人も、半袖とか上着を脱いで歩く人が多い。午後3時から国葬反対の記者会見があると言うので、WさんやMさんやSさんが出かけて行った。テントひろばは一時ひっそりしたが、後半の人々が来たりして、賑やかさは取り戻した。私は午後4時をめどに文科省抗議に移動した。
文科省前に行くと高校生たちが一杯集まっている。十条の高校生や神奈川の高校生たちだ。いつもの人数ではない。1000人を超える人たちが集まって来たのではないか。今日は1948年にあった阪神教育闘争(サイーサ)の日を祈念する金曜行動日だ。戦後、間もない頃、当時のGHQと日本政府が民族教育を認めず、学校閉鎖令を出し、全国至る所にあった国語教習所(後の朝鮮学校)を武力で閉鎖し弾圧した。当然にも在日朝鮮人の抗議行動は続く。その過程で当時、中学生であった、金太一少年が、警察官の放った銃弾に後頭部を撃たれ殺害された。その日が4月24日であり、今日は一番近い金曜日である。日本人は知らなくても在日の人々は忘れもしない日である。
高校生のマイクアピールは、どの子も堂々として力強いものであった。民族の言葉や、文化を学ぶ場所か、学校である。戦前、植民地時代日本にやって来た朝鮮人が日本に残らざるを得なかった人たちが約60万人いたが、我が子に奪われた言葉や文化を取り戻そうと作った国語教習所が始まりとなっている。当時の政府もそうであるが、現在の政府も朝鮮学校を潰そうとしている。官製ヘイトである。高校無償化から排除すること12年、日本政府の朝鮮人差別は未だに続いている。(S・S)
◎「GX束ね法」案反対、ドイツを見習え 4月21日(金)
文科省前から沢山の高校生の声が聞こえてきた、朝鮮学校差別反対の行動。午後5時から経産省抗議行動。私(K.M)から、今週のGX推進反対の行動、規制委抗議行動、東電と共に脱原発をめざす会の会議で、イチエフのサブドレインから毎日300~1000立法メートル吸い上げられた水も放射能汚染されており、本当に浄化して濃度を下げて、海洋に流しているのか、コリンコバヤシさんの「国際原子力ロビーの犯罪」の話、など。
田中一郎さんが、イチエフの水は堀で地下水流入を止めないといけない、汚染水海洋放出がゼネコンの食い物になっているのでは、電力システム開発の問題(最後は金、原発にこだわって失敗)と訴え、古賀茂明さんの週刊朝日記事を紹介し、競争を拒否する電力会社、電事連の電力カルテル、まやかしの業務改善命令、公取委が電力カルテルを糾弾。
Okさんが、青田恵子さんの東電福島原発事故時の為に犬と引き裂かれた詩。そう、人間だけでなく犬や猫も多くの動物も犠牲に。
火炎瓶テツさんが、「GXって何だ」と、GX推進反対のコール、脱原発、核廃絶。Moさんの「座込め、ここへ」と「ああ、福島」。
千葉勝郎さんが、「女川原発は崩壊寸前でした。設計段階で東北電力の技術者が『嵩上げを10mしないと津波に耐えられない』と主張したおかげで、10m嵩上げが出来たが、その技術者は首になったそうです。311の時、あと1m、津波が高ければ、津波に飲み込まれるところでした。女川原発で働いている人の話では、311地震の揺れで、大中小配管の溶接にヒビが入り、汚染水で床に水浸しになって、その改修に4年近くかかったそうです。女川原発も、まさに福島原発事故寸前の危機だったのです。地震大国日本では原発稼働は危険なので、即廃止をしないといけない。原発からの半径200キロ以内は人が住めなくなるので、国家崩壊になります。福島県は癌が異常に増えています。チェルノブイリでは『住めない放射能レベル』なのに、その『住めない放射能レベル』で、日本政府は、帰還を勧めている。異常な経産省です。原発予算に毎年1兆円の国費を出している。天下り官僚の美味しい予算です。日本の地熱発電は、60年前から岩手山の北に地熱発電所を作って、フィンランドなどに地熱発電技術を輸出したが、現在日本では、ほとんど地熱発電所を作らない。異常です。島国日本は、海流発電などの自然エネルギーなどに開発予算を付けて、エネルギー政策の展開を図るべきです」と述べた。
GX推進法案が参議院で、束ね法案が衆議院の3つの委員会で審議している中で、Ogさんが原発を使い続ける愚かさを訴え、連続行動(議員会館前、原子力規制委員会前、25日夕の議員会館前行動)の案内。K.Mから再稼働阻止全国ネットワークの院内ヒアリング集会(4月24日夕、5月8日午後)の案内。最後に脱原発、再稼働反対、運転延長反対、脱原発を訴えるコールのあと、多くの方は首相官邸前に移動し原発いらない金曜行動に参加。(K.M)
◎ 耐え難い日本の社会(人道と正義の不在) 4月22日(土)
・耐え難い人道と正義の不在
今に始まったことではないが、今、国会に政府が提出した法案は偽装法案ばかりだ。あたかも改善するかのように偽装しているが、GX推進法案、入管法改悪案、健康保険証廃止、インボイス制度など、あまりに見え透いている。うまく隠れたつもりだろうが、ビルの後ろにしゃがんだゴジラのごとく凶暴な尻尾が見えている。
法を破るより悪いのは悪法を作ること。それ以上に悪いのは、無関心・無知、そして騙されることだ。騙された人にも責任がある。(O・O)
◎ 日本人は何をやってもムダと観念している 4月22日(日)
今日の座り込み参加者は、累計11人。晴れて日差しは暑いが、空気は涼しく、過ごしやすい。霞が関の辺りは、ツツジが満開。サツキもつぼみが出てきた。
今日のアピール用グッズは横断幕4枚に、のぼり旗9本。先週と並び日曜最大級。今は、それでもいいが、暑くなって座り込む場所を正門前から、木陰のある敷地の角地へと移動すると、鉄筋を打ち込んでグッズを固定する方式は使えない。背後の植え込みは経産省の敷地なので、何か物を置くと警備員がすっ飛んで来る。自称「原子力ガリレオ」の藤原節男さんは、どう知恵を絞るか。
乱鬼龍さんが、自身の陳述書を座り込みメンバーに配る。次の金曜の4月28日には、アベ国葬裁判の期日がある。乱さんは原告の1人で、28日に意見陳述する予定だったが、陳述は延期になったとのこと。明日昼に韓国から抗議団が来て、経産省と東電に、汚染水放出への抗議行動を行うとのこと。乱さんは、日曜座り込みメンバーにも参加が呼びかけた。この問題は海外でも関心が高い。そう言えば311の東電抗議にも香港のメディアが取材に来ていた。抗議曲「水に流すな」ではないが、岸田首相には国際社会に恥じない対応をして頂きたい。
久々に上村さんが来た。彼は汚染水放出を、「水で薄めた俺のオシッコを飲んでみろ」と揶揄する冗談好きな人物だが、たまには、いいことも言う。フランスのストを指して、「日本との違いは、やれば変わるという実績。日本人は何をやってもムダと観念している」と指摘。毎週、藤原節男さんは、「座り込みに来てくれる人のお昼ご飯になれば」と、手製のおにぎり、ゆで卵を持参してくれて、大変助かっている。そのおにぎりが品切れになる程、今日は賑やかな座り込みだった。ちなみに来週はテント句会あり。(M島)
◎ 韓国からの抗議に無礼に対応をする経産省 4月24日(月)
4月22日(土)にテントメールが来て「4月24日(月)に、韓国からの人々が、国・東電が計画している原発汚染水の海洋投棄に反対して、経産省に抗議に来るので対応して欲しい」とのこと。相棒のSaさんに電話して、今日は、午前11時に事務所で待ち合わせ。直ぐにグッズを積んで経産省前に行く。座り込み準備をしていたら韓国の人々も到着(新聞記者を含めて10人ほど)したので、名刺交換して抗議体制を確認。
事前に経産省には「抗議の書簡を持っていくから担当者が受け取るよう」と連絡していたが、担当者が出てこないので、12時から抗議開始。シュプレヒコール―「海は人類共同の未来だ」「日本政府は福島原発汚染水の海洋投棄計画を撤回せよ」「韓国国民は福島原発汚染水の海洋投棄計画に反対する」、これを日韓両国民30名ほどで連呼した。この間にも経産省の担当者に電話したが、応答せず。
最後に抗議書簡を『経済産業省』と刻まれた石台座の上に置いて、市民団体は次の抗議先である東電に向かった。そうしたら直ぐにガードマンが出てきて、抗議書簡を排除しようとしたので、残っていた人が抗議して止めさせた。手続きを踏んで抗議の意思を伝えようとしたにもかかわらず無視した経産省の非礼の証しとして、我々が撤収するまで通行人が目撃することになった。我々が撤収した後、ガードマンが担当者の所に持って行ったことでしょう。
そのあと行った東電では、担当者が3人も出てきて丁寧に応対したので、抗議のシュプレヒコールをする必要もなく、短時間に終わったそうです。これが当然の対応!
経産省のやり方が、如何に非礼であるか、わかると思う。これを目撃した新聞記者が大いに記事を書いて、反対運動が更に盛り上がって行くでしょう。我々も呼応して頑張って反対していきましょう。緊急にもかかわらず集まって頂いた皆さん、ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。 (保)
◎ 脱炭酸ガス社会口実の原発推進の欺瞞に目を向けよ 4月25日(火)
地元で朝の一仕事を終えて、事務所に行くとSさんが福島行動隊のニュースの作成をしていた。Sさん達は2011年の原発事故直後から福島現地に通って、救援行動を続けてきた。最近の現地での様子を記したニュース原稿をSさんに見せてもらう。しかし印刷機不具合で、Yさんが電話で修理を依頼することになった。
座り込みを始めた直後にやってきた方が、いくつもの脱原発プラカードを足元に並べて通行人への訴えを始めた。国会では、衆議院の経産委員会の審議が山場に来ている。GX実行推進を狙う西村経産大臣は、有権者、とりわけ福島原発事故被災者の意向を無視して、原発推進を狙う関係省庁のみとの「連携」を強調しながら、国会審議を押し進めて、GX法案を強引に成立させようとしている。
いま政府がやるべきことは、2011年311の原発事故を繰り返さないために、ドイツに続いて「脱原発」を実現すること。私たちは「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行」を口実とした原発推進路線を何としても阻止しなければ。午後の経産省前の天気は下り坂で、午後2時前に雨がパラパラと降りはじめた。(EO)
◎ 国会は入菅法改悪法案の採決が間近 4月25日(火)
今日後半は薄暗くて寒くて、経産省前は、やや静かでした。しかし、外務省前での集会の声が長く響いていましたし、国会議員会館前は、とても賑やかだったそうです。入管法改悪の採決が目前なのだと思います。片付けは藤原節男さんが車で、来てくれて、すごいスピードで行われました。そのあと藤原さんは事務所に新しく設置したブルーレイディスクプレイヤーで、お薦めビデオを皆さんに見せたかったようですが、タイミングを逸して皆さん帰ってしまったので、わたし一人だけで見ることになりました。最高裁の堕落にメスを入れた作品で、良い番組でしたよ。
https://twitter.com/keroppu8649/status/1650737540385882113/photo/2
曇り時々小雨 肌寒い。いつ降り出してもおかしくない空の色です。早番の人は帰り、今は4人が座っています。昨日(韓国の人たちが汚染水放出反対の申し入れにやって来てパフォーマンスもあって賑やかだった)と比べると寂しくて、そして寒いです。 (はしゆき)
◎ 原発をやめたドイツと違い、逆推進の日本って 4月26日(水)
天気予報どおり、一日中、雨。座り込み備品搬出とセッティングの時は小降りで助かった。雨なので、座り込みに参加する人は少ないだろうと予想したが、やはり少なかった。午後1時過ぎに、入管法反対の国会前抗議行動に参加していたWさんが来て、お昼を食べ、また、午後3時半からの入管法反対集会に行くという。
倉田さんの演説は、ドイツが原発をやめたこと。チェルノブイリから原発を減らす方向を選択し、3.11フクシマでやめることを決め、12年後に全原発停止・送電線を切ったということ、それに比して日本・経産省はGX法で「原発拡大」に向かっていることを強く批判した。「経産省は亡国の省だ」と倉田さんはいつも言っている。
雨の中、Obさんが倉田さんに渡したい資料をもって来た。倉田さんの演説を聞いてから帰った。雨は激しく降っていた。遅番のWtさん、2人組、Anさんが登場したので、WさんとTは入管法反対で国会に向かう。国会には、衆議院憲法審査会を傍聴しているヨーカンさんなど、テントひろば常連も何人かいた。入管法は結局、この日は審議せず終った。ところが「GX原発束ね法案」は、経産委員会で採決された。本当におそろしい国会だ。雨は降り続いていた。(T・I)
◎ 軍需産業強化法案も画策されている 4月27日(木)
早番のヨーカンさんが、軍需産業強化法案反対の集会に参加のため遅番担当のUさんが、早くから事務所に来て下さり、セッティングは勿論のこと、座り込み終了後の片付けから事務所への搬入迄して頂き本当に助かりました。
12時半頃に、高齢の男性がさりげなくテーブルに置いてあるテントニュース一式を持っていかれた。よく読まれて原発に対して正しい知識をもって頂ければと願うばかりです。(政府・東電のデタラメなキャンペーンに毒されていれば?)
14時半からは、JKS47士による月例祈禱会がおこなわれました。スタートは今月25日に、96歳で亡くなられた、アメリカの歌手・俳優で公民権運動の活動家として知られた「ハリー・べラフオンテ」の「バナナ・ボート」から始まり、男女ペアによる時事漫談、次は岸田首相を徹底的に批判した替え歌(岸田の頭はクルクルパー)と続き、勧請・読経等々と恒例の祈禱会が終わり、最後に経産省前テントひろばより、Oさんが挨拶「脱原発焼酎」の宣伝もして終了した。次回は5月25日(木)とのことです。 (Y・R)
==========投稿==========
小野春雄さんビデオメッセージ DVD頒布中
「海はすべての命の源!海はオレたち漁師の仕事場だ!」
経産省前テントひろばでは福島県新地漁協組合員である小野春雄さんの15分間のビデオメッセージをDVDにして頒布しています。メッセージの要約付きです。ご興味ある方は経産省前テントひろばの座込み現場(経産省本館前、午後)にお出かけください。ビデオメッセージDVD:200円
なお、小野さんメッセージ動画はインタネットにより観ることもできます。
福島の漁師・小野春雄さん「海はすべての命の源! 海はおれたち漁師の仕事場だ!」(福島県・新地漁協組合員)
制作:「3.11原発いらない☆ふくしま集会」実行委員会
https://www.youtube.com/watch?v=XGQrA2YKoss
=====添付資料=====
原発週報 2023.4.19-4.25 編集:漆原牧久
=========デモ、集会==========
・4月30日(日)経産省正門前(青空川柳句会) 12:00~15:00
・4月30日(日)日比谷コンベンションホール(原発事故被害者訴訟)13:00~
・5月3日(水・休)有明防災公園(憲法大集会) 13:00~
・5月10日(水)原子力規制委員会前 12:00~13:00
・5月10日(水)原電前抗議 17:00~18:00 東電前抗議 18:45~19:45
・5月12日(金)経産省正門前(テントひろば) 17:00~18:00
・5月16日(火)日比谷野音(放射能汚染水、海洋放出反対) 18:30~
・5月17日(水)全国相談会(再稼働阻止全国ネットワーク) 9:00~16:00
・5月19日(金)経産省正門前(テントひろば) 17:00~18:00
・5月21日(日)第18回新宿デモ「子ども被ばく裁判」十分な審理を(脱被ばく実現ネット)
アルタ前広場 13時アピール 14時デモ 参加を!
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5056:230501〕
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