老後の不安の第1は「生活費・金銭面」 生協組合員へのアンケート
- 2024年 3月 29日
- 評論・紹介・意見
- 岩垂 弘生協老後
「人生100年時代」と言われる。確かに私たちは長生きになったが、そのことを両手を挙げて喜んでいるわけにはいかない。なぜなら、これからの老後も何らかの生活上の不安がつきまとうのではないかという思いが多くの人たちの心につきまとっているのでは――との問題意識から、生協の全国組織である日本生活協同組合連合会が、組合員を対象に「老後への意識についてのアンケート調査」を実施した。生活協同組合員は今や3000万人。地域生協への世帯加入率は39%にのぼる。アンケート調査の結果は日本国民全体の意識に近いとみていいのではないか。
調査期間は昨年の12月5日~11日。まだ老後を迎えていない20代から50代の組合員を対象にWEBでアンケートを実施、6093件の有効回答を得た。
最初の質問は「ご自身の老後について、具体的に不安を感じていることがあれば教えてください(答えはいくつでも)」
これに対する回答のトップは「生活費・金銭面」で71.6%。年代別に見ると、30代が最も高く、79.3%。最も低かったのは50代で64.5%だった。
「生活費・金銭面」に次ぐ老後の不安は「心身の健康」66.5%、「認知症」52.3%と続く。
老後への備えは「貯蓄」
第2の質問は「ご自身の老後に備えて、今現在から行っていることはありますか?(答えはいくつでも)」
これに対する回答の第1位は「貯蓄」で45.0%。これは、全世代でトップだったという。次いで多かったのは、「栄養バランスを考えた食生活」29.8%、「適度の運動」27.3%、だった。
第3の質問は「あなたは、ご自身の『老後』をどのように捉えていますか?(答えはひとつ)」である。
これに対する回答は「ポジティブ(前向き)に捉えている」7.3%、「どちらかというとポジティブ(前向き)に捉えている」24.8%、「どちらでもない」30.1%、「どちらかというとネガティブ(後向き)に捉えている」22.7%、「ネガティブ(後向き)に捉えている」5.1%、「わからない」6.5%であった。
欲しい体・病気についての情報
最後の質問は「老後の健康について、今の時点でどのような情報がほしいと思いますか(答えはいくつでも)」である。
これに対する回答は分かれたが、主なものは次の通り。
「からだ・病気についての情報」40.2%、「食事・栄養についての情報」35.2%、「運動についての情報」28.3%、「休養・ストレスケアについての情報」27.8%、「医療・医療施設につての情報」26.0%、「趣味・生きがいについての情報」25.9%、「睡眠についての情報」24.9%、「介護・支援サービスについての情報」24.3%。
読者の皆さんの、老後について不安は何でしょうか。そして、現在、それに備えて努力していることは何でしょうか。
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