経産省前脱原発テント座り込み日誌11月16日版
- 2023年 11月 20日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年11月16日は、座り込み4,450目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 警察の外国人蔑視の姿勢を感じる 11月5日(日)
私(M島)は12時過ぎに経産省に到着。藤原節男さん、E藤さん、S藤さんの3人がいて、座り込みの設営は完了していた。私と入れ替わるようにE藤さんS藤さんは帰る。いつも設営を手伝って頂いて助かります。横断幕4枚、のぼり旗7本が立っている。藤原さんも私も、体調は大分回復してきた。
晴れ。気温高めで蒸している。蚊が多い。私は座り込み終了まで4匹の蚊を退治。12時半頃、乱鬼龍さんが来る。乱さんは、浪江町請戸海岸で10月1日に捕れた魚の放射能を、東京大学の環境分析科学研究室で測定した結果の資料を、座り込みメンバーに配る。筋肉部が1.45Bq/kg、胃の内容物が8.1Bq/kgで基準値(100Bq/kg)以下だが、餌から筋肉へ汚染が移行している傾向が示された。
午後1時過ぎ、自転車で通りかかった男性が、ビラのセットをもらっていく。彼は、日比谷図書館で午後2時から上映される映画を見に来た。タイトルは「サイレントフォールアウト」。米国内での核実験による米大陸の放射能汚染を明らかにする内容だ。この上映会には、元双葉町長の井戸川氏が関わっている。
テント句会の主催者、乱さんから、11月の句会は、月末に用事があるため、来週12日に行う、とアナウンスがあった。また、乱さんが関わる年末のレイバーフェスタでは、韓国のテレビ局が作成したドキュメンタリが、韓国での放送よりも早く、世界初て、上映されるそうだ。この番組は、韓国サンケン労組の闘いを、サンケン本社のある日本から支援した、ある日本人の姿を描いたものだ。
午後1時半過ぎ、若い男性が通りかかる。彼は、午後6時に日比谷公園を出発する、パレスチナ侵攻に反対するデモに参加するため、それまで図書館で時間を過ごそうと来たそうだ。彼は、宮城出身で、テントひろばのことは知らなかったそうだ。彼にビラを渡し、図書館で上映会があることを教える。
午後2時前にキリスト宣伝車の千葉勝郎さんが来る。藤原さんがゆで卵を渡すと、お返しに小魚アーモンドのお菓子を千葉さんから頂いた。千葉さんが帰った後、たんぽぽ舎ボランティアの渡辺さんが来る。11月18日の東海第二原発再稼働に反対する集会は、会場定数800人に対し前売チケットで600人を確保したそうだ。
午後2時半前、はしゆきさんが来る。2時40分前、警官2人がワゴン車で来る。デモ隊が通るので、路駐している藤原さんの車を移動してほしいとの事。もちろん快諾し、すぐに移動する。約5分後、デモ隊が日比谷から、テントがあった角を左折して、座り込みの目前を通過。ガザ侵攻に反対するデモだ。参加者は70人程で、妙法寺の僧侶の他は、ほぼ外国人。我々はプラカードを掲げて脱原発をアピールしたが、日本語だったので通じたかどうか。なぜか誘導の警官が普通のデモに比べ少し多めだった。「警察の外国人蔑視の姿勢を感じる」と、はしゆきさん。定時の午後3時で撤収。今日の座り込み参加者は累計8人でした。(M島)
◎ 突然、冬がやってきたような気候である 11月10日(金)
今日は久しぶりに雨が降った。ただ、ずぶ濡れというほどではない。しとしと降る雨だ。11月に入っても、夏日が続くことがあったが、ここにきて、ようやっと秋らしい陽気になってきた。しかし、突然、冬がやって来たといった方がよいようだ。また、今日の気温は、平年よりは高めだという。身体が陽気に対応できない。私たちの仲間の中でも、体調不良を訴える人がいる。10月の末まで夏で、その後、急に冬になるなんて、異常でしかない。体調不良も陽気のせいかもしれない。
今日はYaさんが袴田さんの再審裁判で静岡地裁の傍聴参加に出かけていていない。したがって、残りのメンバーでセッティングを開始する。その時は、まだ雨はふっていないが、ただ今にも降ってきそうな空模様である。12時半ごろ、何とか、セッティング完了して座り込む。丁度その頃、デモのシュプレヒコールの声が聞こえてきた。どこのデモかなと、思っていると、霞ヶ関の交差点のへんまでデモ隊がやって来て、全労連(共産党系)のデモであることがわかった。労組の旗をたなびかせながら、やって来た。3梯団の隊列だった。随分集めたものだ。
丁度そのころ、藤原節男さんから電話が入り、話をした。後でやってくるという。症状がかなり悪そうだ。体調を壊しているのなら、早く帰った方がいいよ。というが、後片付けがあるので帰れない、と言う。何と優しい心持ち何だろうと思った。
私(S・S)は、その後は文科省前の抗議行動に参加したので、詳しくは分からないが、午後5時からの経産省抗議は、余り増えていないようだった。(S・S)
◎ガザ虐殺を止めろ、「水産資源保護法」違反ではないか、税金無駄遣い止めろ! 11月10日(金)
人類の愚かさを嘆きながら、ガザの虐殺やめろ、NOWAR、NONUKES、再稼働反対、核ゴミ増やすな、老朽原発うごかすな、…のコールで経産省抗議を開始。
私(K.M)から、汚染水海洋投棄「処理水海洋放出」が「水産資源保護法」に違反ではないかと、東電、水産庁、福島県水産課、環境省などに電話した経過を説明、どの関係者も放射能汚染の判断から逃げて「水産資源保護法」違反の判断を誰もしていない、環境省も放射能汚染については環境アセスメントをしない。
田中一郎さんが、統一教会との癒着とセクハラ疑惑の細田衆議院議長の死を確認し、日本の財政破綻を嘆き、補正予算・予備費・基金・特別会計・業務丸投げを使って、官僚たちが巨額の税金を私物化している、経産省を解散するべきと訴えた。K.Mから、普天間を使用し続けながらの辺野古埋立、原発稼働をし続けながらの六ケ所再処理建設も同様の無駄。
クレヨンハウスのYoさんが、雑誌「いいね」で「ALPS処理汚染水」放出を考えるの特集でテントひろばを紹介、また11月23日(木)の朝の教室「パレスチナ自治区ガザへの軍事侵攻から考える命の尊厳」(安田菜津紀さん・佐藤慧さん講演会)を紹介。
火炎瓶テツさんが、猫だって亀だって、けんかをしても殺しあいをしない、殺戮を続ける人類は愚か、原発過酷事故を抱えながら若狭や東海第二の老朽原発を稼働する日本の愚かさを訴え、ガザに対する軍事大国アメリカが非戦闘員の殺戮を止めないことを糾弾し、経済産業破壊省・東海第二再稼働反対・老朽原発再稼働反対・ALPS処理水って放射能汚染水・嘘をつくな誤魔化すな・脱原発・核廃絶と元気にコール。
三上さんが、パレスチナの状況の中で新聞を見たくない、アメリカも日本の外務大臣もひどい中でどうすることもできない、どう戦争を止めさせるか、とにかくイスラエルを止めないと、汚染水海洋投棄も止めねば、浪江の請戸海岸で汚染状況を調査する行動を開始し海洋投棄と原発に反対する行動を始めた、請戸海岸で初詣を見ることも検討中、と新たな闘争を呼びかける。
Moさんが「座り込め、ここへ」を歌い、原発稼働・辺野古基地建設の税金の無駄遣いを責め、「水に流すな」を歌う。
続いて髭さんが、文科省前の16時から17時の抗議行動を紹介、Shiさん11日(土)の大島堅一が話す東海第二反対の集会を紹介。 乱さんが、田島陽子さんの講演中止や汚染水―処理水の言論統制とメディア圧力と言葉狩りを嘆く。最後に、みんなで元気にNOWAR,NONUKES、脱原発、…のコールで終了。再び雨が降り出した中、藤原節男さん車の応援を得て、椅子や横断幕を片付ける。(K.M)
◎ 日本の政府の地金が露呈する日々 11月11日 (土)
・民族浄化
―標的はハマス?パレスチナそのものだ―
まさかというか、やはりというかのネタニエフ政権閣僚のガザに原爆投下発言。イスラエルは、昔から無差別攻撃を繰り返してきたが、対象だけでなく、方法も無差別ということだ。人質となった自国民すら顧みないのか。拘束力がなければ好き放題にやるのがイスラエル流。そして、日本もそうだ。「拘束力がない」という理由で、自分たちを正当化する、約束も反故にする入管や法務省がそれだ。どちらが元祖か本家か知らぬが、差別主義者のやることは同じだ。
・これは米国の戦争である
毎日4時間だけの戦闘休止が決まった。但し局地的に。それはイスラエル軍の軍事行動を妨げないことは確かだ。避難のための人道回廊を設けるそうだが、パレスチナ人を追い出すことが人道なのか。日本のメディアが伝える戦闘休止などの発表は、なぜか、米国国家安全保障会議からだ。今日の朝日の朝刊には「イスラエル戦闘休止同意」とあったが、東京新聞夕刊によれば、ガザの病院や学校へのイスラエルの攻撃が続いている。
・首相「還元」強調
それ、甘言の間違いです。
・「文ちゃん、こちら、手のなる方へ」
それは昔の時代劇映画に出てくる目隠し鬼の殿様がお女中たちの声を頼りに右往左往する姿。安倍路線という地図を頼りに、巡航ミサイルのごとく、今日も飛ぶ飛ぶ、岸田内閣。なまじ聞く耳を持つばかりに、フラリフラフラヨタヨタと、蛇行と愚行を繰り返す。
国連総会における人道的休戦決議を棄権したと思いきや、G7外相会合で共同声明に戦闘の人道的休止を入れたと僅か10日程で急旋回。しかも国際人道法遵守がどうとか。議長は前法務大臣の上川外相。
米国、イスラエル、官僚の声は聞いても、国民の声だけは間違っても聞かないだけあって、支持率も低空飛行。独自路線は、自分の給料をあげることくらいか。(O・O)
◎ 脱原発青空テント川柳句会が開催された。 11月12日(日)
冷たい雨はあがったものの、陽が射すことはなく、気温が低いままの寒い1日でした。句会参加者は7名、選者は乱鬼龍氏、席題は「現実」、「ことば」。14時30分投句締め切り、14時40分より入選者の発表、披講となりました。
選者により入選句が読み上げられ、入選者へ”活動が長持ちする”お餅、柿、みかん、バナナなどのフルーツや”平和を求め軍拡を許さない”スカーフ、クレヨンハウス発行の雑誌「いいね」など数々の賞品が手渡されました。
入選句は以下の通りです。(S.E.)
「現実」の特選
・あきれ果て またあきれ果て 抗議する - 芒野
「現実」の秀句
・現実に 人より原発 優先す - 原子力ガリレオ
・八億の 飢える現実 目をこらせ - 海の民
・イスラエル いつまで続く 攻撃ぞ - 三里塚
・殺りくが 続く現実 見ぬ日本 - 芒野
・シン・悪の 枢軸日米 イスラエル - ふ64
「ことば」の特選
・処理水と言う 緩慢な殺人 まかり通る - 海の民
「ことば」の秀句
・マスコミの ことばは軽し 67位 - 原子力ガリレオ
・ことばから 抜けた魂 取り戻せ - 芒野
・裁判官 ことばつうじぬ 異邦人 - 原子力ガリレオ
・ネットでは 亡霊化する 言葉たち - 芒野
・風評に 勝った勝ったと 勝利水 - ふ64
次回の脱原発青空テントひろば川柳句会は、2023年12月24日(日)12時より開催いたします。
句会終了後に、持ち寄りでの忘年会を予定しております。是非ご参加ください。(S.E.)
◎ 熊が里に下りてくる背景を思う 11月13日(月)
きょうは朝から一日中、風が強く、バナーなどを括り付けるのに苦労した。風は、風速5㍍という予報だったが、経産省前はその倍ぐらい吹いていたのではないかと感じた。
空は雲一つない快晴だったので、座り込み準備を始めた頃は暑くて薄手のジャンパーを脱いでいたが、午後1時頃から肌寒くなってきた。温湿度計を見たら、気温15℃、湿度も20%と低かった。今朝のテレビで「一週間前は25℃あった」と言っていたので、10℃も下がったのだから、寒く感じるのは当然であった。急いでジャンパーを着たが、空には太陽がギラギラ輝いているのに、肌寒いので不思議な感覚であった。
午後2時以降は、ジャンパーを着ても寒くて、立ったり座ったりして時間まで過ごした。午後3時頃、何となく後ろの千両の樹を見たら、赤い実がほとんどない。隣なりの樹を見たが、同じであった。先週まで沢山のスズメが鳴いていたのに一羽もいない。例年なら沢山の赤い実をつけているのに。スズメが食べつくしてしまったのであろう。今年はスズメもエサが少なかったのか。エサが少ないと言えば熊である。これまでも散々、言われてきたことであるが、人間が自然界の奥まで開発して動物の生息域を侵食したので自然の逆襲を受けているのだ。熊のエサであるドングリを実らせてくれるブナなどの広葉樹林を広範囲に保護していけば、熊が人里に降りてくる事は無くなるのである。(保)
◎ Eさんに川内原発での県民投票と、その後を聞いた 11月14日(火)
昼前から経産省前のバナー設定などを始めたが、終わって時計を見たら12時15分だ。いつも昼休みに30分、座りに来てくれるB氏が、「中国文化財返還運動を進める会」のパンフレットNo2を読んだといって、その感想を聞かせてくれた。その後、ひとりの青年が立ち止まって、懐から財布を出してカンパを入れてくれた。しばらくH氏の「デモクラシーか資本主義か」を読んでいると、やがて陽が陰って風が出て来た。そこにIさん、Eさん、Aさんが順にやってきて、Iさんは来週も来るといい、Eさんには、こちらの状況を説明して川内原発での県民投票のその後の状況を聴いた。食事から戻って暫くすると、W、Oさんらが座って、参加者は総勢で7人となった。この日は午後4時過ぎに3人で撤収する。 (EO)
◎ 経産省って亡国の省だよね 11月15日(水)
幟やバナーに使うポールの類が壊れたりしていて、セッティングに時間がかかってしまった。その後は、たんたんと座り込み。老婦人が会釈してくれながら通る。当番のIさんは「半袖から一気にダウンになってしまった。秋は2日間しかなかった感じだ」と言っていた。
乱さんが『週刊実話』の関西生コンについてのねつ造記事裁判傍聴の前にテントに寄ってくれる。Tさんも寄ってくれて座り込んでくれた。午後2時前に裁判所に向かう。ヨーカンさんは、原子力規制庁から回って来て、お弁当を食べて、トークして帰られた。ガザのイスラエル軍には言葉もない。ああいう行為をアメリカやドイツも支持するのだから恐ろしいという。
経産省の門のところに「大学生協連合 公務員講座 経産省」のボードを持った男性が立つ。前にもやっていた。要するに経産省に就職したい大学生に経産省を案内するようだ。私たちは「経産省は亡国の省」と本当に思う。(T・I)
◎ 色々の人と交流できる、それがテントひろばである 11月16日(木)
Inさん、Yoさんと3人で設営作業。最初は暑いと思ったが、座り込みを始めると肌寒く感じる。東海第二原発の防潮堤工事不備問題を報じる「東京新聞」やテントひろばの活動を紹介しているクレヨンハウスの機関誌などを3人で回し読みする。13:30過ぎ、Inさんは汚染水放出中止と原発推進政策撤回を求める申入書を持って内閣府に向かった。
YoさんはカーペンターズのTop of the worldの替え歌「そんな世界が一番」を歌い始める。私は「フクシマを忘れない!」「放射能汚染水を海に流すな!」のプラカードを持って、経産省の周りを歩いて一周した。戻って来ると、通りかかった中年男性が「署名はやっていないのですか?」と聞いてきた。あいにく署名用紙は用意していなかったので、チラシセットを渡すと「頑張ってください」と言ってカンパをしてくださった。
14:30頃、英語の先生、Oさん登場。通りかかった熟年の女性がバナーを見て興味を示し、しばらく立ち話をする。若い頃から色々な運動に関わってこられたという。「大事な活動だから、もっと人を引き込んで広げてください」と励ましてくださった。15:00頃、熟年の男性が立ち寄り、原発への批判も大事だが、それに代わる仕組みをちゃんと考えないといけないと言い、ご自身が関わっている活動、NPOについて紹介してくださった。横浜在住の方で、佐渡で地産地消のエネルギーシステムを作る運動をしているという。後半に加わったTaさん、藤原節男さん、Xさんと4人で撤収作業し、座り込み開始後4450日目の抗議を終えた。(M.U)
=====添付資料=====
原発週報2023. 11.8-11.14 編集:漆原牧久
=========デモ、集会==========
・11月22日(水)原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動(12時~13時)
・11月22日(水)月例祈祷会(JKS47士)午後2時30分より 会場:経産省前テントひろば
・11月24日(金) 経産省前抗議集会(毎週金曜日)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5154:231120〕
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